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2015.2.27  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:工業デザインの悪癖、使う人への配慮もっと」から

工業デザイナーのしての苦心

コラムの著者 中村雅美氏(科学・技術ジャーナリスト)は、2月の初めに亡くなられた工業デザイナーの栄久庵憲司氏が万人が受け入れられやすいデザインを志向されたことに敬意を表し、現在のデザイン志向の欠点について語っている。

○見た目重視で使い勝手悪いデザイン

中村氏の苦言は、栄久庵氏の志向の裏返しである。技術や内容よりも見た目を重視し、使い勝手が悪いことに、今のデザイナーは陥っていないかということである。

中でも中村氏は、ホテルや新しいオフィスビルでの共同トイレの入り口の複雑さをあげている。確かに、外部から見れないといった要件はあるが、災害時での避難の仕方が複雑のものが多いのではないかという指摘である。建築家やデザイナーが、どうもトイレのように不特定多数の人が使うという意識が希薄なのではないかという。

確かに同じ技術が生きているなら、デザインが優れたものは良い。しかし、見てくれだけではなく、使う人に配慮したデザインを苦心するところが、栄久庵氏を超えるデザインではないと。デザイナーズホテルやマンションのデザイン優先から抜け、技術や使い勝手重視に建築分野も目を向ける時代かもしれない。buildingeventhappy01

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