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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:乳酸ドリンク、透明かつ味しっかりで注目」から

2016.10.3  日経産業新聞の記事「拡大鏡:乳酸ドリンク、透明かつ味しっかりで注目」から

パーソナルサイズで利益率の高いカテゴリー

コラムの筆者 小林 仁氏(食品マーケティング研究所所長)は、天候に恵まれ、新製品の増加で前年比約2%増と続伸ペースの清涼飲料水市場の中で、乳酸系ドリンクの好調さに注目している。

○PB商品の影響を受けにくい

小林氏によれば、同社の調査で、2015年は約4810万ケースの市場規模。主力ブランドのリニューアルや新製品効果で約8%増の5200万ケースと拡大ペースであるという。

このカテゴリーは、乳酸ドリンクタイプと透明ニアウオータータイプに大別され、両者とも増加傾向であるという。各社の動きは以下のとおり;

  • サントリー食品インターナショナル;ニアウオーター「贅沢ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」
    • 乳清の乳酸菌発酵液を絶妙にブレンド。水のように透明で後味すっきりで飲めるのに、フレーバーの味がしっかり実現。16年も好調。
  • アサヒ飲料;アサヒおいしい水シリーズとして「おいしい水プラス『カルピス』の乳酸菌」
    • 好スタート
  • 日本コカ・コーラ;「ミニッツメイドヨーグルトスタンド
    • 乳酸菌入りヨーグルトベースに、甘味素材「希少糖」を使用。ほどほどの甘さと独特のとろみ感、ナタデココのつぶつぶ食感が楽しめる。1本あたり87キロカロリーとヘルシーで女性に人気。

乳酸系ドリンクは、ナショナルブランド主体で構成され、PB商品の影響を受けにくい。パーソナルサイズで、利益率も高いという。

機能性飲料市場へのテコ入れに今後利用されるという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:新成人を侮るなかれ」から

2016.10.3   日経産業新聞の記事「眼光紙背:新成人を侮るなかれ」から

デジタル・ネイティヴの新成人時代

コラムの著者は、民法の成人年齢の引き下げ、大学生の奨学金利用の拡大などをにらんで新ビジネスのチャンスについて触れている。

◯情報の達人の世代

ソフトバンクグループの孫正義社長が、みずほ銀行と組み、来年から始める金融サービスで若者をターゲットとするという。携帯電話の支払い履歴などをAIで分析し、融資が難しかった若者たちまでお金を貸せるという。

大学生の二人に一人が奨学金を借りている時代。学費などお金に困っている若者も多いからだ。また、民法の成人年齢の引き下げで、自分でローンを組む新成人が理論的にはできることになる。孫氏は、そこに新しいビジネスの機会もあるとみたのかもしれない。

若者を契約でのトラブルから守る一方で、消費者教育の必要性が叫ばれているが、大人も同様に注意が必要だ。新成人は、インターネットやスマートフォンを使いこなし、SNSにも慣れ親しんだデジタル・ネイティヴ。彼らの情報発信力や拡散力は大人たちの予想をはるかに超えるものとなろう。ネット上で一度ブラック企業などと評判が広がれば、大きなダメージを受けることもある。くれぐれも甘くみてはいけない世代だ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:悟性、理性と感性の媒介役」から

2016.9.30   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:悟性、理性と感性の媒介役」から

古代ギリシャ以来重要視

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続きサイエンスの基本となる感性から理性への橋渡しをする「悟性」の重要性について語っている。

◯五感から見たり聞いたりした情報を自分の知識に変換する過程での重要な「悟性」

対象となる物事は、複数要素からなるシステムと割り切り、それらを諸要素の相互作用が全体としてまとまった機能を発揮するメカニズムを我々は合理的に納得する。この時我々の頭脳は、理性→悟性→感性という思考展開を行う。この3段階は人類の「ものの考え方」の歴史の初めから登場しているという。 

直観的な感性が受けた情報を認識から理解へと構成する概念把握能力が「悟性」で、その理解をもとに推論し、原理・法則を洞察して統合する理性で考える。これは古代ギリシャから行われてきた。

「悟性」自身の概念はわかりにくい。哲学の巨人カントは想像力とした。この他、ヘーゲルも考察している。

サイエンティストは、悟性の存在は、感性や理性同様に重要であることが、更なる発展のきっかけになると、和田教授は説いている。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:メイカーフェアに思う、多様な人の交流、創造に」から

2016.9. 29   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:メイカーフェアに思う、多様な人の交流、創造に」から

出店者同士、出店者と来場者の出会いから創造が生まれる

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、米オライリーが主催する「メイカーフェアトウキョウ」について触れ、このような展示会が交流を生み新しい創造の場となっていることを示している。

○作成者(メイカー)は作ったモノを通じてコミュニケーションを欲する

 多様な人材が交流する場所がイノベーションを促進する事例を、西川教授は「メイカーフェア」で説明している。

ものづくりが好きな個人や企業が集う大規模なイベントで、文化祭のような雰囲気があるという。2006年米サンフランシスコで始まり、昨年150カ所で開催され来場者は120万人。日本でも2008年に始まり、今年8月に東京ビッグサイトで開催されたイベントでは、約400組が出展し、1万7500人が来場したという。

主催のオライリー・ジャパンの田村英男MAKE編集長は、

「出店者は、作りたいだけでなく、作ったモノを通うじてコミュニケーションをしたいという欲求がある。作品を見てもらい、拘った部分への評価や、アドバイスをもらいたいと思っている」

という。出展者も来場者も多様な技術の知識を持つ人が多いのも特徴。さらに、出展の対象は自作の作品だけでなく、モノを作るための素材や部品、道具、ソフトウェア、サービスなど、個人の創作活動の関わることがすべて含まれているという。

ここで出会った同士が意気投合して、新しいプロジェクトを起こすこともあり、出展者同士、出展者と来場者との出会いの場にもなっている。多様な、しかも多段階の人々と交流できることが鍵になっている。

創造性を必要とする企業も人為的にこのような場が創造できないだろうか。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: スカウター、友人の転職お手伝い」から

2016.9.27   日経産業新聞の記事「風向計: スカウター、友人の転職お手伝い」から

副業前提で友人を紹介

コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)は、ソーシャルヘッドハンティングという新サービスを提供しているSCOUTER社(東京・渋谷)について注目し、そのビジネスモデルについて触れている。

○有料職業紹介事業の認可も取得

面川氏によると、同社はすでに有料職業紹介事業者の認可も受けているとのことで、ソーシャルヘッドハンティングという聞きなれないが、分かりやすい事業モデルについて解説。

同社のサービスは、キャリアアドバイザ(=スカウトする人という意味でスカウター)が転職したい友人・知人を紹介する新しい人材紹介サービスであるという。スカウターは、同社と雇用契約を結び、職業紹介責任者の管理下で友人・知人を企業に紹介することで、15万円以上の報酬を受け取れる。スカウターは審査が通過すれば、誰でも身の回りの人の転職相談にのり、企業に推薦できるという。

これまでの人材紹介業はプロのキャリアコンサルタントのみが手がけるものであった。同社のサービスは身の回りの人を紹介するという特性上、はるかに親身になるという。また、スカウターにとってはこれはあくまでも副業。同社もキャリアコンサルタントを正社員として雇うよりも人件費を大幅にカットできる。

また、同社は親身になって転職相談にのれるように支援をおこなっている。相談に乗った時の食事代5000円を支給したり、友人関係が壊れないように、転職の成立時には紹介者(スカウター)と転職者本人にそれぞれお祝い金を振り込んだりするなど、心配りもしている。

どこかこのサービスには人間臭さがあり、これまでの人材紹介とは差別化できるのではないだろうか。camerahappy01