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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:ペットボトル、玩具に変身」から

2015.4.21   日経産業新聞の記事「デザインNOW:ペットボトル、玩具に変身」から

プリコラージュのデザイン

コラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、ペットボトルの蓋が同一規格になっていることに注目し、これを玩具にしてしまうという、古庄良匡氏(デザイナー)による商品からプリコラージュのデザインについて語っている。

○ペットボトルを玩具に

古庄氏がデザインした、ペットボトルの口に取り付ける木製のグリップ「TOY Grip」(たにてる工芸(石川県))を柏木氏はプリコラージュのデザインだという。プリコラージュとは、ありあわせのものを組み合わせて必要なものを作ってしまおうという発想で、フランスの文化人類学者 レヴィ=ストロースが提唱したものだという。TOY Gripは、ペットボトルがぶつけても衝撃を和らげるので家具などを傷つけることもない。また、軽量なので子供にも持ちやすく、赤、黒、白木と木のぬくもりとカラフルな玩具として親しみやすい。また、中に豆などを入れると、ガラガラやマラカスに変身する。

日常、廃棄してしまうものを全く違うものに転用するという発想が何よりも面白い。notehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:戦後開花の技術、検証を」から

2015. 4.20   日経産業新聞の記事「眼光紙背:戦後開花の技術、検証を」から

先人の危機感

今年は戦後70年で、高度経済成長をリードした今は亡き先人はたちの多くは、戦前から技術やアイデアを磨き、戦後になって開花させた。コラムの著者は、当時ベンチャーであったソニーやホンダのような会社が明確にそれっきり出現しなくなったのは人材育成に問題ありと説いている。

○新幹線、超高層ビル、鉄鋼、自動車、家電

これら高度経済成長の商品は、その後世界に羽ばたき、「速く」も「高く」も、「小さく」も「軽く」も限界に達した。その障害は石油危機、円高、バブル崩壊だけでなく、人材の問題もあるという。ソニーやホンダのような会社が、それ以後、出現しなくなったのは戦後の技術開発や人材育成が停滞したのではないかというのが、コラムの著者の視点である。

その証拠に1960年代に中央研究所の開設ラッシュがあったという。当時の企業幹部は、戦前の蓄積が枯渇して慌てたのではないかと、コラムの著者は推察している。技術や起業家がなぜ戦前に多数存在したかを細かく検証してみる余地はあるのではないか。downwardrightupwardrighthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間に過ちはつきもの、原則忘れず事故防止を」から

2015.4.21  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間に過ちはつきもの、原則忘れず事故防止を」から

フェイルセーフの前提

コラムの著者 中村 雅美氏(科学・技術ジャーナリスト)は、広島空港の韓国アシアナ航空機事故、JR東日本の山手線線路脇の架線柱倒壊事件など死者は出ていないが大事故につながりかねない事態に、ヒュマンエラーという前提が忘れられているのではないかと指摘している。

○FAAによれば航空機事故の7から8割はヒューマンエラー

なぜ、このところの事故のようにその要因にヒューマンエラーがあり、繰り返されるのか。安全重視よりも利益優先による風潮もあるが、「人間は過ちを犯す生物だ」という前提を忘れているのではないかと、中村氏は指摘している。さらに、機械に頼りきり、それを技術が助長しているのではないかと。

電車に乗ると、多くの若者だけでなく多くの乗客がスマートフォンを一所懸命になっている姿がある。電車内だけでなく、自転車に乗りながらスマホをみたり、歩きながら前向きで画面に見入っている。このような状態で不測の事態が起こった場合、とっさに対応できるだろうか?

これから無人自動車など人間が操作しない技術が多く発達することで、いったん事故が起こったらどうなるかという想像力が働かないのではないかという。

技術だけで事故はゼロにできない。フェイルセーフが前提で対策をとることであろう。subwayhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アベノミクスは我が家に来たか」から

2015. 4.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:アベノミクスは我が家に来たか」から

今月25日、26日の商戦は注目対象

コラムの著者は、アベノミクス効果が本当に消費者まで届いているのかを見出すチャンスが今月の25日(土)と26日(日)だという。

○本当に給料が上がったか?

スーパーの経営者や経営幹部の話に今月の25日(土)と26日(日)に注目しているという。その理由は、大学卒の新入社員の初任給もあるが、大半企業が給料を支給した後で、明細や振込額で確認できることから、買上額も増えると期待するからだという。ニュースでは多くの企業の給料が上がったとしているが、本当に消費者まで行き渡っているのかを検証しようというものだ。

昨年4月は消費増税後の直近で商戦はさえなかった。そこで、期待は大きい。さらに、どんな商材が売れれれば、消費者にアベノミクス効果がでたと言えるのか。小売では、牛肉と刺身で高級食材が1つの目安になるという。ただし、値上げ効果が大きければスーパーではなく外食に流れるという。週明けはどんな結果か?restaurantdollarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:ハンディー洗濯機、先人の知恵生かす新家電」から

2015.4.20 日経産業新聞の記事「探査計:ハンディー洗濯機、先人の知恵生かす新家電」から

エコで高性能

コ ラムの著者 戸井田 園子氏(家電コーディネーター)は、ハイアールアジア(東京・千代田)が世界初のハンディー洗濯機「COTON(コトン)」を発売したが、この製品の温故知新的発想について語っている。

○着物のシミ抜きの発想

使い方は、汚れの上から少量の液体洗剤を塗り、キッチンペーパーなどを敷いて汚れた面を下にし、生地の上からコトンで叩くだけである。叩くことで、汚れを押し出し、別のもの(キッチンペーパーなど)に移す仕組みは、昔からの着物のシミ抜きの発想である。

適切な力加減、振動回数、叩き面の形状などで汚れを効果的に押し出す設計となっている。さらに、水で洗剤成分をも押し出すすすぎ効果も加えた、手のひらサイズの洗濯機である。デザインは握りやすい太さにし、携帯できる重さに抑えた。継ぎ目のない筐体、アルマイト加工による色付けなども製品に高級感を与えているという。

従来の洗濯機では、お気に入りの服であればあるほど早く傷み、少しの汚れでも大量の水や電気が必要であることもECOの観点から望ましいとは言えない。いわゆる部分洗いである。

日本の知恵と技術で生まれた、温故知新的なこの製品が今後の洗濯のスタイルに影響を与えそうだ。t-shirthappy01