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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:駅構内の売店、コンビニ化、潜む危うさ」から 

2016.10.27   日経産業新聞の記事「横山斉理の目:駅構内の売店、コンビニ化、潜む危うさ」から

従来の売店の最適化は何であったか

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、コンビニの膨張が街中だけにとどまらず、駅など特殊な立地にも出店したことに、本当にそのビジネスに落とし穴はないのかについて考えている。

○既存スペースでの提供者側論理では?

2010年以降、コンビニの展開で目立ってきたことは、図書館、大学構内、病院、駅などの従来の街角ではない特殊な立地への出店だという。

横山教授が注目したのは駅構内のコンビニである。売店のスーペースは、一般的なコンビニ並みにななれない。従来の売店スペースを工夫して出来るだけスペースを確保する。改装後はコンビニの看板を掲げ、コンビののビジネスモデルを動かす。

電鉄会社にとっては、極めて洗練されたビジネスモデルの恩恵を受け、売上増加が見込める。さらに、コンビニ各社は店舗を増やすことでスケールメリットを生み、存在感や販売量を増やせる。

ただ、問題なのは提供者側の論理ではなく、利用者側にあると、横山教授は指摘する。利用者にとってメリットはポイントやコンビニ受け取りなどがあるが、よく考えてみれば、街角の店舗でもできることで、乗車を急ぐ利用者にとっては、これらのサービスを増やせば増やすほど、待ち時間が生まれ、デメリットとなってしまう。これまでの売店は、購入の時間の速さに最適化したモデルであったのが、コンビニでのビジネスモデルとはズレが生まれてくる。このズレをどう解消するかが、駅構内のコンビニ店の展開に関わってくるだろうと、横山教授は見ている。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:カッコよく、お金をつかおう」から

2016.10.21   日経産業新聞の記事「眼光紙背:カッコよく、お金をつかおう」から

企業の設備投資よりも個人消費を高める方が日本の成長率が上がる!

コラムの著者は、日本の成長率を効果的にあげるには、企業の設備投資を促すよりも個人消費を高める方が効果的だと主張している。

◯「カッコよくお金をつかう」文化を広めよう

家計の預貯金833兆円の1%で例えば寄付にまわすとすると、生活苦にあえぐ人たちの消費に直結する。それだけで1.7%の成長となる。3%も寄付したら、5.1%の成長である。日本経済は大いに活性化するし、仕事も増え、国民全体の所得も増えるという。

預貯金マネーをいかに経済の現場へ向かわせるかが、日本経済の活性化への切り札となるという。長期の企業応援投資でも、寄付や文化・芸術・スポーツでもよい。とにかく、お金を使い、市場に還流させる。

そこでコラムの著者は、「カッコよくお金をつかう」文化をひろめては提案。まわりまわって国民所得の増加となる図式を日本社会に浸透させよう、と。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:マーフィーの法則、残念な場面は記憶に残る」から

2016.10.25  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:マーフィーの法則、残念な場面は記憶に残る」から

複数の可能性のある場合は必ず悪い方が起こる?

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、マーフィーの法則で知られる考えについて科学的な見地から触れている。

◯米国のエンジニア、マーフィーのつぶやきからはじまった?

1977年に「マーフィーの法則」と言う本として出版され、米国でベストセラーとなったこの法則は、1949年米空軍でのある研究で発生した故障の原因調査で、誰かの配線ミスであることを突き止めた。その際に、

  • 「いくつかの方法があって、1つの悲惨な結果に終わる方法があるとき、人はそれを選ぶ」

といった。この名言を聴いたある人物が、ある集会で紹介したところ、軍内部で知られるようになったという。さらに、各種技術雑誌から一般雑誌・新聞の話題へひろがりブームとなった。日本でもブームとなり読まれた方もいるだろう。

さらに、昔から、

  • 落としたトーストはバターを塗った面を下にして着地する→さらに、カーペットの値段に比例する
  • 洗車し始めると雨が降る→雨が降ってほしくて洗車する場合を除いて

といった補足がつくという。

しかし、和田教授は、マーフィーの法則で示されているような残念な場面が特に記憶に残ることを原因とする偏見だと科学的には理解されているという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: サードウエーブコーヒー、おしゃれな世界、若者魅了」から

2016.10.25   日経産業新聞の記事「風向計: サードウエーブコーヒー、おしゃれな世界、若者魅了」から

みんなで美味しいコーヒーを飲みましょうという同好会的な雰囲気

コラムの著者 中村 泰子氏(ブームプランニング社長)は、米西海岸発祥の「サードウエーブコーヒー」の人気の秘密について語っている。

◯ワインように生産国や生産地がわかるコーヒー豆をあつかい、焙煎やドリップにこだわる

昨年2月に日本に上陸したブルーボトルコーヒーがブームの火付け役。サードウエーブコーヒーショップとは店内には焙煎機があって焙煎士やバリスタのいるこだわりの豆を扱うコーヒーショップである。本格的であるのはもちろん、これまでコーヒーになじみななかった若年層も魅了しているという。

写真投稿SNSであるインスタグラムを意識した店内の雰囲気やラテアートなど、おしゃれな世界観が若者にはまり、SNSで知識やネタを仲間と共有し、共感を拡げているという。

みんなで、美味しいコーヒーを飲みましょう、という同好会のイメージだという。ここに人気の秘密がありそうだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:シンガポール難関大、デザイン思考で人材育成」から

2016.10.21  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:シンガポール難関大、デザイン思考で人材育成」から

入学後は全寮制で協創を重視

コラムの著者 近藤 正幸氏(東京電機大学特別専任教授)は、英紙による2016年のアジア大学ランキングで1位のシンガポール国立大学(NUS)より難関で学費も高いシンガポール工科デザイン大学(SUTD)を訪問、その教育システムについて触れ、日本のイノベーションの担い手育成のヒントを提示している。

◯競争よりも協力で当初の3年間は合否判定のみ

NUSとは異なり、SUTDは、学部教育に主眼を置き、社会にイノベーションをもたらす人材をデザイン思考で育成することを目的としている。

まず入学後はクラスを編成して、協創を促し、履修も当初の3年間は履修科目に細かい成績判定はせず合否のみとしている。この間は学生寮に住むことになる。

教育重視を裏付けるように、指導教員も学生1に対して2名が行い、手厚い。また、教育方法は単なる座学ではなく、独学で自主的に学べることを主眼として、論文や特許の調査なども指導、eラーニングも充実しているという。

実業志向も強く、起業を目指す学生には起業の構想を練る時間があり、実際に起業するとなると必要資金の70%まで最大7000シンガポールドルの支援が受けられる。実に約2割の学生が起業する。また、インターンシップは必修となっている。国際性も高く、米MITやスタンフォード大学、UCバークレー校なども留学する。

立地も戦略的に国際空港に近く、ビジネスパークも隣接している。まさに国を挙げての高等教育で、評価も高い。日本もイノベーションの今後の担い手を産むためにも大いに参考になると近藤教授は示唆している。pchappy01