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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:軸受け、機械にとっての心臓」から

2016.9.2  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:軸受け、機械にとっての心臓」から

歯車は正確さ、軸受けはスムーズさ

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回の歯車に続いて機械の構造要素である軸受けについて語っている。

◯軸受けがなければ機械は動かない

機械文明で前回話題とした「歯車」に引き続き、「軸受け」について和田教授は語っている。

歯車とどうよう古代ギリシアにも存在していた軸受けは、今でいう、ボールベアリングやローラーベアリングの転がりの接点や接線を生み出し、「滑り摩擦面積ゼロ」を実現した。

と ころが軸受けが本格的に応用されるようになったのは1970年代後半で、それまでの軸受けは油を垂らして、抵抗を小さくすることぐらいであったという。こ ういった中で難物は、船のプロペラ軸のスラスト軸受けで、これは数枚の平板で受けるもので冷却水をかけるといった代物であった。

この最大の難物もミッチェルやキングスベリーの努力で、鮮やかに解決。大水力発電の開発とともに、桁違いの大荷重のスラスト軸受けを応用したという。

皮肉だが、第2次世界大戦のとき、米英連合軍が欧州戦線でドイツ南部のシェバインフルトを徹底的に攻撃した目標は、ボールベアリング工場であったという。軸受けがなければエンジンは作れず、飛行機は製造できなかったからである。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 冷凍作りおき、夏の食、便利で安心」から

2016.8.30   日経産業新聞の記事「風向計: 冷凍作りおき、夏の食、便利で安心」から

2009年以来のロングセラー

コラムの著者 粟飯原 理咲氏(アイランド代表取締役)は、家庭料理のトレンドとして2009年「作りおき」がお弁当のおかず対策として30〜40代の小さな子どもがいる主婦層から次第に広がり、次の段階に移行しつつあるという。

○多くのノウハウ本がヒットに

料理書籍業界で

  • 「つくりおきおかずで朝つめるだけ!弁当」(2009年 扶桑社)50万部突破
  • 「作りおきサラダ」(2013年 主婦の友社)を筆頭とするシリーズ 累計57万部
  • 「つくりおき」(2015年 光文社)40万部突破

と異例の「作りおき」ブームで快進撃となっているという。

その中で今年の夏は、「作りおき」の進化形として注目を浴びているのは「冷凍作りおき」である。食材が傷みやすい夏場において便利さと安心さが主婦に愛されているという。

この冷凍作りおきの支持層は、30〜40代の小さな子どもがいる主婦層で、冷凍であれば 3週間〜1ヶ月ほど食材保存が可能なため、忙しい主婦の「心のゆとり」の源泉となるという。

未来の手間を省くのが冷凍作りおきであるが、2〜3時間かかって調理しなければならず、決して「ズボラ」や「手抜き」というネガティブイメージはなく、冷た異ままの作りおきよりも、さっと焼く、温める、といったアクションが入るため、家族も「暖かい料理」が楽しめる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:歯車、古代ギリシャでも活用」から

2016.8.30  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:歯車、古代ギリシャでも活用」から

機械文明では空気や水の存在同様の存在

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、古くは古代ギリシャでも活用が確認されるという歯車について語っている。

◯歯車は優れた動力伝達手段

機械文明でネジやピストン・クランク機構と同様に、当たり前の存在だが不可欠な「歯車」について和田教授は語っている。

歯車は2つの歯形が噛み合うことで滑らずに動力を確実に伝える。スリップしないから機械時計に代表させるタイミング機構には欠かせない。

その歴史は古く古代ギリシャ時代の沈没船から発見された天体運行計算機に使われた歯車があるそうだ。

歯車の役割は

  • 回転速度を変えること
  • 回転軸の方向を変えること

である。速度を変えるには、歯数を変えれば、その比率で速度が変わる。回転の向きを変えるには、歯面を回転軸に対して角度をつければよい。傘歯車などがその応用例である。

さらに噛み合う2つの歯車の1つを半径無限大にすれば、ラック式鉄道で使われる、滑ることなく急勾配を登り下りできるものとなる。歯車は、古代ギリシャから1000年もの間、複雑な技術工芸品や機械の機構を担ってきている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:アフリカで出会うカイゼン」から

2016.8.29  日経産業新聞の記事「眼光紙背:アフリカで出会うカイゼン」から

日本の生産現場での強み生かそう

コラムの著者は、アフリカでは様々な場所でカイゼンに出会うと語っている。

◯政府主導のところも

8月27日、28日にケニアで開催された「アフリカ開発会議」では、アフリカ諸国の経済多角化と産業育成に必要性が確認された。その中で日本は生産現場での品質や生産性向上に強い。KAIZEN(カイゼン)も一環した活動の1つである。

  • アフリカ南東部のモザンピーク;石炭輸送に使う機関車の保守拠点では、燃料の抜き取り盗難防止の為に燃料タンク部分に鋼鉄製のカバーが取り付けられ、カイゼンを行っていた。
  • モザンピークでの資源開発;ブラジルの資源大手ヴァーレと三井物産は一体開発事業を共同で推進。ヴァーレもカイゼン運動を持ち込んだ。
  • エチオピア;カイゼンに惚れ込んだ政府首脳が普及のための組織を設置。
  • ケニア;トヨタ自動車を販売する豊田通商は、教育訓練施設「カイゼン道場」を設置。

といった事例が多いという。今後アフリカでは多くの生産が進められることでカイゼンの輪はますます広がると思われるcamerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:8K、精細度以外の性能向上を」から

2016.8.29  日経産業新聞の記事「拡大鏡:8K、精細度以外の性能向上を」から

映っている細部が自然と浮き上がる感覚

コラムの筆者 山之内 正氏(AV評論家)は、リオ五輪の開幕直前8月1日にNHKがスーパーハイビジョン(4K・8K)試験放送を開始したことに対して、高い精細度にはなったがまだまだ受像機に改善が必要と語っている。

○撮影方法や映像表現も変わる可能性がある

まだ家庭では受信できないが、NHKの放送局で実際の映像をみることができるという。リオ五輪の映像もパブリックビューイング会場で鑑賞できた。2018年の実用放送に向けてステップアップしたという。

全景を捉えた映像でも、高精細であるため、一部分に注目すると、細部が浮かび上がってくるように見えるという。この感覚は従来のテレビ受信機では体験できない。さらに、撮影する側も必要以上に被写体に近づいたり、ズーミングする必要もなくなるので、新しい撮影方法や映像表現も生まれる可能性があるという。

ただ、惜しいのは、精細度は上がったが、色のコントラストや輝度、階調度はまだ現行機の性能で、明るい目の視覚環境では、これまでのテレビとの差異は大きくないという。これらのコントラストなどの精細度以外の性能向上を図る必要があるととそれを実感できるコンテンツが必要であると、山之内氏は示唆している。pchappy01