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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:起業妨げる皮肉な理由」から

2016.9.27   日経産業新聞の記事「眼光紙背:起業妨げる皮肉な理由」から

日本のサービスの質の高さが起業を阻む?

米シリコンバレーで次々とVBが生まれる中、日本の起業はスマートフォン向けのアプリやゲームに偏っているように見える。コラムの著者は、その原因の1つとして日本国内のサービスの質の高さにあるのではないかと逆説的に考えている。

◯最悪の経験が起業のモチベーションが多い米国

米国での起業の理由にはいろいろあるが、まずはお金儲け、もう1つは自分が「最悪の体験」をしたことを良い体験に変えることで社会的な意義を見出し、モチベーションとしているものが多いという;

  • ウーバー、タクシー配車サービス;
    • 米国人にとってタクシーの乗車体験は酷いもの。道に不案内であったり、メーターを使わずに金額交渉をしたり、チップを払うのも面倒。
    • ウーバーは配車を頼めば、迎えの車の位置はわかるし、地図が明確であるから遠回りされる心配もない。
  • AirBnB、民泊サービス;
    • 宿泊サービスでの嫌な思いを良い体験に変える。

といった、現状サービスの不満足を解消するだけでも、質が向上し、一気に利用者が増える。

ところが、日本のタクシーや宿泊などのサービスは質が高く、業界を変えたいなどという嫌な経験がそれほど多くないという。となれば、日本の起業の妨げになっているのは皮肉にもそのサービスの良さが要因の1つだという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:タイ国際ロボコンに思う、若手の連帯育む場必要」から

2016.9.27  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:タイ国際ロボコンに思う、若手の連帯育む場必要」から

先進ロボットの開発には国際的な実力とリーダーシップが必須

コラムの著者 近藤 正幸氏(東京電機大学特別専任教授)は、一風かわったタイのIDCロボットコンテスト(ロボコン)でのチームアップやリーダーシップの育成について語っている。

◯各校の対抗戦ではなく多国籍チームでのコンテスト

第27回国際ロボット設計コンテスト(IDCロボコン)は8月にタイのチュラロンコン大学で開催された。このロボコンはたのロボコンとは違って、大学対抗の形式はとっていない。世界中から集まった学生たちで多国籍チームを編成する。

生活を共にしながら言葉や文化の壁を乗り越えて、アイデアを出しロボットを設計・製作し、最終日のコンテストに臨む。今回は10チームで日本の学生は1チーム1人割り当てられたという。

今回のテーマは「介護」であり、多難な環境でロボットを製作する。メンバーも事前に知らされていないのに、企画をまとめ、面白いアイデアがどんどん出てくる。12日めには1チームづつロボットをお披露目するという。そこで、いろんな調整をして最終日に臨む。

この試みの素晴らしいところは、国際的な連帯感を作ることである。今後日本では若者が国際的なチームリーダとしていけるかが大きな課題で、タイ国際ロボコンはその1つの回答を与えている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『カブトムシ』アイコンであり続けるか」から

2016.9.23   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『カブトムシ』アイコンであり続けるか」から

国民車構想の原点に立ち戻れるか

コラムの著者は、排ガス不正で厳しい状況の続くフォルクスワーゲンが日本で新型「ザ・ビートル」を先週発表したことに触れている。

◯戦前のドイツ軍需工場から英国軍による民生再生、そして不正問題

同社の名称であるフォルクスワーゲンの元となったドイツの「国民車構想」。結局、フェルナンド・ポルシェ博士が開発したKdF車はほとんど作れず、軍需工場となった。戦後、英国軍がKdF車を民生用に再生し、ビートルはドイツ経済復興のシンボルとなった。

今は小型車ゴルフなどがあるが、ビートルは、ブランドのアイコンとして欧米、日本でも位置づけられ受け入れられてきた。今回の発表で同社日本法人社長は「人を中心に考える」と説いたという。顧客に近づく姿勢を強調したが、オマージュといった生ぬるいモノではなく、グループ全体で「ザ・ピープルズ・カー」のメーカーとしての原点回帰を期待したいところである。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:パリの高級スーパー、エスプリ利いたパッケージ」から

2016.9.26  日経産業新聞の記事「拡大鏡:パリの高級スーパー、エスプリ利いたパッケージ」から

横縞パッケージでエンゲージメント

コラムの筆者 竹原 あき子氏(工業デザイナー)は、パリの高級スーパーマーケットのモノプリが刷新した自社ブランドパッケージの効果について考察している。

○減った観光客対策も

竹原氏によれば、2010年から自社ブランドの2000種類のパッケージを刷新して、パッケージデザインの常識を覆したという。

ポイントは、

  • 商品写真の一部だけ見せる
  • ほとんどのスペースに文字としまの色

といたってシンプル。桃缶などは「桃にこんにちは」と2行を記すだけでユーモアを振舞いているという。

このパッケージは、縞1つでモノプリという信用を得ることに成功しているという。モノプリというブランドの信用を中にある商品がどんなモノであっても、横縞パッケージで見分けさせ、消費者の手に届ける。メーカーの信頼より、販売行者のモノプリへの信頼をパッケージデザインで表現している。

さらに面白いのは、テロの影響で減少の続く(英語圏の)観光客にむけて、ユーモアを投げかけている点だという;

  • マウスウオッシュ;「フレンチキッスは、このフレンチマウスウオッシュから始めましょう」
  • カマンベールチーズ;「フランス人はチーズとはいいません。それを食べています」
  • クラブハウスサンドイッチ;「パリではドレスコードなしのクラブはこれだけ」

などなど。フランスの文化や習慣を下敷きにしたアイデアの展開である。

竹原氏によれば、江戸時代にも似た様なユーモアがあったそうだ。足の絵の横に濁点を描いて魚の「あじ」とよませて楽しんだとか。こういった楽しみもブランドづくりに役立つのかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:女性の就業率、大阪が低い理由」から

2016.9.23   日経産業新聞の記事「眼光紙背:女性の就業率、大阪が低い理由」から

真相は不明!?

コラムの著者は、統計調査では見えてこない関西経済の実質について述べている。

◯統計調査では暗示はあるが

「最近の関西経済の動向」(ニッセイ基礎研究所、斎藤太郎経済調査室長の記者向け説明会)での話で、2000年以降のデータを示し、「近畿地方の消費水準は全国よりも低い」と指摘。世帯当たりの可処分所得が低いのが要因だという。

しかし、世帯主の収入は調査では全国と比べて遜色がないのに、世帯収入の低さは配偶者の年収が低いからだという。その理由が、

  • 大阪では全国より非正規雇用者の割合が高い
  • 既婚女性の就業率が低い
    • 就業率が低いのは、世帯当たりの株式・株式投資信託の保有残高が多い
    • ここから、「働くなくてもすむ女性が多いから」という見方

とあったという。

一方、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は、「大阪で女性の就業率が低い原因は突き止められてはいない」として、一般的に、「大都市圏は核家族化などで、女性が子育てしながら働きにくい環境になっている」と指摘した。

働くなくて済むのか、働きにくい要因があるからなのか。やはり真相は不明である。camerahappy01