【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:記念スイカ申し込み殺到、リアルとネット相乗作用」から
2015/03/02
2015.2.26 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:記念スイカ申し込み殺到、リアルとネット相乗作用」から
リアルの世界は唯一であるがネットの世界は複数
コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、JR東日本で事件となった記念スイカについて、ネットとリアルの販売について考察している。
○異常な申し込み件数と集中
同商品は、東京駅開業100周年記念のIC乗車券で申し込み数は499万枚に達したという。この数字は、1年間に新規発行されるスイカは300万〜400万枚と言われている中で異常な件数である。さらに、顧客が集中したのも重要で、
- 発売窓口で客が殺到した大騒動が発生(高い関与)
- これが報道されて「意図しない」プロモーションとなった
- 当初は、鉄道ファンやコレクターが集まった
- マスメディアに取り上げられ、一気に「すごいスイカらしい」という思い込みができた
- ネット購買できるなら「とりあえず」予約しようと、さらに流れを加速。(低い関与)
- スマホでユビキタス消費ができ、こんどはネットの購買予約サイトがダウン寸前となる
となった。従来はトリクルダウン(滴下)と言われる上流層から下流層がながれ、真似ることで、広がるモデルであったが、ユビキタス消費で、この動きが短縮され、加速的に関与者を増やす「ヒット現象」が起こった。
これまでは、O2Oとよばれる、ネットからクーポンなどをダウンロードし、リアルの店舗に誘客するものであったが、クーポンなどの情報は情報の氾濫で埋もれやすい。そこで、逆にリアルからネットへ誘導するものが、今回の事例に当てはまると三浦教授はかたる。
リアルの力は大きい。人々はネット上に趣味やテーマごとに複数の世界を持てるが、リアルはすべての人に共有な唯一の世界である。まずは、リアルでの方策を考えることが重要でもある。
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