Previous month:
2015年2 月
Next month:
2015年4 月

2015年3 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:民生ロボで驚き期待」から

2015. 3.4  日経産業新聞の記事「眼光紙背:民生ロボで驚き期待」から

肝心は民生の売れるロボット

コラムの著者は、政府の「ロボット革命」を目指す5カ年の新戦略について一定の評価をするもののあくまでも市場形成の支援であって、民間企業は、国際競争に勝てるロボットを目指す必要があることについて触れている。

○第2普及のロボット

日本は過去、産業用ロボットで「ロボット大国」の異名をとったが、今は多くの分野に広がりつつあり、第2の普及期であるという。その舞台も国内ではなく国際競争の場である。

政府も成長戦略の実行計画に「ロボット革命」の五カ年計画を盛り込み、次世代技術の開発、国際標準化、規制緩和、実証実験の場の整備などの方針を示し、ものづくりを筆頭にサービス、介護・医療・インフラ・災害対応など広域な産業分野である。これまでも同様の計画はあったが、コラムの著者によれば従来よりは踏み込んでいるという。

ただ、政府主導はあくまでも市場形成の支援であって、肝心は、売れるロボットの製品化であり、製造業とそれを支援する民間企業の総力が国際競争に勝つ唯一の方法であろう。いわゆるこの分野でもヒット商品が必要となる。foothappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:格安スマホ、ステッカーにも説明」から

2015.3.3   日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:格安スマホ、ステッカーにも説明」から

初めて使う考慮をステッカーで工夫

コ ラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は、イオンが取り扱っているスマートフォン「アイドル2」を購入して、取扱説明書などの検証している。

○利用対象がICTには弱い主婦やシニア

蛇腹折りの「ご使用までの流れ」と44ページの「クイックガイド」。前者はホーム画面やメインメニューなどの基本画面の使い方をカラーで説明し、理解しやすい。ただ、「クイックガイド」の方は、スマホで使う機能の説明だが、シニアが読むには字が小さいとのこと。

評価されたのは、SDカードなど撮影データの媒体などの挿入口など解りにくいところは、ステッカーが貼ってあり、分かったら廃棄できるところだ。取説だけに頼らず、商品自身に情報提供ができている点は、初めて使う以外には不要とのことも配慮があって、これからの商品説明では必須かもしれない。mobilephonehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:工業デザインの悪癖、使う人への配慮もっと」から

2015.2.27  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:工業デザインの悪癖、使う人への配慮もっと」から

工業デザイナーのしての苦心

コラムの著者 中村雅美氏(科学・技術ジャーナリスト)は、2月の初めに亡くなられた工業デザイナーの栄久庵憲司氏が万人が受け入れられやすいデザインを志向されたことに敬意を表し、現在のデザイン志向の欠点について語っている。

○見た目重視で使い勝手悪いデザイン

中村氏の苦言は、栄久庵氏の志向の裏返しである。技術や内容よりも見た目を重視し、使い勝手が悪いことに、今のデザイナーは陥っていないかということである。

中でも中村氏は、ホテルや新しいオフィスビルでの共同トイレの入り口の複雑さをあげている。確かに、外部から見れないといった要件はあるが、災害時での避難の仕方が複雑のものが多いのではないかという指摘である。建築家やデザイナーが、どうもトイレのように不特定多数の人が使うという意識が希薄なのではないかという。

確かに同じ技術が生きているなら、デザインが優れたものは良い。しかし、見てくれだけではなく、使う人に配慮したデザインを苦心するところが、栄久庵氏を超えるデザインではないと。デザイナーズホテルやマンションのデザイン優先から抜け、技術や使い勝手重視に建築分野も目を向ける時代かもしれない。buildingeventhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:消費者に『感覚派』と『理性派』」から

2015.2.27    日経産業新聞の記事「流行を読む:消費者に『感覚派』と『理性派』」から

「納得」や「驚き」の最大化を求める志向

コラムの著者 関沢 英彦氏(博報堂生活総合研究所エグゼクティブフェロー・東京経済大学教授)は、自分の所属する博報堂生活総合研究所の「生活定点調査」を元に消費行動の志向について考察している。

○感覚消費派、理性消費派と好み消費派

この3つの消費志向は、関沢氏によると、商品を購入する際に

  • 一般的に考えて良い悪いの理性で判断する:理性消費派
  • ピンとくる・こないという感覚で判断する:感覚消費派
  • 好き嫌いという自分の好みで判断する:好み消費派

があるという。最近のインターネットやスマートフォンの普及で影響を受けたのは、理性消費派で、これらをつかった情報で判断する。まさにインターネットやスマートフォンは理性消費派の武器になったという。この消費志向は調査でも一定の割合で増減は少ないという。

一方、好み消費派は調査では減少傾向にあり、逆に、感覚消費派は増加傾向にあるという。つまり、好き嫌いから感覚的な志向への移行が起こっており、マーケティング手法も変わってきているという。

例えば、最近のデパートメントでは、期間限定の「ポプアップストア」というイベント型の売り場が増加しており、感覚的な消費者は、「ピン」とくれば、来店し、商品を購入する可能性が高いという。

流行を先導しヒットを生み出すには、2つの消費派に対して、「驚き」と「納得」を少なくとも満足させないと進まないようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:記念スイカ申し込み殺到、リアルとネット相乗作用」から

2015.2.26   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:記念スイカ申し込み殺到、リアルとネット相乗作用」から

リアルの世界は唯一であるがネットの世界は複数

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、JR東日本で事件となった記念スイカについて、ネットとリアルの販売について考察している。

○異常な申し込み件数と集中

同商品は、東京駅開業100周年記念のIC乗車券で申し込み数は499万枚に達したという。この数字は、1年間に新規発行されるスイカは300万〜400万枚と言われている中で異常な件数である。さらに、顧客が集中したのも重要で、

  • 発売窓口で客が殺到した大騒動が発生(高い関与)
  • これが報道されて「意図しない」プロモーションとなった
  • 当初は、鉄道ファンやコレクターが集まった
  • マスメディアに取り上げられ、一気に「すごいスイカらしい」という思い込みができた
  • ネット購買できるなら「とりあえず」予約しようと、さらに流れを加速。(低い関与)
  • スマホでユビキタス消費ができ、こんどはネットの購買予約サイトがダウン寸前となる

となった。従来はトリクルダウン(滴下)と言われる上流層から下流層がながれ、真似ることで、広がるモデルであったが、ユビキタス消費で、この動きが短縮され、加速的に関与者を増やす「ヒット現象」が起こった。

これまでは、O2Oとよばれる、ネットからクーポンなどをダウンロードし、リアルの店舗に誘客するものであったが、クーポンなどの情報は情報の氾濫で埋もれやすい。そこで、逆にリアルからネットへ誘導するものが、今回の事例に当てはまると三浦教授はかたる。

リアルの力は大きい。人々はネット上に趣味やテーマごとに複数の世界を持てるが、リアルはすべての人に共有な唯一の世界である。まずは、リアルでの方策を考えることが重要でもある。24hourspchappy01