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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:『演繹』に偏る日本人、『帰納』の教育も重要」から

2015.9.25  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:『演繹』に偏る日本人、『帰納』の教育も重要」から

演繹のみから新しいものは何も出てこない

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回のコラムに続き、日本人のサイエンスに対する弱点について語っている。

○推論方法の偏りは明治時代から

日本人はどうも演繹推論に頼りすぎるという。自分で考える前に本を読んで他人の考えに頼ろうとする。帰納思考が何であるかも知らずに演繹手法に走るという。

といってもいまに始まったものでないようだ。和田教授によると、明治期のお雇い外国人で、日本の医学の発展に尽くしたベルツが、以下のように述べているという;

「西洋のサイエンスは関する日本の見解はしばしば間違っている。日本人はサイエンスを、年にこれこれだけの仕事をする機械であり、また、どこか他の場所へたやすく運んで、そこで仕事をさせることのできる機械だと考えている。しかし、これは誤りだ。西洋のサイエンスは決して機械ではない。自然の探求、世界のなぞの究明を目指して幾多の傑出した人々が数千年にわたって努力した結果なのだ。それは精神の大道であり、ヨーロッパ人が至るところで、世界の果てまでも身につけている精神である」

日本の義務教育、高等教育でこの帰納・演繹の基本からしっかりと教え込まねば世界の競争で敗者になることは目に見えている。chairhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:クックパッド『つくれぽ』好循環生む評価システム」から

2015.9.24  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:クックパッド『つくれぽ』好循環生む評価システム」から

レシピのエコシステム

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、クックパッドのサービスで評価される側も嬉しい評価システムで企業の利益に役立つ事例を紹介している。

○つくれぽ=作りましたレポート

このサービスは、掲載されているレシピを作った料理の写真にメッセージをつけて投稿者に届けるものである。

つくれぽは

  • レシピ投稿者:「人の役に立っている」という実感が新規の投稿をする動機となる
  • つくれぽ投稿者;料理をした記録となるとともに、レシピ投稿者にお礼ができる

という。こうした好循環をクックパッドの投稿推進部の方は「レシピのエコシステム」と呼んだいる。そもそも、厳密な評価システムではないので、投稿にも垣根が低く、つくれぽをみると、おおよその納得度の高い評価がわかる。そらに、これは、多くの投稿実績を持つ会員にはプレムアムサービスを設定して同社の収益に貢献している。

このサービスはもともと企画によるものではなく、会員相互がクックパッドを日記代わりにつかっていた感謝の交換が原動力で、これに同社の企画が料理が楽しくなる場を演出することを目指して、つくれぽのサービスを開始。レシピ投稿機能と同様に日常的に使われることことを目標とした。

このように、ポジティブな循環をもたらす評価システムが実は身近なところにあるかもしれない。restaurantcamerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:サイエンス思考の基礎、2つの推理と4つの規則」から

2015.9.18  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:サイエンス思考の基礎、2つの推理と4つの規則」から

アリストテレスとデカルトの功績

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、サイエンス思考の基礎が古代の哲学者アリストテレスとそれから2千年後のフランスの哲学者ルネ・、デカルトの功績によるものと語る。

○2つの推論スタイルと4つの理論的枠組み

アリストテレスが説いたのは、特殊から一般を導く帰納的推論と一般から特殊を導く演繹的推論である。前者は個々の事例を統合して一般法則を発見するもので、後者は、一般法則を使って個々の問題を解決するもの。

一方、デカルトは、彼の「方法序説」で、4つの理論的枠組みにまとめた;

  • 明証の規則:「真」とする概念は、他と区別できるもので即断や先入観を入れない
  • 分析の規則:考える対象を、最も単純で認識しやすい要素に分ける
  • 総合の規則:要素間の関係を、最も単純な相互作用から始め、全体の複雑な構造・性質へ統合するメカニズムを考える
  • 枚挙の規則:以上の思考過程で要素や相互作用に見落としがないかを確認する

サイエンスは未だ発展途上であり、その果実であるテクノロジーもまだ未開である。枝葉末節にとらわれ、このサイエンスという大木の主幹を見失ってはいけないと、和田教授は示唆し、そこに発展の始点があるという。upwardrightmemohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:脂肪ゼロヨーグルト、生乳使用でおいしく」から 

2015.9.17   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:脂肪ゼロヨーグルト、生乳使用でおいしく」から

厳しい競争の中でニーズに応える小岩井乳業

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、小岩井乳業の「小岩井生乳ヨーグルトクリーミー脂肪ゼロ」を取り上げ、ニーズに応える現場の努力を語っている。

○限定地域販売

プレーンヨーグルト市場は、スタンダードタイプが伸び悩む中、脂肪ゼロヨーグルトと生乳100%ヨーグルト群の構成比が年々高まっているという。

このような状況の中、高岡教授が今回取り上げた製品は、同社が数年間の開発を行ったもので生乳で脂肪ゼロで、しかも味覚を消費者が望む酸味を抑えたものとして、さらに新技術を開発したという。酸味を柔らかく、砂糖を利用しなくてもおいしく食べられるのを特徴とした。

小岩井乳業では、これまで100%生乳ヨーグルトには消費者の手応えを感じていたことから、健康志向を取り込むため脂肪ゼロで勝負に出たという。予想を超える反響で、限定地域販売を全国販売に踏み切るかもしれないと高岡教授は語る。restauranthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:基礎研究 実用化の加速を」から

2015. 9.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:基礎研究 実用化の加速を」から

産学連携、大学発ベンチャー制度と同じか、プログラムマネージャー制度

コ ラムの著者は、科学技術振興機構(JST)の第1回ACCELシンポジウムでプログラムマネージャー制度について触れている。

○米国の制度を手本として日本流に

大学教授らの研究者だけでなく事業化に詳しい人材をプログラムマネージャーとして置き、二人三脚で進めるプログラムマネージャー制度(PM制度)。仕組みは米国の国防総省・国防高等研究計画局(DARPA)を手本としたものを日本流に変えたものだという。2年ばかり前に始まったとあって、PM制度への期待と意欲がシンポジウムでは主流。反面、リスクをとっていない、責任があいまい、大きな試練があるといった懸念や指摘も出てきた。

このような米国の手本で動いた、産学連携や大学発ベンチャー制度も未だ模索中で明確な成果が出ているとは言い難い。今回のPM制度もそうならないかの懸念がある。スピード感がないとの指摘もあり、懸念される。wrenchpencilhappy01