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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネットビジネスは『マッチング』」から

2014. 10.15  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネットビジネスは『マッチング』」から

社会全体の変革を起こすか

コラムの著者は、ネットビズネスの本質をネットを介してのマッチングにあることから今の社会を変える力をもつのではないかと語る。

○最近のクラウドソーシング

最近のクラウドソーシングでは多くの「発注」があるという;

  • ロゴ、チラシ、キャラクターの作成(デザイン系の仕事依頼)
  • 翻訳
  • 文章執筆
  • ウェブサイトの制作

などが発注数が多いが、作業規模の大きなメーカーの設計などもある。興味深いところで、

  • アイデア、知恵を求める
  • 商品のネーミング
  • 航空会社の乗客増加に伴う対策立案

といった従来の「ちょっとした仕事」の枠を超えている。さらに、発注者も個人事業者から大企業、官庁まで幅が広く、急拡大しているという。

成長の要因は、ネットビズネスが、「マッチング」を本質としていることのようだ。片方で何らかの資源があり、片方で不足があれば、ネットビズネスは成り立つ。SNSでもキュレーションマガジンやニュースもマッチングの一種であり、社会全体の効率化を促していくように見える。

年齢だけでなく、性別、体力などといった物理的な枠を超えて参画でき、情報セキュリティのリスクはあるものの、ネットによる統合力は大きなものに変わってきている。pcmobilephonehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:今によみがえる50年前の新幹線論争」から

2014. 10.11  日経産業新聞の記事「眼光紙背:今によみがえる50年前の新幹線論争」から

いつの世にも必要性が議論に

10月1日に東海道新幹線が開業50周年を迎え、時を同じくしてJR東海のリニア中央新幹線計画が動き出そうとしている。コ ラムの著者は、50年前の新幹線論争に触れ、当時も飛行機と自動車の時代になると予想し新幹線ではなく、道路整備に予算を回すべきだといった論争があったという。

○50年前の新幹線論争

日本の背骨ともいえる巨大プロジェクトが、進行するなかで、コラムの著者によると、50年前の新幹線論争と類似する点があるという。新幹線もリニア中央新幹線も意外に世論は冷たいという感想だ。

1958年7月の朝日新聞の社説:

  • 建設が決定済みの高速道路に加えて、さらに東海道新幹線を作る必要があるのか。さしあたり建設計画はどれか一つに絞るべきだ

と主張していたという。

しかし、その後の新幹線の大活躍はご存知の通りで、こうした悲観論はことごとく消えた。リニア中央新幹線についてはどうであろうか?建設費が膨大、本当にお客がいるのかなどと反対理由は50年前の新幹線論争時とかわらないという。

歴史は繰り返すのか、今度は反対派が正しいのか。bullettrainhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:IT機器制限の『その先』」から

2014. 10.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:IT機器制限の『その先』」から

ジョブズの子供たちへのIT機器制限から広がる

コ ラムの著者は、IT機器制限(No Screen Policy)の広がりから、今後必要なのは何かを語っている。

○もともとは企業の情報セキュリティー用語

IT機器制限(No Screen Policy)とは元来企業内で食事に席を立つ場合や長時間席を立つ場合に不正なログインがされないようにログオフするなど情報セキュリティーの用語であったという。これが、家庭にも転じて使われるようになり、夜になったら子供たちにゲームやスマートフォンなどのIT機器の利用を禁止し、読書や音楽鑑賞、家族団らんの時間にしようという意味で使われているという。

故スティーブ・ジョブズ氏が自分の子供にIT機器の利用を相当程度制限していたと米ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事から最近広がった。背景にITに対する漠然とした社会不安があり、デジタル・ネイティブの現代の子供たちには深刻だという。IT機器を使っている間にこれまでの身につけねばならないことに時間が使われないといった危惧である。

ただ、コラムの著者がいうように、IT機器のスイッチを切っても、家族で子供たちに何をするかといったコンテンツがなければ、この制限も無意味ではないかといえる。mobilephonetvgamehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本の美意識とマーケティング」から

2014.10.9   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本の美意識とマーケティング」から

消費者のニーズの先回りだけでなく、自らの世界に引き込む日本的マーケティング

コ ラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、「クールジャパン」の中核としてアニメや漫画が世界を席巻している背景について触れている。

○欧米との美意識の違い

三浦教授によると、哲学者の梅原猛氏によると、西欧の哲学が「真善美聖」を最高価値とすることに対して日本文化の価値の中心は「清浄」という美的価値があったという。そこで、日本では、美に重点があって五感全てを満足させるため、様々な美が追及されたと指摘する。

現在のマンガやアニメは、21世紀版のジャポニズムであり、世界のマンガ市場で十指にはいるヒット作や米アカデミー賞の受賞作など今や世界に認められている。

その背景に基本的にコンテンツを現地化せず、変えるのは言語だけとしていることで、一般の消費財と異なり、映画や小説など芸術作品に共通した価値を持っているという。消費者のニーズを先回りするのが日本的マーケティングであるが、マンガやアニメは世界の消費者を自分たちの世界に引き込んでいく戦略を持っている。この戦略は他の事業領域にも大いに参考になるのではないかと、三浦教授は示唆している。tvhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:皮肉なノスタルジー」から

2014. 10.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:皮肉なノスタルジー」から

ノスタルジーを感じる人も買い物に行かなかったダイエー

コ ラムの著者は、かつては日本最大の小売業であったダイエーを取り上げ、ノスタルジーを感じるがその終焉の要因が客離れであったことを指摘している。

○自主再建断念後も大幅赤字

先月下旬、イオンによるダイエーの完全子会社化の記者会見で、ダイエーの看板がなくなると、ネット上では「さみしい」「悲しいけど時代の流れ」といった意見が多く出たという。多くの消費者がお世話になってきたから、かつての日本一の小売店にノスタルジーを感じるのも無理はない。

だが、ダイエーの経営不振の要因は、過大な借金ではなく、ノスタルジーを感じた人がダイエーに買い物をしなくなったことからである。10年前ではダイエーの店舗閉鎖などが話題になると自治体などから反対の声があがったもおのであるが、今はその影もない。ダイエーが消えても他に魅力ある店があるからである。

産業再生機構もテコ入れを行い、丸紅やイオンなども試行錯誤を行ったが、客離れを止めることはできなかった。経営チームはいくつも変わったが、変わっていないのは消費者に支持されていないことが要因であった。