【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:イノベーションの『時間』、実用化まで長期化の様相」から
2016/08/19
2016.8.9 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:イノベーションの『時間』、実用化まで長期化の様相」から
現代の技術革新が際立ったわけ
コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、米議会技術評価局などの調査によると、これまでの発明、発見が実用化される期間に注目し、極めて短期間に実用化しているのに、イノベーションの展開は急速に長くなっているという。
◯イノベーションに時間がかかるわけ
同調査によれば、
- 写真;18世紀前半の発見された写真の原理が応用技術として確立するまで、約110年
- ラジオ;50年前後
- トランジスタ、液晶、遺伝子組み換え;3〜4年
と驚くべき短縮化である。一方、イノベーションに目を向けると、こちらは長期化しているという。
- CT;肺がんの早期発見に有効なヘリカルコンピューター断層撮影装置(CT)が約10年
- 垂直磁気記録、光触媒材料;約30年
- 住宅用太陽光発電システム;約40年
と長くなっている。イノベーションのイメージは、技術の進歩から加速化、短縮化すると思いきや、本来の目的を達成するまで予想以上に時間が掛かっている。志村氏はその要因として、
- 技術シーズの発明、発見が起点となるケースが多い為実用化までに時間が掛かる
- 技術の展開が多様化し、複雑化したことで革新的であっても既成の技術体系や市場勢力との競合や摩擦に直面し、頓挫する場合もある
このようにイノベーションの達成には、死の谷(chasm)が存在する。
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