Previous month:
2016年7 月
Next month:
2016年9 月

2016年8 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:科技政策にもイノベーションを」から

2016.8.12  日経産業新聞の記事「眼光紙背:科技政策にもイノベーションを」から

イノベーションの芽を大量に生み、段階的に育てる政策が必要

コラムの著者は、日本の欧米に対する後追い型になりがちな科学技術政策のあるべき姿について語っている。

◯キャッチアップする従来型からフロントランナー型への変化

欧米のインダストリー4.0の政策やAIなどの話題の科学技術政策を見ると、日本の出遅れ度がぬぐいきれないという。

このまま放置すれば、海外との差は開くばかりと、政策は後追い型になっているのが今の科学技術の政策である。

先進国の仲間入りをした日本は、欧米の技術にキャッチアップする従来型の研究開発からフロントランナー型として自ら目標を置き、モデルを作成する必要が出てきている。

中には成果があるものもあるが、科学技術政策自身は、研究そのものではなく、これらを促進する野心的なものでなければならない。社会にイノベーションを出すのが今の科学技術政策の1つの目標であればこそ、国民の税金が投入されているわけだから、政策担当者も、イノベーションの芽を増やし、段階的に育てる方向にイノベーションを行う必要もあろう。

camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:新技術活用、日米で違う速さ」から

2016.8.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:新技術活用、日米で違う速さ」から

利用か整理か

コラムの著者は、新しい技術の活用速度に、日米での違いが出る理由について考察している。

◯どんどん使う米国ときちんと整理する日本

コラムの著者が米国VCに尋ねたそうだが、新しい技術が出るとどんどん使っていく米国に対して、日本はきちんとと整理してから活用する傾向にあるという。

日米で例えば、最近のキーワードであるAIやIoT、ロボットも全ての産業に影響を与えるという認識までは同じだという。米国では、AIやIoT、ロボットは単なるキーワードであって、各産業での応用技術や利用方法、導入速度も違うことだからこそ、応用が第一と個別産業ごとのの利用しか話題にならない。対照的に日本では、AIやIoT、ロボットなどのそれぞれを1つの産業として整理したり、ここのキーワードの厳密な定義を優先し、応用議論が後回しになるという。

考え方には優劣はないが、実現速度については応用により近い米国流の方が速くなってしまう。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:イノベーションの『時間』、実用化まで長期化の様相」から

2016.8.9  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:イノベーションの『時間』、実用化まで長期化の様相」から

現代の技術革新が際立ったわけ

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、米議会技術評価局などの調査によると、これまでの発明、発見が実用化される期間に注目し、極めて短期間に実用化しているのに、イノベーションの展開は急速に長くなっているという。

◯イノベーションに時間がかかるわけ

同調査によれば、

  • 写真;18世紀前半の発見された写真の原理が応用技術として確立するまで、約110年
  • ラジオ;50年前後
  • トランジスタ、液晶、遺伝子組み換え;3〜4年

と驚くべき短縮化である。一方、イノベーションに目を向けると、こちらは長期化しているという。

  • CT;肺がんの早期発見に有効なヘリカルコンピューター断層撮影装置(CT)が約10年
  • 垂直磁気記録、光触媒材料;約30年
  • 住宅用太陽光発電システム;約40年

と長くなっている。イノベーションのイメージは、技術の進歩から加速化、短縮化すると思いきや、本来の目的を達成するまで予想以上に時間が掛かっている。志村氏はその要因として、

  1. 技術シーズの発明、発見が起点となるケースが多い為実用化までに時間が掛かる
  2. 技術の展開が多様化し、複雑化したことで革新的であっても既成の技術体系や市場勢力との競合や摩擦に直面し、頓挫する場合もある

このようにイノベーションの達成には、死の谷(chasm)が存在する。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『集中と拡大』」から

2016.8.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『集中と拡大』」から

事業目的の相違

コラムの著者が、既に亡くなった経営者二人を対比し、事業目的の相違について語っている。

◯任天堂とLIXILグループ

スマートフォンゲーム、「ポケモンGO」で世界的な話題を集めた任天堂。同社は、「天国か地獄か」と言われる不安定な娯楽ビジネスに特化し、安定的な収益が見込める事業を持たず、常に背水の陣を敷いているようにみえる。しかし、保守的ではない。ゲームという分野に広がりを持たせようと熟考している。昨年亡くなった岩田前社長は、

「従来の枠にとらわれず、音楽やカメラ機能、健康管理など利用者を笑顔にするものはすべてゲームと定義してみる」

と語ったという。

一方、LIXILグループの前身、トステムの創業者で故潮田健次郎氏は、住環境に関連した事業以外は「行わない」ろした主旨の文言を定款にいれたという。同氏はアルミサッシから始め、製品を次々と増やしたが、住宅という分野には目をそらさなかった。この点は岩田氏と同じで、事業の「集中と拡大」。ただ、同社は、任天堂とは異なり、事業目的を細かく列挙、この否定文を削除したという。さて、創業の理念は受け継がれるのか?camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 五輪視聴率、時差少ないと高く」から

2016.8.9   日経産業新聞の記事「風向計: 五輪視聴率、時差少ないと高く」から

時差ある中で付加価値の追求必要

コラムの著者 山本直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)は、時差12時間あるリオデジャネイロ五輪大会での視聴率などを考察しながら2020年開催予定の東京五輪大会のテレビ報道のあり方について示唆している。

○過去の五輪夏季大会の視聴率データ

関東地区のビデオリサーチ社による視聴率データから過去の五輪夏季大会のテレビ視聴率の推移をみると、

  • ロンドン大会;低下
  • アトランタ大会;高くない
  • シドニー大会や北京大会;高い

という結果だという。つまり、日本からの時差が少ないことが、テレビ視聴率を左右するという。多くの人が、自分の生活時間に合わせてテレビを見ている。つまり日常の生活時間に、どのような番組を提供するかがキーとなる。また、世界記録の誕生や日本選手の活躍など、何度も同じ場面ばかりだと食傷気味になる。テレビとしての付加価値をつける絶好の機会であり、それにより視聴率が推移するという。

さらに最近はネット配信など攻勢もあり、スポーツ中継のみでは極めて苦しい。単に競技をみるだけでなく、競技人口の少ない種目にスポットを当てたり、まだ知られていない面白さなどを広く伝えるのにテレビ番組は適している。

4年後、時差のない東京五輪大会だが、溢れる情報をいかに整理し、視聴者に付加価値のわかるテレビ放送を目指さねばならない。camerahappy01