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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『プロトコール都知事』はいらない」から

2016.6.17   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『プロトコール都知事』はいらない」から

プロトコール(外交儀礼)担当が都知事?

コ ラムの著者は、舛添要一東京都知事の辞任を通じて公私混同以上に考えなばならないのは職務の熱心さではないかとの指摘である。

○人類の約55%が都市に住む現代

今回の一連の辞任までの経緯で浮き彫りになったのが、都知事の業務である。都知事が自治体行政のトップではなく、プロトコール担当としてしか機能していないのではないかという疑念である。外遊の多さはもちろん、美術展、コンサート鑑賞から金曜午後からの別荘滞在まで仕事の薄さを感じるという。

世界的に見れば、経済成長のレースは国家間競争から都市間競争に移行しているという。すでに全人類の約55%が都市に住み、多くの途上国は都市部にインフラ、人材、所得などを集中させた状態で、国家単位では農村まで含めて経済は停滞しているという。

都市を担うトップはどのような機能、個性を持つ都市として発展させるかの戦略が必要で、さらにそのための人材、企業、資金が必要となろう。まさに辞任した前都知事には果たしてその熱心さがあったか?camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:阿吽の呼吸、言葉曖昧でも理解は共有」から

2016.6.17  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:阿吽の呼吸、言葉曖昧でも理解は共有」から

阿吽の意味は洋の東西では同じだが

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回の意味をなすコミュニケーションをおこなうために必要な「コンテクスト」をさらに発展させて、その程度が世界各国のコミュニケーションで異なっていることについて触れている。

◯誤解の要因はこのコンテクストの程度の違い?

まず和田教授がいうように、この違いは「会話におけるコンテクスト共有の程度」を表しているだけで、文化の高低を言っていりのではない。世界各国のコミュニケーションを「高コンテクスト文化」と「低コンテクスト文化」に分類したのは、米文化人類学者のエドワード・ホールである。

この典型事例は、日本が最高コンテクスト文化、ドイツが最低コンテクスト文化である比較である。

《日本》

  • 重要な情報でも言葉に表現されないことがある
  • 言語は曖昧
  • 理解は一般的な共通認識に基づく
  • 意思決定要因は感情的
  • 沈黙の効果は不快でない
  • 双方による契約であっても状況によっては柔軟に変更される

《ドイツ》

  • 伝達される情報は全て言葉で提示
  • 言語は正確
  • 理解は言葉に基づく
  • 意思決定要因は論理的
  • 新木はコミュニケーションの断絶で不快
  • 双方の合意による契約の変更は容易ではない

このように、阿吽の呼吸というのは、高コンテクスト文化の典型のようだが、低コンテクスト文化でも

  • They are on the same wave length; 両者は同じ波長を持っている
  • Their minds work the same way; 彼らの心は同じに動く

と和英辞典にも出てくるようだ。洋の東西を問わず、この用語の意味は同じであるのは興味深い。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:オムニチャネルは『重荷チャネル』か」から

2016.6.16   日経産業新聞の記事「眼光紙背:オムニチャネルは『重荷チャネル』か」から

現場の物理的な環境を無視した企画?

コ ラムの著者は、社会インフラとしてすでにコンビニエンスストアは認知されているが、そこに新しい機能を入れ込もうという企画が動き始めている。

○机上では上手くいくはずだが

「オムニチャネルは『重荷チャネル』か」は、コンビニエンスストア側の言い分かもしれない。というのは、新機能は、ネット通販などの受け取りサービスである。24時間営業のコンビニの特徴を生かし、24時間、顧客が荷物を取りに行けることで便利だ。一方、配送業者にとっても不在がちな家に届けるよりもコンビニへの配送なら一度で済む。また、コンビニ側も配送業者から1個あたり100円の手数料が手に入る。3方よしに見える企画だが、抜けがあった!

実は、コンビニは在庫量を最小にする設計であるのが前提で、物理的に保管スペースが狭く、大小様々の通販商品を置くにも不向きである。さらに、商品を取りに来た際のレジ操作も意外と複雑で時間がかかり、通常のコンビニ客も迷惑顔である。後者の受け取り手続きは今後改善されるだろうが、スペースについてはどうか。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:GMOペパボの『ミンネ』、創作物の売買手助け」から

2016.6. 16   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:GMOペパボの『ミンネ』、創作物の売買手助け」から

ユーザー・イノベーションにはユーザーレベルのサポートが不可欠

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、同社が運営するユーザー同士がハンドメードの作品を売買するサイト「minne(ミンネ)」を通じて一般人の創作活動の支援がビジネスとなることについて触れている。

○ECサイトだけの運営ではなく、出品者の目線のサービスが充実

同社がこのサービスを始めたきっかけは、社内公募での事業案から始まった。手作り市で見つけた作品が作家のブログに掲載されているものの、ネットで売っていないことに疑問を感じたことで、調べてみると、通販サイトはあるが、ネットになれない作家にとっては既存のサービスは多機能すぎて複雑にみえたという。

作家がブログを書くように、作品の写真などを簡単にアップして販売できるサービスを作ろうと事業提案した。12年にサービスを開始し、現在作家は23.3万人。92%が女性で300万もの作品が掲載されるサイトになったという。ミンネアプリも579万ダウンロードで年間流通額44億円に達した。

売り手も買い手も20〜40代の主婦やOLが中心で、作家初心者が多いという。ただ、作家自身が販売を始めても作品の写真が上手く撮影できなかったり、利益の出ない値付けをしたり課題は多いという。そこで、同社は、作家をサポートするサービスを立ち上げた。

東京と神戸のminneアトリエを毎週開催し、1回2時間8名ほどのリアルな場を提供。スマホで上手な写真の撮り方や価格のつけ方などをミンネのスタッフがレクチャーするという。アトリエでは、作家同士の交流会も開き、一人で解決できない作家の課題を、気軽に相談し教えあうといったコミュニティーができたという。

ユーザー・イノベーションには、ユーザー目線のサービスが必要であるという事例である。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『庶民感覚』の強さと弱さ」から

2016.6.15   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『庶民感覚』の強さと弱さ」から

経済学者のアイデアに効果が出ない理由?!

コ ラムの著者は、経済学者のアイデアであるデフレ克服や景気浮揚策に、マイナス金利とか「ヘリコプターマネー」といった提案があるが、総じて効果が出ない理由に一般庶民の財布の紐が固いことがあげられるという。果たしてその背景は?

○庶民感覚の背景は、政治経済に関係なく生活の維持するという現実

一般庶民の財布の紐が固いのは、消費の低迷でわかる。では、この庶民感覚の背景は、日本経済の先行きに対して警戒と防衛のスタンスが相当に強いことがあげられる。国の財政は国債頼みの借金財政がいつまでも続くわけがないと感じているし、大量の資金をばらまいていることで、いずれインフレになるとも思っている。

さらに、安倍政権や黒田日銀総裁が職をさったあとも、庶民の生活は継続するものであり、自然と観察眼は厳しくなるという。ただ、それでも「国はなんとかしてくれる」という思いも捨てきれていないのも事実である。camerahappy01