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2016.9.2  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:軸受け、機械にとっての心臓」から

歯車は正確さ、軸受けはスムーズさ

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回の歯車に続いて機械の構造要素である軸受けについて語っている。

◯軸受けがなければ機械は動かない

機械文明で前回話題とした「歯車」に引き続き、「軸受け」について和田教授は語っている。

歯車とどうよう古代ギリシアにも存在していた軸受けは、今でいう、ボールベアリングやローラーベアリングの転がりの接点や接線を生み出し、「滑り摩擦面積ゼロ」を実現した。

と ころが軸受けが本格的に応用されるようになったのは1970年代後半で、それまでの軸受けは油を垂らして、抵抗を小さくすることぐらいであったという。こ ういった中で難物は、船のプロペラ軸のスラスト軸受けで、これは数枚の平板で受けるもので冷却水をかけるといった代物であった。

この最大の難物もミッチェルやキングスベリーの努力で、鮮やかに解決。大水力発電の開発とともに、桁違いの大荷重のスラスト軸受けを応用したという。

皮肉だが、第2次世界大戦のとき、米英連合軍が欧州戦線でドイツ南部のシェバインフルトを徹底的に攻撃した目標は、ボールベアリング工場であったという。軸受けがなければエンジンは作れず、飛行機は製造できなかったからである。pchappy01

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