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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:CMの炎上、『カルスタ』で考える」から

2018.1.12  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:CMの炎上、『カルスタ』で考える」から

炎上の説明にカルチュラル・スタディーズ(カルスタ)を適用

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、このところ自治体のPR動画やビールなどのCMで「炎上」が相次いでいる説明に、カルチュラル・スタディーズ(カルスタ)の視点で考察している。

○文化的な現象や出来事を「意味の形成を巡る闘争の場」と考え、文化と権力との力学とみるカルスタ

 三浦教授によれば、カルスタ自体は、第2次世界大戦後のイギリスで生まれた比較的新しい社会学の一分野だという。その本質は、文化的な現象や出来事を「意味の形成を巡る闘争の場」と考え、文化と権力との力学とみることにあるという。

CMの炎上も文化的事象に対する、旧来からの男性社会の意味づけとそれに反発する若い世代の意味づけの間の闘争なのだという。意味形成を巡るこのような闘争は、主にサブカルチャー、人種、ジェンダーの場で行われる。

そこで、日本で決定的なのは、「ジェンダーギャップ指数」で、2017年世界経済フォーラムが発表した世界での当該指数を見ると、日本は、144ヶ国中114位という「ジェンダー後進国」であることである。いまのCMの炎上はほとんどこれであると、三浦教授は示唆している。

多くの文化的・社会的事象が、「エスタブリッシメント、白人、男性」と「若者、非白人、女性」との間の意味形成の闘争であるといえるという。スマートフォンやSNSなどインターネットは「弱い立場」と捉えることができる若者の得意分野であり、その結果としてCMの相次ぐ炎上があると言えそうだ。ネットという力をもった若い男女によるCMの炎上は、この闘争が続く限り、終わりそうもない。📱💻🎦🏢🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:トレンドの軸は消費から『働き方』へ」から

2018.1.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:トレンドの軸は消費から『働き方』へ」から

働き方の変化が予測を変える

 コラムの著者は、毎年年末にリクルートHDが発表する「トレンド予測」に着目し、これからの消費傾向の変化を読み取っている。

◯予測の情報源も広告代理店から求職情報のリクルートへ

 かつては消費経済仕掛け人であった広告代理店から働き方の新鮮な情報をもつリクルートが情報源が変わったとコラムの著者は述べている。その背景に、雇用、飲食、住宅などに対する大量かつ新鮮な情報をもつ同社が組み立てた仮説であるだけに説得力があるという。
例えば、
「来るスマ美容師」:要介護などおしゃれを楽しめるように家庭で髪をカットするカリスマならぬ「来るスマ美容師」
「年功助力」:年の功を生かして現役世代を職場で助ける「年功助力」
「育住接近」:駅からは多少遠くとも保育園などを併設し子の送り迎えに便利な「育住接近」
などの新語があるという。各ジャンルで共通なキーワードは、高齢化と時間価値の増大であるという。増えるシニア層にむけた新しいサービスが始まる。シニア自身が引退せずに新しい働き方を編み出す。現役世代は、仕事と私生活、本業と副業の両立で時間が貴重品になるという。それがまた新しい生活スタイルを生むという。
全ての底流にあるのは「働き方」の変化だという。かつては、生活者のトレンドといえば消費の変化を指したが、今では、生活者の関心が消費から仕事に移り、その情報源も消費をリードした広告代理店から仕事に関連した同社に変化したのもその証拠かもしれない。📅🏠👦👚👕💡🏢⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:少子化克服には社会保障の大改革を」から

2018.1.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:少子化克服には社会保障の大改革を」から

人口維持ができる出生率2の壁

 人口減少と高齢化の加速で生産年齢(15〜64歳)人口は減り続けており、就業者数は女性の社会進出で出産・育児で就業率が下がる「M字カーブ」は2030年には解消するという。しかし、コラムの著者は、人口減でも一定の労働力が確保されるのは優秀な女性のおかげだが、その前提に育児と仕事の両立ができる環境づくりを相当の予算を長期にわたって進める必要があるという。

◯出生率2に回復させたフランスの政策

 折角のM字カーブの解消だが、女性の活躍は少子化の上に成り立っているという。初婚年齢が確実に上がり、晩婚化が進行している。女性の初婚年齢は29歳。20年間で約3歳、晩婚化が進んだ。晩婚化は少子化に直結し、現状は1.44の出生率で横ばいだが、このレベルでは人口が減少してしまう。

政府は、待機児童対策や幼児教育の無償化など「人づくり革命」で夫婦で育児と仕事の両立しやすい環境を作ろうとはしている。しかし、フランス政府の政策のように出生率2の回復には相当の予算と人材が必要で、年間10兆円以上の子育て支援を追加しなけれならないという。それでも、回復までに30年は掛かる。これまで以上の税制・社会保障の大改革が不可避である。👦👚👕💡🏢⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:オープンイノベーション、『知財格差』に備えを」から 

2018.1.10   日経産業新聞の記事「トレンド語り:オープンイノベーション、『知財格差』に備えを」から

大手と中小企業間の知財格差

コラムの著者 橋本 虎之助氏(橋本総合特許事務所所長、弁理士)は、オープンイノベーションが今度こそは本気で動こうとしているが、大手企業と中小企業間に微妙な知財格差があり、これが両者の不信感を生んでいるという。

○解決には知見不足を埋め、知財の流通を起こすこと

  最近オープンイノベーションという言葉が良く聞かれるようになったという。さらにその取り組みが本気になってきているとの統計調査の結果も出て来ているという。

2016年1月に経済産業省が公表したオープンイノベーションに関する調査で、研究開発費上位千社の研究開発の実施法は自社単独の開発が61.4%と自前主義が中心と出ている。一方、日本経済新聞社が2017年12月にまとめた国内主要企業の「社長100人アンケート」では、オープンイノベーションの取り組み状況について、実施に85.9%が「すでに実施している」と回答している。グローバル競争に生き抜くには大手企業の自前主義から離れ、連携により自社に不足している知見を外部から得る傾向があると言える。

このような本気度が上がっているオープンイノベーションの取り組みだが、大手企業と中小企業では温度差があるという。

  • 中小企業から;
    • 大手企業に技術を盗まれるのではないか
    • 大手企業は意思決定にスピード感がない
    • 大手企業の開発課題が明確でない
  •  大手企業から;
    • 中小企業は自社の強みを示せていない
    • 意思決定は時間がかかる
    • 各部署は日常業務に忙殺されている

といった温度差である。両者の不信感を払拭する施策は多くがあるが、大きなものに「知財格差」があると、橋本氏は指摘している。中小企業に知財戦略に知見があれば、大手企業との交渉で適切な知財対応ができるが、中小企業は残念ながらそのような知見が不足しがちである。そのため知見不足が不信感を生む。

この知財格差を解消するには、知財の専門家である弁理士などの活用、知財の流通が肝要だという。💡🏭🏢⚡️🌍🔎happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:6次の隔たり、74億人の『小さな世界』示す」から

2018.1.9  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:6次の隔たり、74億人の『小さな世界』示す」から

日本はサイエンスとテクノロジーの基盤のもとに希望が自由に躍動をすることをリードしたい

 コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、2013年7月30日に話題した「6次の隔たり」をさらに紹介してその先進性について触れている。

◯米心理学者スタンレー・ミルグラムによる「スモールワールド実験」

 和田教授は、以前に紹介した「友達の友達を通じて6人つながれば、74億人のすべての人と間接的な知り合いになれる」という「6次の隔たり」を具体的に再度説明している。

例えば、和田教授(1)を端に発して、

  • 和田教授の親戚(2)
  • (2)が親しい外務官僚(3)
  • (3)がチリ大使に赴任し、チリの外務省の役人(4)
  • (4)の友人の実業家(5)
  • (5)の友人であるパタゴニアの寒村の尊重(6)

となれば、和田教授から地球の裏側の村まで6人の、5ステップで繋がるという。ここで、出て来た仲介者は特別な人ではなく普通の方達である。

この概念は、米心理学者スタンレー・ミルグラムによる「スモールワールド実験」という研究から生まれた。この実験では、届くまで経由した人の平均数は5.83人だったという。確かに、実験では世界的規模でなく、米国内であったことや追試に失敗したなど問題が指摘はされている。しかし、6次の隔たり概念の先駆けとして、歴史にとどめられるべきものだと和田教授は述べている。🎓👓⚡️🌍happy01