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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:イベント駆動の社会、重視される個人の意思」から

2015.2.24  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:イベント駆動の社会、重視される個人の意思」から

個人の発議も悪意もオープンな危険性

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、世の中の動きによる「スケジュール駆動」と個人の意思や社会の需要による「イベント駆動」の視点から社会の動きについて述べ、その明暗を語っている。

○「スケジュール駆動」から「イベント駆動」へ

世の中の大抵はスケジュールがあって、それに皆が合わせて動く。この現象を「スケジュール駆動」とよぶと、山﨑教授は語っている。

  • スケジュール駆動の例とイベント駆動への変化
    • 学校:学校に行く年齢や時期、教育内容→登校拒否はスケジュール駆動の問題点の顕在化?
    • 農業:一年の四季に合わせた作付け→植物工場はスケジュール駆動から離脱
    • 漁業:資源保護のために漁期を定めスケジュール駆動に
    • 交通信号:渋滞解消などスケジュール駆動→センサによる検知で高齢者や障害者の横断に対する配慮でイベント駆動へ
    • 交通システム:鉄道やバスはスケジュール駆動→タクシーはイベント駆動
    • 放送:スケジュール駆動で一方向の番組→イベント駆動のインターネット配信

とみると、社会の大勢はスケジュール駆動からイベント駆動へ移行しつつあるように見えるという。イベント駆動重視の社会では合理的で多様な個性を許し、個人の発議で動くオープン性を備えている。一方で、なりすましや情報の流出、乗っ取りなど悪意の面もオープンであることも知っておかねばならないという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:『プレミアムボス』コクに加えネーミングの妙」から

2015.2.23   日経産業新聞の記事「探査計:『プレミアムボス』コクに加えネーミングの妙」から

中身と外見が噛み合った商品

コ ラムの著者 小林 仁氏(食品マーケティング研究所所長)は、逆境化の缶コーヒー分野で異彩を放っているサントリー食品インターナショナルの缶コーヒー「プレミアムボス」のマーケティングを考察している。

○ロングセラーに製法の改善とマーケティングあり

「ボス」は1992年の発売以来ラインナップを常に揃え、話題性のあるテレビCMやキャンペーンなどを積極的に展開して、成長は今も続いている。こういったマーケティング戦略の賜物でもあるが、本体であるコーヒーには製法を大きく改善し、ユーザーが求めるコーヒー由来の強いコクを実現している。パッケージも、ボスの特別職にプレミアムという金をあしらって高級感を出し、ネーミングも「プレミアムボス」と同社グループが販売するビール「プレミアムモルツ」を連想させるように仕掛けている。

消費増税で主力の自動販売機売が販売不振であり、コンビニのコーヒーの攻勢もあって缶コーヒー分野の事業は厳しい状態にある。そんな逆風にも対抗してことから、本体自身の改善とマーケティング戦略が噛み合って成功している実例であると小林氏は考察している。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:個人間、広がる資金支援」から

2015.2.24   日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:個人間、広がる資金支援」から

ビジョンをもった個人にとって魅力的

コラムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)は、従来の銀行から融資やVCからの投資など閉鎖型の資金調達からオープンな資金支援の方法としてクラウドファンディングについて注目している。

○クラウドファンディングとは

これは、インターネットで小口資金を募るもので、資金を必要とする個人や小規模事業者が「プラットフォーム」と呼ぶ仲介サービスで試作品やビジネスのアイデアを披露して、不特定多数から資金を集める仕組みである。

これまでの資金調達では、銀行の融資、VCからの投資といった閉鎖型の関係で進んできたが、クラウドファンディングは、オープンに支援を募りビジョンに共感した支援者が資金を提供する。

支援の形態として

  • 寄付型:純粋な寄付
  • 投資型:プロジェクトの利益から出資者が配当を得る
  • 融資型:融資者が一定の利子を得る
  • 購入型:支援の報酬を製品やサービスで得る

といったものがあるという。資金調達のプロセスを魅力的に見せることで、テストマーケティングやプロモーションの場としても活用されようとしている。

有名なところは「キャンプファイアー」、「レディーフォー」、「マクアケ」などがある。今の所国内では著名ではないが、認知度が高まると個人が個人を支援するということが常識化することで浸透するだろう。ビジョンのある個人には朗報かもしれな。pouchhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日銀総裁も言及『ナウキャスト』」から

2015. 2.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:日銀総裁も言及『ナウキャスト』」から

経済指標もナウキャストへ

コラムの著者は、日銀の黒田総裁も触れた、「日経・東大日次物価指数」が、経済の天気予報、物価の今を知らせるナウキャストである意義について語っている。

○元は気象用語

天気予報の解説で気象レーダーによる雨雲の移動の模様を示した画像を現在まで表示するものがナウキャストである。いつしか、経済の分野でも応用されるようになった。

気象データにあたるものが、日経グループが持つ食品・日用品のPOSデータで、東大の渡辺教授の研究室がアルゴリズムを編み出し、すでに日々発表している。まさに新鮮なビッグデータによる経済指標である。

経済の不確実性が増す中で未来を見通す、足元の情報としてナウキャストが注目されるとコラムの著者は示唆している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:新・産業革命、日本の潜在力」から

2015. 2.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:新・産業革命、日本の潜在力」から

欧米以上の新・産業革命が期待される日本

米国の資源革命である「シェール革命」、ICTでの「ビッグデータ」の活用で米国景気を押し上げ、ドイツではICTを生かした「インダストリー4.0」を計画といった新・産業革命の期待が高まっている。コラムの著者は、新・産業革命に日本にもその先駆者として潜在力を十分にもっていることについて触れている。

○厳しい財務環境が突きつける日本の産業革命

国と地方の財政赤字の解消に展望がない今では、短期的な緊縮財政や規制改革だけではとても間に合わない状況で、これを一気に解消するには新・産業革命を起こすしかないという。

産業革命の火種としてエネルギー革命と技術革命があるという。

エネルギーでは豊富な泥炭、メタンハイドレートばかりか、水素エネルギーや大気中のプラズマ・エネルギーの活用は期待されているという。これが実現すれば米国のシェールガス革命以上だという。また、技術では、ビッグデータと人工知能(AI)の結合によるドイツ型の産業革命の可能性があるという。この領域でのモノづくりは優位性があるかもしれない。

ブレークスルーは意外と灯台下暗しである。happy01