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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 渋谷駅、構造複雑、若者層へ偏り」から

2016.11.1   日経産業新聞の記事「風向計: 渋谷駅、構造複雑、若者層へ偏り」から

都内上位の駅の中で渋谷だけが乗車人員が減少

コラムの著者 山本 直人氏(コンサルタント・青山学院大学兼任講師)は、東京・渋谷駅周辺の人の流れが変わってきていること街作りについて触れている。

◯直通運転の影響の他に周辺の再開発地区で塞き止め現象

山本氏がJRの各駅の乗車人員を調べてみると、上位の駅の中で渋谷だけが減少しているという。最大の理由は、東横線と副都心線の直通運転にあるが、乗り換えの減少には別の要因もあるという。

どうも街が若者層への偏りにあると山本氏は指摘している。かつて「若者の街」と呼ばれた渋谷だが、その一方で私鉄のターミナルでもあり、人気の住宅街へとつながっている。しかし、渋谷周辺は、再開発の工事の最中で、再開発が先に進んだ二子玉川や武蔵小杉で人の流れが塞き止められているという。買い物もわざわざ渋谷までくることは少ない。

駅の構造も複雑で、動線はかなり良くない。子育て世代のベビーカーやシニアの歩行には厳しい。先日のハロウィーンの喧噪も渋谷が「騒がしい街」というイメージになりつつある。

ユニークな街を目指すのも良いが、ビジネスパーソンやファミリー層などが訪れたくなる街に帰るべきではないだろうかcamerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:頭を柔らかく、少しのことで世の中変わる」から

2016.11.1  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:頭を柔らかく、少しのことで世の中変わる」から

厳しい世の中で生き抜く知恵

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、飛行機やカップヌードルを事例に、発想の転換が勝機を生むことについて触れている

◯頭の固い惰性思考からの脱却

和田教授は、1903年のライト兄弟が初飛行に成功した飛行機の歴史を紐解くことから始めている。

飛行機は当初木製で、やがて軽くて強いアルミニウムやもっと軽量な合金ジュラルミンで作られるようになった。全金属製はドイツのユンカーズであるが、鋼鉄製で重く実用には至らなかった。日本も戦前の日本軍爆撃機に、どこまでも金属化することをおこない、几帳面だが融通が利かない惰性思考に陥った。

一方、英国人の発想は柔軟で現実的であった。エンジンやプロペラなどを除いて、木製で通した。日本では時代遅れと揶揄されそうだが、不見識だと和田教授は指摘している。木製のものを正確に製作する家具などの技術が利用でき、大量に生産でき、さらにレーダーに察知されにくいという利点もあった。また、表面を滑らかにできたので空気抵抗も金属製のものよりも優れていた。

カップヌードルも安藤百福氏が瞬間油熱乾燥法として特許を取得し、発明した。それが米国で受けたのは、発想の転換だという。

パンやハンバーガーなどには馴染みはあるが、麺には馴染みがない米国人に対して、当時の安藤氏は発想を転換した。麺ではなく、「具たくさんのインスタントスープ」として売り出した。スープなら米国人にとってもポピュラーで、これがヒットにつながった。

多くは、少しの発想の転換で進められるものばかりである。頭を柔らかくして進めたいものである。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:AIが葬る『社会・心理学派』」から

2016.10.31   日経産業新聞の記事「眼光紙背:AIが葬る『社会・心理学派』」から

対象が人ではなく膨大なデータ

コラムの著者は、業績や市場の将来性、社会の変化、経営者の哲学といった人間相手の取引から、チャートを基にした機械的な売買に変わった株取引のように、マーケティングもAIで大きく変わると説いている。

◯社会学・心理学の旗色が悪くなってくる

要因はマーケティングに人工知能(AI)が使われ始めたことだという。これまでは、売り手本位のセールスプロモーションは、消費者第一のマーケティングに変わり、その際に、頼られたのが人間の社会学、心理学といった学問であった。消費者心理をいかに読み解くかであったからである。

ところがAIになると、情報源は人間であっても心理情報ではなく、行動に伴う膨大なデータが対象となってくる。消費者のデータ化し売り上げや利益を最大化する商品や店舗設計を弾き出す。行動の理由や無意識の欲望など無視しても構わなくなる。まさに価値観の分析は不要となる。

同様のことが株取引に起こった。求められるのは、社会学や心理学ではなく、工学的な知識となる。仮説と検証を重視し、「消費は経済学ではなく、心理学だ」といった、セブンイレブンの創始者、鈴木敏文氏が一線から遠のくのも、象徴的である。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:SIMフリースマホ、カード2枚活用広がる」から

2016.10.31   日経産業新聞の記事「拡大鏡:SIMフリースマホ、カード2枚活用広がる」から

高機能のSIMフリースマホの登場

コラムの筆者 田中 雄二氏(ITジャーナリスト)は、これまでの低価格で低機能のSIMフリースマホではなく、カード2枚を利活用できるものがあると紹介している。

○デュアルスタンバイ

注目を浴びているのは、この「デュアルスタンバイ」と呼ばれる機能で、1台で2回線の携帯電話とインターネットアクセスが可能で、切り替えも簡単だというSIMフリースマホが人気があるという。

SIMカードは、電話番号などの情報が記録されている。SIMフリーのスマホでは複数の通信サービスに対応でき、自分に適したサービスを選択できるのが特徴である。大手の通信キャリアではなく、MVMOで「格安スマホ」を利用できる。

もっとも、これまでのSIMフリースマホでは、格安SIMと組み合わせ販売されることが多く、機能も低かった。ところが、現在は使い勝手のよく、多種多様な機能をもった「ハイエンド」のSIMフリースマホも出回り始めた。

その中で特に注目されるのは、デュアルスタンバイ機能つきで2枚のSIMカードを同時に待つ受けで使うことができる。この機能を使えば、仕事用と個人用の2台のスマホを持ち歩いているものを1台にまとめてもてることになる。場合に応じて切り替えられる。また音声通話とデータ通信をそれぞれ別のSIMカードで行い、もっとも低料金な組み合わせを選ぶといったことも可能であるという。しかも、日本の携帯電話網の3Gと4Gの両方にも対応できる。

今後、ますます、通信の利用がそれぞれの生活との関わりで選択される時代となるだろう。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:修理のお作法」から

2016.10.27   日経産業新聞の記事「眼光紙背:修理のお作法」から

メーカーにとって、保守/修理/メンテナンスは単なるコストではない

コラムの著者は、他山の石として韓国の液晶テレビが世界市場を席巻していた頃の故障対応の話を出し、改良と進歩の引き金について語っている。

◯修理品の取り替えだけではノウハウ/フィードバックは得られない

一頃、絶好調であった韓国メーカーは、顧客からの故障の電話があると、故障品を引き取ってあっさりと上級モデルを置いて帰ったという。確かに、修理のためのエンジニアを教育し、派遣し、仕組みを立ち上げるコストを考えれば、製品知識が無くても交換の方が安い。

しかし、故障原因の調査や設計時の不具合などの根本要因に対する取り組みをしないことは結果的に技術力を落とし、改良と進歩が遅れ競争に破れることになる。

メーカーにとって修理のプロセスは、コスト削減の単純な対象ではなく、新製品を生むきっかけやニーズを汲み取る期会である。camerahappy01