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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:警視庁型とアマゾン型、行きつ戻りつ良い研究」から

2016.3.22  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:警視庁型とアマゾン型、行きつ戻りつ良い研究」から

問題解決型(警視庁型)と問題発見型(アマゾン型)の2つの類型

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、研究の多くが、問題解決型(警視庁型)と問題発見型(アマゾン型)の大別されるが、良い研究は両者を行きつ戻りつするもので、他人がおよびもつかない対象を見つけ解決する研究だという。

◯警視庁型とアマゾン型といったのは物理学者の中谷宇吉郎氏

問題解決型とは、考えるに値する問題があり、その要素となることをはっきりと把握していることで、これを起点に色々工夫して問題を解決するアプローチである。犯人(研究対象)は分かっており、それを捉える(解決する)ことから、中谷氏は警視庁型とユーモラスに呼んだという。

一方、問題発見型は、犯人の名前がわからないことはもちろん、犯人がいるかどうかもわからない場合もあるあるもので、まるでアマゾン川上流の未踏の地に分け入り、いるかいないかわからない珍奇な生物を探すようなものだという。アマゾン型の研究はテーマが与えられるものではなく「地域」が与えられる。それは従来の研究領域をも超えて広がる対象である。

和田教授はさらに、良き研究にもふれ、実際には、問題解決型と問題発見型の間を行ったり来たりしながら、誰もが思いつかないような対象を見出し、それを解決することだという。

この話をしって、著者はどうも今の研究は、問題を解決することに偏っているように思えた。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:小さくコードレス、収まりよく」から

2016.3. 22  日経産業新聞の記事「デザインNOW:小さくコードレス、収まりよく」から

省エネ、シンプルな機能、手軽な照明の出現

コ ラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、パナソニックが2015年6月に発売した照明器具「球(たま)ランタン」のデザイン性について触れている。

○LEDで実現した自由さ

これまでの白熱電球に変わって発光ダイオード(LED)となり、室内灯ばかりか「あかり」のデザインが随分自由になったという。消費電力が少なく、高熱にならないために置き場所や大きさにも制約が減ったという。

例えば、同社の球ランタンは、高齢者にも優しい。高齢になると目の機能が低下し、クローゼットの中の衣服が判別できない、就寝時の枕元にあかりがほしくなる。さらに、コードレスでつかえるあかりなら、足元やクローゼットの中まで配線をしなくて済む。このような特徴と、省エネで非常灯や防災用品としても使え、価格も実売価格1500円とリーズナブルである。

全体のフォルムは台形の台座に電球を載せたようなシンプルなもので、スイッチは球のあためにあり、そこを押すと明るさと電源のオンオフができる。さらに、台座から取り外せて、球ランタンを手持ちもでき、紐をつければペンダント型の照明として両手がつかえる。

これはどシンプルで様々の用途をもった照明はこれまでになかったことが不思議だ、と柏木氏がつぶやくほどだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アルバイトが促す、学生の『休み志向』」から

2016. 3.22   日経産業新聞の記事「眼光紙背:アルバイトが促す、学生の『休み志向』」から

企業の素顔をバイトで知った就活生

コラムの著者は、かつてのような気楽な立場でのバイトではなく、ノルマや試験前でも休めない企業の素顔をしった就活性が「休みの取れる会社」を選ぶ理由を考えている。

○「行きたくない会社」は?

就職情報サービスのマイナビが毎年、就活中の学生に意識調査している回答から、「行きたくない会社」は、「休日・休暇が取れない会社」だという。この数年でその数も急上昇している。

就職観も「個人の生活と仕事を両立させたい」人が増えている。年長者からみると、のんびり志向や怠け派に見えるが、実態はどうもそうではないらしい。

学生の多くは企業、特に流通業やサービス業でアルバイトする。中には無理な販売ノルマや融通の利かないシフトなどの伴う「ブラックバイト」もあるという。こうした業界だけは就職でも避けたいと考えるは自然である。

これまでのような気楽な立場のバイトではなく、今や各企業は実践力を買うといった期待は大きく、いわば、企業の「素顔」をバイトの時点で見せつけられるというわけだ。

知名度が高いのに、就活生が目を向けてくれない。そんな企業は、社員やアルバイトの働かせ方を変える方が早いかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:埋もれた技術、状況変われば生かす道も」から

2016.3.18  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:埋もれた技術、状況変われば生かす道も」から

経済や規制などで実現しなかったアイデアを埋もれさせるな

コラムの著者 新田 義孝氏(四日市大学名誉教授)は、石炭火力発電所で使う石炭の約6割がオーストラリア産で脱硫の過程でできる石膏のある蹴り成分を産地であるオーストラリアの土壌改善に使えないかと実証実験では成功したものの、いろんな障害で実現できなかったものも、今はそのチャンスかもしれないという。

◯アルカリ性の石膏のリサイクルのエコシステム

オーストラリアでは実は石膏がアルカリ性の土壌の改良も向いていることは30年以上まえからわかっていたという。しかし、ほとんどが家庭園芸の規模で、大規模農場や林業地では活用されていないといつ。地球温暖化対策として、森林保全は先進国で課題であり、この石炭から脱硫して生まれる石膏のリサイクルはうまくいきそうなプロジェクトだったという。

しかし、豪州が二酸化炭素などの排出権取引を認めたのが後になり、日本から石膏をオーストラリアに里帰りさせるタンカーも改良がひつようだと障害が立ちはだかった。

良いアイディアでも、実証実験までいっても、経済性や規制の上で、実現しないものも多いという。こうしたプロジェクトも今一度、成功しなかった理由と現在ならどこまで進められるかを検証すべきだと思う。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:商店街、社会の位置付け変化」から 

2016.3.17   日経産業新聞の記事「横山斉理の目:商店街、社会の位置付け変化」から

自らは変わらず

コラムの著者 横山 斉理氏(日本大学商学部准教授)は、スーパーなど大型量販店が誕生する1950年代から今までの商店街の粘り強く存在する背景に触れている。

○顧客の需要に応じて位置付けや役割を変化させている

横山准教授によれば、商店街自身が変わることは難しいが、地域社会の顧客がその位置付けを変えてきており、それに応じることでたくましくその立ち位置を存在させているという。

  • 1950年代;高度経済成長の初期。スーパなどはまだ存在せず、もっぱら買い物の場。
  • 1960年代;食品スーパーや総合スーパーが台頭。一気買いができるスーパーなどに買い物客を取られ始める。
  • 1980年代;地域コミュニティーの核としての位置付けを獲得。地域のイベントを頻繁に開催。地域や社会からの期待に応えることに。ただ売り上げに直接結びつかないイベントはなくなり、実施側の商店街にも経済的な恩恵があるイベントのみが残る。
  • 2000年代;ショッピングセンターが主流になる中、レトロ、生活感のある、地域の特色がある商店街としての評価を受け、生き残る。同業態や異業種からのシビアな競争にさらされ、ネット販売や地域コミュニティーとの関係強化で位置付けを変える時期にきている。

このように、周りの需要の変化に取り残されないように自らの位置付けを変えつつ、存続してきている。そこには地域コミュニティーとの関係がキーになろう。cafehappy01