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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:山形の芋煮、レトルトに挑戦」から

2013.10.25  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:山形の芋煮、レトルトに挑戦」から

希少性こそがB級グルメの本来の姿?

コラムの著者 平林 千春氏(東北芸術工科大学教授)は、開発中の山形の芋煮レトルト食品で学んだB級グルメの食卓への味への道が険しいことについて述べている。

○山形の風物詩を家庭へ

河原での芋煮会。鍋を持ち込んで採りたてのサトイモを煮て、皆でつついて食べる『芋煮会」・山形県内でも味付けが異なり、地域の食材をふんだんに取り入れるB級グルメの走りのような食べ物と平林氏は語る。

この山形名物の芋煮を何とか手軽に食べられないかと、地方のサトイモ農家とレトルト食品の加工食メーカーと組んで、電子レンジでも簡単にできる即席型食品として開発に著者の平林氏も挑戦した。

結果はまだ開発中だが、多くの点で課題が出た。保存できるように殺菌加工すると、肉やネギが崩れて、味も変わってしまい芋煮とはほど遠くなる。改良を重ねたが、なかなか難儀をしているとのこと。

多くの全国B級グルメの即席食品化は難題であることに気付いたという。つまり、家庭で手軽に楽しめるのなら、あえてイベントをやる必要もないし、買い求めもしない。希少性こそがB級グルメの本来の姿と気付いたという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:センサー技術の進歩、人と機械の役割変わる」から

 2013.11.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:センサー技術の進歩、人と機械の役割変わる」から

センサーとセンシング・インテリジェンスが開く機械の世界

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、これまでの人と機械の立場が、センサー技術とセンシング・インテリジェンスによって逆になる可能性を示している。

○センサー技術の発展

センサーは自然や人工物の情報を人や機械に提供する。近年機械の自動化が進むと、センサー技術を人だけでなく機械が扱うことも多くなってきた。そうなると、センサー技術で検出する対象に人も含めるようになり、その情報を自動機械が利用することになってきている。つまり、自動機械の方で人の行動が読み取れることになる。

今までは、人が機械をコントロールすることで自動化機械を操作してきた。車の運転がそうである。人の方が機械の構造や動作を理解し、操作することであった。この場合機械の都合に合わせて人が操作を行うわけである。

センサー技術の発達で人の行動や合図を検出することが出来るようになり、人の希望や意図を読み取って動作することになる。機械が人に合わせてくれるようになった。

○センシング・インテリジェンス

人の合図や意図を情報として洞察する機械側の知能(センシング・インテリジェンス)が進歩する。この知能は更に進化して、人だけでなく、その周りの環境や機械自身の状況も考慮して判断するようになった。結果、人の未熟さを補い支援する機械が実現されてくる。自動車の自動姿勢安定システムなどがこれにあたる。さらに衝突回避支援システムは、前方の車や人にいる事故回避を行い、居眠りやよそ見をセンサーで検出すれば性能は大幅に向上することになる。

今話題になっている自動運転システムは日米欧のメーカーがこぞって研究開発を行っており、人が自動運転システムがきちんと動作しているかを確認するだけの究極のシステムになろうとしている。

ただ、最後の事故に対する責任は機械ではなく、人である。立場が変わっても責任はやはり人である。rvcarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:リサイクル推進、忘れてはならないこと」から

2013. 10.30  日経産業新聞の記事「眼光紙背:リサイクル推進、忘れてはならないこと」から

コストと再利用の用途開発を長期的視点で

コラムの著者は、小型家電リサイクル法の施行から半年たった今、古紙回収のときの失策を繰り返さないように2つのポイントについて触れている。

○再生資源の市場動向と用途開発

21世紀に入って銅やレアアースなど金属資源の国際価格が軒並み高騰した事態に国が対応した結果、自治体の不燃ごみ回収から資源ごみ回収への努力、小型家電を回収できる認定事業者の増加もあって、やや落ち着いた状況であるという。

資源輸入国である日本はリサイクル推進が前提である。しかし、1980年代の古紙回収の苦い体験がある。つまり、古紙の分別回収を自治体が推進し、反って古紙価格が下落し、回収業者の仕事を奪った。経団連もこの事態を考慮してか、小型家電リサイクル法を意識して、メーカーなどに過剰な負担をかけないように提言という形で言及している。

さらに、短期的ではなく長期的な視点で取り組まないと、資源の値段が下がるとリサイクルに対する意識が落ちる。そのしっぺ返しがその後に必ず起きているからである。今は資源価格が落ち着いていることから、再利用の用途開発を進めなければならない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:キッコーマンの鍋つゆ」から

2013.10.31  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:キッコーマンの鍋つゆ」から

家族や友人とで鍋を囲む際のニーズを深堀り

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、キッコーマンが8月に発売した「味チェンジ鍋つゆ」のマーケティング戦略である。

○新市場開拓の前に消費者のニーズの深堀を優先

同製品は、1回に2種類の味が楽しめるという鍋つゆである。種類は「ちゃんこ・白湯」、「鶏がら塩・坦々」の2つ。メインのスープが400グラムと味を変えるためのスープが50グラム入っている。

既に同社によると販売計画の1.5倍のペースで売れているという。

高岡教授によると、キッコーマンの商品開発にあじがあった?ようだ。同社のプロダクト・マネージャー室の山本裕哉氏によると、

『味種だけでのバリエーションで新市場を開拓するのではなく、消費者のニーズを深く掘り下げることに重点を置いた』

という。開発チームがアイデアを出して、チーム以外の社員にアンケートを取り、消費者へのインタビューも実施した。入念な調査で、残った要素は、味そのもののニーズではなく、「途中で味を変えたい」という食べ方に関するニーズであったという。この気付きがさらに、テストで、鍋の味を変える際に家族や友人たちの間にコミュニケーションが生まれ、新たな口コミが生まれたという。

『固定観念にとらわれなければ、市場に出ていない新しい商品は開発できる』

と山本氏は語る。徹底したニーズの調査の陰に商品の開発のネタがありそうだ。happy01beer


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:日常生活切り取る雑誌、知識や知恵、皆で共有」から

2013.10.30   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:日常生活切り取る雑誌、知識や知恵、皆で共有」から

小さな知識や知恵の共有の重視

コラムの著者 柏木博氏(デザイン評論家)が11月にも公開される映画「スティーブ・ジョブズ」の主人公の同氏がアイデアや思考の源泉とした雑誌について触れ、巨大な技術よりは小さな技術を重視した点を取り上げている。

○アップルの製品デザイン
 ジョブス氏は、iPadに至るまで、ドイツのディーター・ラムスによる洗練されたモダンデザインを参考にしたと公表しているという。このあたりが同氏の美意識のようだ。
さらに雑誌からも影響を受けている。1968年サンフランシスコでスチュアート・ブランドを中心に編集創刊した『The Whole Earth Catalog』で、同氏の死後注目を浴びているという。
この雑誌?は、自然、住まい、生産、手仕事、コミュニティー、教育といった日常生活に目を向け、その知識と知恵を共有しようとしている。巨大技術よりは自前の小さな技術。自立しつつ共同するエコシステムをもつ地域性重視である。
メインフレームではなく、パーソナルコンピューターを自立するための道具として作り出そうというのがジョブズ氏の構想だったかもしれない。happy01