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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:東芝危機の原点、自社発の独創、見過ごす」から

2017.6.16   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:東芝危機の原点、自社発の独創、見過ごす」から

原子力事業だけではない危機の要因

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、創業以来、日本の電機産業のリーダであった東芝が危機に瀕した要因について語っている。

◯先見性とチャレンジ精神の欠如か

 

志村氏は、同社の研究所員であった舛岡富士雄氏(東北大学教授)が実質的に発明したNAND型フラッシュメモリーが少なからず判断ミスと対応の遅れが、東芝の危機の要因であるという。半導体事業のみならず、同社の自社の独創的な技術に対する姿勢だという。

まずは、独創性を従来のメモリーの常識を超え、低コストで製造できるものであったにもかかわらず、開発投資を行わず、インテルなどの米国企業の先行を許し、やがて韓国最大手のサムスン電子の後塵をはいしてしまったことである。

この事態に着目した米経済雑誌「フォーブス」は2002年6月24日号で

「インテルは発明の有用性を認めて300人の技術者を投入したが、東芝は5人だけだった」

と前置きし、

「日本は東芝の独創性を有効に生かす意欲に欠けていた」

と指摘しているという。

自社発の創造開発に目をつぶり、技術者の流出や知財の蚕食にさらされた同社。これが今日の危機の要因だという。💡💻🏢🌎happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:紹介客のメカニズム、お勧め入会、やめにくい」から 

2017.6.15  日経産業新聞の記事「小野譲司の目:紹介客のメカニズム、お勧め入会、やめにくい」から

知人の紹介客は定着しやすく退会しにくい

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、紹介客のマーケティングメカニズムについて解説している。

○紹介は利他性だけでなく、自分の選択の正当化

小野教授は、「誰かのお勧めで入会し、サービスを購入した顧客は定着しやすく、退会しにくい」という定説を解説している。

フィットネスクラブではその傾向がみられ、クレジットカード、携帯電話、料理教室、保険など一定期間の契約に基づいてのサービスを提供するビジネスでは、退会率をいかに下げるかが課題であるため、紹介客制度に注目している。

紹介で入った日地はなぜ止めにくいか。理論的には、紹介者がフィルタリングを行い、自然とそのサービスに関心ある人や購入を検討している人、相談を受けた人など、サービスとのマッチングが成功する確率が高い。紹介者も、相手との人間関係を崩したくないから、サービスの良い点だけでなく悪い点も忌憚なく相手に話すことで、サービスの評価がしやすくなるという。

さらに紹介者は、人のために何かしたいという利他性だけでなく、人に繰り返して話すことで自分の選択を正当化し、得失を明確にするためとも言えるという。💳⚽️cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:学生リポートの右傾化の理由」から

2017.6.14    日経産業新聞の記事「眼光紙背:学生リポートの右傾化の理由」から

SNSなどで右傾化の記事が参考に

コラムの著者は、私大の教員が学生にアジア情勢のリポートを課題に出すと、右傾化した論調ばかりとの嘆きを聞いたという。

◯ネットの口コミで広がる参考文

米グーグルなどの検索エンジンの上位にのるためのテクニックが、必ずしも良き記事ではなく、届けやすく歯切れのよい記事である場合が多い。

私大の先生が課したレポートもネット検索での上位にあり、内容はともかく多くの参考になっていると思われる記事から取り上げていることから生まれているという。先生が指摘したのは、とあるメディアの存在。「明確な報道姿勢」を売り物に、確かに内容は歯切れが良く、解りやすい。学生は、この記事をネット検索などで取り上げ、それをSNSなどで「この記事が参考になるよ」とクラスメートに口コミを行えば、次第に拡散し、同じような内容のリポートが量産されるというわけである。元は、記事の読み方にあるので先生の指導が不十分だといえばおしまいだが、メディア側にも問題はないか。

新聞記事など既存メディアでは、短縮名などの関係でネット検索などでは出てこないで埋もれている。検索エンジンの最適化などは、新メディアでは行われるが、既存メディアではそうではない。記事の内容より、検索数や論調でされるところが、既存メディアもふくめ学べねばならないだろう。💡📖📲🌍😃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ITの巨人VS.市場の番人」から

2017.6.13    日経産業新聞の記事「眼光紙背:ITの巨人VS.市場の番人」から

公正取引委員会のビッグデータ独占に対する指針

ICT市場の独占や寡占には市場原理で政府の介入は不要といった意見が支配的であった。コラムの著者は、かつての米IBMやウィンテル連合の独占や寡占とは異なり、はるかに危険性が高いと語っている。

◯コンピューター内部の問題にとどまらない影響力

 

米グーグルやフェイスブックなどプラットフォーマーを公正取引委員会が厳しく監視する内容で、ICTの巨人への一種の挑戦状であるという。

かつては、ICT市場は市場原理で、政府の介入の必要はないと言われてきた。大型汎用コンピューターを独占した米IBMは、PC時代の到来で主導権をウィンテル連合に派遣を譲った。グーグルなどもいずれイノベーションによって主役の座を引き渡すことになるのだから、多少の独占は放置してもよいという意見である。

しかし、最近は、コンピューターやインターネットなどの仮想空間にとどまらず、リアルな世界の覇権にも影響を持ち始めている。IoTやAIの発展でデジタル空間とリアルな世界が融合し、仮想空間の覇者がリアルな世界も牛耳る可能性もでてきた。ここにきて市場の番人、公正取引委員会の活躍に期待する。💻💡🏭🌍😃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: ドライフルーツ、柔らかさと容器、若者つかむ」から

2017.6.13    日経産業新聞の記事「風向計: ドライフルーツ、柔らかさと容器、若者つかむ」から

若者が遠ざかったドライ食品を再生

コラムの著者 竹原 あき子氏(工業デザイナー)は、乾燥技術の発達で身近になってきたドライフルーツのブランディングについてフランス企業を事例に取り上げている。

◯パッケージにも工夫

1980年代は保存食で誰もが好んでいたクルミやカシューナッツ、乾燥イチジク、プラムなどの人気が下降し、特に若者が遠ざかったという。Genuisse Foodsはフランスのドライスナック果物のメーカーはその対策を打とうと調査を行い、ナッツ類と乾燥果物を混ぜた商品企画などを始めた。

カシューナッツと乾燥果物を同時に食べると、簡単に早く頭の回転が良くなり、疲労も回復するという。さらにエネルギー効果もあって、ミネラル分も心身回復に効果があることを突き止め、ブレインフードと名付けた。さらに新しいパッケージのデァインにブレインフードを詰め、若者にアピールして販売し始めた。

ここでも乾燥果物の提供を餅程度の硬さにする技術を開発し、ナッツと一緒にパックした。容器は若者の目にとまるようにカラフルなものにし、中身が見てて、同量のカップよりも大きく見えるデザインを採用した。さらに、

  • カシューナッツは他のナッツよりも柔らかいから、こっそり仕事をしながら、あるいは会議中に食べても、周りに気付かれる危険は少ないよ

などといった呼びかけまで、パッケージに印刷してあるという。まさに若年層をターゲットにしたマーケティングだ。🍭💡🍎🍒🍊🍅🌍happy01