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2019年12 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:漠然とした顧客期待、ニーズから読み解き、重要」から 

2019.12.6   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:漠然とした顧客期待、ニーズから読み解き、重要」から

顧客の期待の具体性とその対応

 コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、新製品・新サービスを市場導入する際に、顧客へのアピールポイントをどうみるかについて説いている。

◯顧客の期待高いの具体性に注目

 小野教授によると、新製品・新サービスでのアピールポイントをどうするのかは、顧客とのコミュニケーションから、まずは定性的に読み取る必要があるという。

消費者は、アピールポイントを情報収集の対象としてとらえれば、期待を抱いて購入することがおおくなる。使った結果、期待通りなら満足し、そうでなければ期待外れで不満をもつ。つまり、顧客の期待が過剰にヒートアップすると結果的に不満しか残らないため、マーケティング担当としては適度な対応が重要となる。

そこで、いろんな手段で顧客の期待の高さを観察したり収集する必要がある。アンケートなどが最も簡便な方法であるが、そこでの分析が重要だという。そこでの定性的な情報を読み解く際に具体性に注目することは興味深い。例えば、小野教授はクレジットカードを例にこれを解説している。

  • クレジットカードの選択理由
    • 年会費無料
    • ポイント還元率
    • マイレージ交換
    • 海外で使える
    • サポートデスク

といったキーワードが出てきて、これらから、顧客はそれぞれのキーワードへの対応をカード会社の期待として捉える。一方で問題なものとして、

  • 具体的なキーワードではないもの
    • 信頼できる
    • イメージが高い
    • ステータスがある
    • なんとなく
    • 勧められたから

といった漠然とした抽象的なキーワードをあげる顧客がある。このような顧客は、メリットが感じられないといった具体的に不満な対象がわからないことである。マーケティング担当者としては、この抽象的な不満を具体的なものにどう置き換えて視点をもつかが腕の見せ所である。📈🍓🍎🍊💳⚡️🌍happy01💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:人工クモ糸、掛け合わせた名付けの妙」から 

2019.12.4  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:人工クモ糸、掛け合わせた名付けの妙」から

社名も商材のネーミングも

コラムの著者 岩永 嘉弘氏(ネーミング&コピーライター)が、取り上げたのは、クモの糸の靭性に注目し人工繊維として開発したスパイバー(山形県鶴岡市)社とその商品、クモノスについて語っている。

○多くの技術の結晶が「蜘蛛の巣」のように集めてできた商品、クモノス

 岩永氏によれば、クモの糸は鋼鉄の約340倍もあるという。その強さを夢見て作り出した、バイオ繊維のネーミングが、QMONOS(クモノス)だという。スパイバー社が開発した。今やスポーツウェアのゴールドウインがアウトウェアジャケット「ムーン・パーカー」に採用したり、スポーツウェアを中心にアパレルへの採用が進んでいるという。

ポリエステルやプラスチックに代わり、多くの生活雑貨に利用でき、エコロジーとサステナブルの視点から注目を集めているという。

蜘蛛の巣から生まれた繊維といっても単純な開発話ではないという。人工のクモの糸の創造を目指して開発。タンパク質の分子から生成する遺伝子、遺伝子合成、遺伝子組み換え技術、発酵技術、生成技術、紡糸加工技術など多くの技術が必要で広範にわたる。これらを苦労しながら組み合わせ、クモノスとして結実させた。まさに蜘蛛の巣のように複雑な技術の組み合わせをおこない、由来である蜘蛛の巣と品質のQ、唯一無二のMonosを組み合わせ、唯一無二の品質をもあらわした ネーミングである。また、開発会社の社名、スパイバーもスパイダー(クモ)とファイバー(繊維)の合成語。しっかり、開発コンセプトも表している。🕷🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:薄氷を踏むトランプ氏」から

2019.12.2  日経産業新聞の記事「眼光紙背:薄氷を踏むトランプ氏」から

政治的にも経済的にも厳しい状態の米トランプ大統領

 ワシントンでの米トランプ大統領の弾劾審議といった政治的な危機と同様に経済もGDPの伸びは昨年半ばに3.5%であった状況から2%まで減速していることから規模しい状況である。コラムの著者は、その背景について語っている。

◯米中貿易戦争が直接原因

 米中の貿易戦争は、輸出入ともに前年比2桁の大幅減であることから、輸出が落ち込むと企業は先行きを警戒して投資に対して慎重になる。設備投資も大幅減で、米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は景気分岐の50を下回っている状況だという。

このまま、輸出入が減り、設備投資も減少し続ければ、堅調な雇用と消費に影響が出る。大統領はFRBにさらに圧力をかけて大幅利下げとドル安誘導を希望するが、パウエルFRB議長は過去3回の利下げで景気循環途中の金利調整は終了と見ている。問題は米国経済の腰折れ現象が生じた場合、機動的に対応できるかであるという。まさに薄氷を踏んでいる状況である。🏦💰🎓📖🏦💴📊🔎⚡️🌍happy01🌎🇺🇸

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:環境問題がビジネス直結」から

2019.11.29  日経産業新聞の記事「眼光紙背:環境問題がビジネス直結」から

欧州では保険や再保険会社が、日本では電力、水産業が直撃

 コラムの著者は、どこか他人事のように思われがちな環境問題が、世界的な自然災害の拡大に伴って、各国の産業に影響を与え経済問題にも発展していると語っている。

◯必要は発明の母であることからビジネスチャンスを見出せ

 総論は理解できても各論では動けない政治家や企業が多い環境問題。その環境問題が経済に直結する事態が欧州では起こっている。

最たるものが、再保険会社である。ドイツ、スイス、フランスに世界の5大再保険会社が拠点を持つ。当初はタンカーなど大規模な損害補償に再保険が使われたが、最近は自然災害による保険金の支払いが、保険会社に止まらず、再保険会社にまで広がっているという。もはや環境問題・温暖化問題は欧州経済を直撃するようになり、具体的な環境対策・温暖化対策がビジネスに直結するようになってきた。

日本では台風15号、19号による損害保険の保険金支払金は大手三社の合計で8700億円。再保険によるカバーによって実際の支払額は4000億円である。政府も対策として、電力線の地中埋め込みに重い腰をあげた。また、海洋汚染で課題となっているマイクロプラスティックごみ問題も漁業、水産業が影響を受けている。大災害をバネに、逆にビジネスチャンスとみれるかが正念場である。🐟🎓📖🏦💴📊🔎⚡️🌍happy01🌎🇯🇵🇺🇸🇩🇪🇫🇷🇬🇧🇳🇴🇳🇱🇪🇸🇮🇹

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:進化するテープのり、使用時の『軽さ』追及」から 

2019.11.29    日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:進化するテープのり、使用時の『軽さ』追及」から

顧客の潜在ニーズを丹念に追及

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのは、トンボ鉛筆のテープのり「ビットエアーミニ」の開発で、そのマーケット戦略について考察している。

◯マーケットリーダーとしての誇り

 トンボ鉛筆のこの商品。通常のテープのりと何が違うのか?まず、ターゲットは学生。ペンケースで携帯できるサイズにこだわる。次に、業界最軽量の走行力、つまり軽くテープがでて貼れる力が大きいという。テープを引き出す力は、使い始めで50%軽く、使い終わりで13%軽い。従来のテープのりであると、テープを使うと次第に走行が重くなるという欠点があった。ただ、この欠点をユーザー調査でも浮かび上がることはなく、「そういうものだ」と思われていた。そこに、ビジネスチャンスがあると同社は気付き、2年の開発期間を経て、「エアータッチシステム」を商品化した。

もともと、同社はテープのりではなく、修正テープの分野ではトップシェアでマーケットリーダーである。しかし、修正テープ市場は飽和市場で成長性が期待できないことから、テープのりでの新技術導入で成長を図ったものであった。テープのりの市場は、約33億円で、液体のり、スティックのりよりも成長性がある。そこに目をつけ、最軽量で走行の軽さを訴求したところは、ていねいにユーザニーズを掘り起こした好事例であると高岡教授も評価している。🎓📖✏️💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵