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2016.9.23  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:要素還元主義、考察の出発『全体』にあらず」から

近代要素還元主義

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、古典的な要素還元主義ではなく、近代要素還元主義について『全体』の取り扱いの視点で解説している。

◯要素だけで『全体』を判断しない

和田教授によれば、

  • サイエンスは要素還元主義である。
  • 物や事の要素を見極め、それら要素が互いにどのように関係し合っているかを漏れなく見て、全体を理解する。
  • さらに全体が要素に及ぼす影響へと行きつ戻りつして、理解を高める

ことだという。

しかし、要素をみれば全体がわかるという素朴な古典的還元主義とは異なるという。古典的な還元主義しか知らない科学者は「全体を見なければ、ものごとは分からない」と説くが、近代の還元主義では、はじめから全体を見るのではなく、考察対象として要素をみる。ただ、その背景には、

  • 森羅万象には階層構造がある
  • ある階層で成立する基本概念や基本法則は、その一つ下位のミクロ層で成り立っている概念と法則で記述できること
  • 複雑な物事でも、それを構成する要素に分解してそれらの相互作用を漏れなく考慮すれば、複雑な物事全体の性質や振る舞いもすべて理解できる

という仮定がある。この仮定にたって物事が矛盾なく説明出来るかぎり仮定は正しいとする。ただし、この相互作用には全体との相互作用も考慮されていなければならない。pchappy01

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