【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:シンガポール難関大、デザイン思考で人材育成」から
2016/10/27
2016.10.21 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:シンガポール難関大、デザイン思考で人材育成」から
入学後は全寮制で協創を重視
コラムの著者 近藤 正幸氏(東京電機大学特別専任教授)は、英紙による2016年のアジア大学ランキングで1位のシンガポール国立大学(NUS)より難関で学費も高いシンガポール工科デザイン大学(SUTD)を訪問、その教育システムについて触れ、日本のイノベーションの担い手育成のヒントを提示している。
◯競争よりも協力で当初の3年間は合否判定のみ
NUSとは異なり、SUTDは、学部教育に主眼を置き、社会にイノベーションをもたらす人材をデザイン思考で育成することを目的としている。
まず入学後はクラスを編成して、協創を促し、履修も当初の3年間は履修科目に細かい成績判定はせず合否のみとしている。この間は学生寮に住むことになる。
教育重視を裏付けるように、指導教員も学生1に対して2名が行い、手厚い。また、教育方法は単なる座学ではなく、独学で自主的に学べることを主眼として、論文や特許の調査なども指導、eラーニングも充実しているという。
実業志向も強く、起業を目指す学生には起業の構想を練る時間があり、実際に起業するとなると必要資金の70%まで最大7000シンガポールドルの支援が受けられる。実に約2割の学生が起業する。また、インターンシップは必修となっている。国際性も高く、米MITやスタンフォード大学、UCバークレー校なども留学する。
立地も戦略的に国際空港に近く、ビジネスパークも隣接している。まさに国を挙げての高等教育で、評価も高い。日本もイノベーションの今後の担い手を産むためにも大いに参考になると近藤教授は示唆している。
コメント