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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:rとg、倒錯の不思議」から

2015. 4.17   日経産業新聞の記事「眼光紙背:rとg、倒錯の不思議」から

トマ・ピケティが突きつけた謎

コラムの著者は、資本リターン(r1)と経済成長率(g)の関係を

r1>g
と説いたトマ・ピケティ氏の不等式について、企業の利潤率(ROEなど)(r2)をみると、

r2<g

となっている現実があるという。資本が溢れ、欧州ではマイナス金利が定着しているこの謎について触れている。

○r1>g>r2では?

この不等式(r1>g>r2)の倒錯はどこから来るのか。実は、コラムの著者は、r1とr2の乖離が倒錯を起こしている要因ではないかと見ている。資本リターンr1(利潤率)と資本リターンr2(利子率)は本来同じなものであるはずなのに、大きく両極化しているからだという。

大半がこのリスクを取らないのは、この状態が長く続くわけでなく、いづれかに収斂していくと考えられるからである。これは株高による市場価格ベースでみた利潤率の低下と金利の上昇にならざるを得ないと読める。これが先進国の株高を押し上げる論理であるという。upwardrightdollarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:自転車文化、成熟都市の条件の一つに」から

2015.4.17     日経産業新聞の記事「流行を読む:自転車文化、成熟都市の条件の一つに」から

健康・エコ以外の要因

コラムの著者 岩崎 博論氏(博報堂ブランドデザイン ストラジックプランディレクター)は、ロンドンやコペンハーゲン、サンフランシスコなど成熟都市での自転車の再評価について語っている。

○こだわりの自転車ユーザが増加

岩崎氏がロンドンを訪れた時、驚いたのは自転車専用の路側帯が設けられ、老若男女が運転する自転車の量である。さらに、シェアスポットが点在し、自転車カフェまでできている。自転車カフェは、修理の時間の合間に、食事や休憩ができるというカフェ。

2012年のロンドン五輪を契機に、ロンドンが自転車フレンドリーな街に転換した結果だという。同様に世界の成熟都市では、東京以上に自転車の交通量が増えているという。逆に自転車が多いことで有名な中国ではモータリゼーションで減少しているという。

そこには、エコや健康のインパクトもあるが、

  • 自転車のクラフト性:手作りでパーツを組み上げオリジナルができる
  • 文化性
  • インフラの整備

があるという。さて、東京五輪ではどうであろうか?bicyclehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『インフレ時代』に備えよ」から

2015. 4.15   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『インフレ時代』に備えよ」から

大きく変わるビジネス環境

コラムの著者は、日経平均株価が15年ぶりに2万円台を超えた今、デフレ脱却の途上で混在するビジネス環境となっており、企業経営者のこれまでの常識にとらわれない対応力が要求されるという。

○デフレ時代にはないビジネス環境

先ず、大きな変化は顧客の価格に対する考えである。デフレ時代のキーワードは、安価を生み出すコスト競争力であった。メーカーは消費者が好む低価格を達成するために生産コストが低い海外製造にかけた。ところが、モノの価格が上がるインフレ時代のキーワードは、ブランド力である。

安全で高品質、高い性能に裏付けられた高価格のオンリーワン商品が好まれる。日本での製造も復活するだろうという。

現在は完全なデフレ脱却ではなく混在期であることから、消費は二極化するとコラムの著者は予測する。安価な商品も売れるが、品質や趣向を重視することになる。

雇用も変化する。デフレ時代は人件費が安い非正規雇用を活用して業容を拡大した。しかし、労働人口が少ない地方では労働力が確保しにくくなり、正規社員化による労働力確保で労務費の安定化を図る必要が出てくる。

いづれにしても、柔軟で素早い対応力が試される。upwardrightdollarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本の老舗企業、ブランド志向が支えに」から

2015.4.16   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本の老舗企業、ブランド志向が支えに」から

世界の老舗企業の協会が日本企業に顕彰

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、家業歴200年以上の老舗企業44社からなる国際組織エノキアン協会(本部・パリ)の日本企業への顕彰を通して、老舗企業の教えについて語っている。

○貝印の顕彰

このほどエノキアン協会からレオナルド・ダ・ヴィンチ賞を受けるのは、貝印である。同賞は、2011年から始まり、第一回はフェラガモであった。

世界最古の企業は日本の金剛組(創業578年、寺社建築)で他国に比べ、日本は老舗企業が多い。三浦教授はその理由として、

  • 高品質へのこだわり
  • ブランド志向
  • イエ社会

にあるという。鼻識は、欧米の最高価値を真善美と聖に見出すことに対して、日本は清浄という美的価値が最重視されることによるという。不具合は改善に取り込み、完璧な製品に作り込んでいく。

日本人のブランド志向は、日本の特徴として日用品や食品などもブランドが重視されるところだという。

日本特有のイエ社会の伝統がある。戦前は「お国のため」、戦後は「会社のため」で、老舗企業でいえば「のれんのため」である。ただ匠の技を墨守しているのではなく、常に革新も怠らない姿勢である。不易と流行、守るべきものと変えるべきものを企業経営では必要であると老舗企業は示唆しているという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大塚家具騒動『災い転じて』」から

2015. 4.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:大塚家具騒動『災い転じて』」から

会社と株主の緊張感

コラムの著者は、父娘のプロキシファイト(委任状争奪戦)で世間を騒がせた大塚家具騒動について触れ、日本企業のお金を使うことへの恐怖心について語っている。

○大塚家具がステークホルダーに報いる

18日から大感謝フェアを同社は開催する。これによって、心配をかけたお詫びと応援していただいたお礼にと、顧客に報いる。一方、争奪戦の最中に株主への配当の大幅引き上げを決め、株主に報いた。

このような決定に同社が動いたのは、手元に潤沢な資金があり、いわゆる超過資本の状態であることにある。日本企業のROE(株主資本利益率)は世界標準からみて低い。大塚家具も同様であるという。つまり、リーマンショック以後、資本が底をつく恐怖を味わったわけで、日本の経営者は「お金をつかうこと」に臆病になっていた。

今回の騒動で、会社と株主の間に緊張感が生まれ、あるべき関係に戻ったと言える。増配で株価は上がり、ここで大感謝セールで活気が戻れば、まさに「災い転じて」となるという。buildinghappy01