【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:キッコーマンの鍋つゆ」から
2013/11/02
2013.10.31 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:キッコーマンの鍋つゆ」から
家族や友人とで鍋を囲む際のニーズを深堀り
コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、キッコーマンが8月に発売した「味チェンジ鍋つゆ」のマーケティング戦略である。
○新市場開拓の前に消費者のニーズの深堀を優先
同製品は、1回に2種類の味が楽しめるという鍋つゆである。種類は「ちゃんこ・白湯」、「鶏がら塩・坦々」の2つ。メインのスープが400グラムと味を変えるためのスープが50グラム入っている。
既に同社によると販売計画の1.5倍のペースで売れているという。
高岡教授によると、キッコーマンの商品開発にあじがあった?ようだ。同社のプロダクト・マネージャー室の山本裕哉氏によると、
『味種だけでのバリエーションで新市場を開拓するのではなく、消費者のニーズを深く掘り下げることに重点を置いた』
という。開発チームがアイデアを出して、チーム以外の社員にアンケートを取り、消費者へのインタビューも実施した。入念な調査で、残った要素は、味そのもののニーズではなく、「途中で味を変えたい」という食べ方に関するニーズであったという。この気付きがさらに、テストで、鍋の味を変える際に家族や友人たちの間にコミュニケーションが生まれ、新たな口コミが生まれたという。
『固定観念にとらわれなければ、市場に出ていない新しい商品は開発できる』
と山本氏は語る。徹底したニーズの調査の陰に商品の開発のネタがありそうだ。
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