Previous month:
2013年10 月
Next month:
2013年12 月

2013年11 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:朝食の名店、続々上陸」から

2013.11.6   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:朝食の名店、続々上陸」から

夜の美食に飽きた日本人が世界の朝の朝食で幸福に?

コラムの著者 川崎由香利氏(ジャーナリスト)が少し皮肉をこめて、このところ出店が話題になっている海外の朝食有名店に対して考察している。

○出店相次ぐ朝食有名店

流行の発端はパンケーキ。「雲のように」ふわっとした卵料理やボリュームのあるハワイアンパンケーキが流行っているという。

  • クリントン・ストリート・ベイキング:ニューヨーク
  • シナモンズ:ハワイ
  • エッグスンシングス:元コーヒーチェーン店の社長が仕掛けた

などが東京・表参道に出店。単価的には、サラダや飲み物を含めると、3000円以上かかるという。ホテルの朝食並みであるが、人気店の共通性は、厨房と客席が分かれたホテルとは違い、厨房の臨場感が伝わるようなカジュアルな開放感が演出されているという。日本に居ながら、海外のコミュニティーでくつろぐような、ローカルな幸福感を味わえるというのが良いらしい。

○宿泊施設「日光イン」(栃木県日光市)の新規事業に

海外顧客に人気の日光インは古い日本建築の宿で、数年前から宿泊客や各国の大使館にアンケート調査を行い、細かな情報を集めてきた。このデータベースを基に、世界の朝食文化を発信する挑戦を始めた。同社が5月に東京・渋谷に開業した「ワールド・ブレックファスト・オールデイ」である。

期間ごとに国を決めて伝統的な朝食を出す。現地の食材をそのまま使い、内装も現地を再現するといった凝りようだ。これまでヨルダン、メキシコ、ベトナム、今月はフィンランドをテーマにしている。オープンキッチンで、14人がけの長テーブルに相席で座るスタイルで外国風だという。

夕食に飽食となった日本人は今度朝食に目を向けたのかもしれない。restauranthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パテントNOW:知財保護、正しい普及も役割」から

 2013.11.5   日経産業新聞の記事「パテントNOW:知財保護、正しい普及も役割」から

防御だけが特許の戦略ではない

コラムの著者 大鐘恒憲氏(国際特許事業化アドバイザー)は、防御だけでなく、一歩出て先陣を切る特許戦略について語っている。

○福祉機器ベンチャーJUNRIKI(長野県・中村正善社長)の取り組み

同社の製品、「けん引式車椅子補助装置」は、車椅子を人力車のように引っ張り、高齢者や障害者の移動を助けるものである。脱着式で車椅子前部のパイプを取り除けば、車椅子の小さな前輪が浮き上がり、軽い力で推進力が得られる。一見、リヤカーにも人力車にも見える形であるが、なぜか車椅子には無かったのである。東日本大震災後、社長の中村氏が思いついたもので、単純な発想だけに模造品や類似品が出ることを恐れ、知財の保護を考えたという。

  • 実用新案:全体像を登録。
  • 意匠登録:デザインの登録
  • 特許:引き手の取付方法などの詳細な発明
  • 国際特許:特許協力条約(PCT)による複数国の特許

を一気に出願した。実用新案は登録第3175832号『車椅子移動支援具』がそうである。

中堅企業やベンチャーでは大資本や低コストで生産可能な国々に一気に脅かされる危険がある。今回のJINRIKIも、中村社長の「安全でしっかりした製品を創って普及させたい」の信念から、一歩出るためにも知財保護の戦略を採った。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「サーチライト:電子書籍は製紙の敵?」から

 2013.11.5   日経産業新聞の記事「サーチライト:電子書籍は製紙の敵?」から

紙の書籍と電子書籍の微妙な関係

コラムの著者 林英樹氏は、製紙業界が白黒と電子書籍を判断しえない事情について語っている。

○日本製紙連合会の意見書

 製紙各社で作る日本製紙連合会が文化審議会に10月提出した意見書は、

『電子書籍の出版権は独立させるのではなく、紙の出版権に包含するのが望ましい』

という、紙を主体にしたビジネスモデルを保持したいとの意見であったという。

 しかし、電子書籍と紙の書籍はトレードオフの関係だという。確かに製紙と言う主力事業からみれば、当然の主張に思えるが、電子書籍を完全なる敵といった二律背反で判断できる状況にもないというのが事実である。多くの製紙会社が電子書籍の端末絡みでの材料を提供しているからだ。

○電子書籍の情報端末に関わる事業

 王子ホールディングスが2013年4月~9月の連結決算を11月1日に発表した。主力の印刷情報メディア事業と生活産業資材事業の売上高は、前年同期を下回った。一方、機能材事業は12.9%の増収増益を記録。電子書籍端末のタッチパネル用粘着剤の売上増が要因であった。

 他の製紙会社でも同様であるという。日本製紙も情報端末向け機能性フィルム、巴川製紙所ではフィルムが主力である。さらに、情報端末の出荷量が増えると、パッケージなどの梱包材を手掛ける製紙会社が潤うことになる。

 さらに、漫画本とは違って文芸書では紙の使用量が百分の一と小さいという。漫画のような雑誌事態を電子書籍化するならおおごとであるが、文芸書では影響が小さい。ことを荒立てることはないというのが業界の本音らしい。bookphonetohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ものづくり支える工学部、実学主義の復権を」から

 2013.11.5   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ものづくり支える工学部、実学主義の復権を」から

ICTの中核、未だ工学教育が基本

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は、工学教育がものづくり日本の古今を支え続けてきた事実を顧みて、苦境に立つ工学部の在り方について語っている。

○苦境に立つ工学部

日本のモノづくりを支えてきた工学部。その工学部が苦境に立っていると志村氏は語る:

  • 産業構造の変化
  • 国内産業の低迷
  • 学部の縦割り主義の弊害

などが複合的に要因となって工学部離れが起こっているという。

日本の大学で工学教育を行ったのは、東大工学部の前身である工部大学校が起源と言われる。その後工学教育が国家の手によって行われ、工業の振興と人材育成に大きな寄与があった。当時は、殖産興業のバックボーンとして新規の学部として華々しいものがあったという。さらに、実学主義をとり続け、日本の近代化、とりわけ科学技術先進国への道を歩む基盤的な役割を担ってきた。

○多くの実学の成果

東北大学では実学主義のお手本のような校風で、「八木アンテナ」の発明で知られる八木秀次氏の努力で「電気通信の東北大」と謳われた。その後、磁性材料KS鋼の発明者本多光太郎氏など輩出し、今年度の文化勲章と文化功労賞を受賞した、岩崎俊一氏(垂直磁気記録方式)、舛岡富士雄氏(半導体フラッシュメモリー)と情報記録媒体の大容量化と低コストを達成している中核的なICTである。

東北大学の功績に見られるように、現代のイノベーションは、科学が技術化し市場化することで成果が生まれる。言い換えれば実学を重んじることで、社会的な貢献が極めて大きいことを示す。工学部の実学による振興を図らねばならない時期である。happy01sweat01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:強まる消費の子供志向」から

2013.11.1  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:強まる消費の子供志向」から

親子で消費共有

コラムの著者 関沢 英彦氏(博報堂生活総合研究所エグゼクティブフェロー・東京経済大学教授)は、同氏の所属する博報堂生活総合研究所の『家族調査』の分析から、東日本大震災後の家族意識の変化が表れていることを示している。

○親子関係の見直しの風潮

映画「そして父になる」がヒット。2つの家族の子どもが出生時に取り違えられ、そこで親子関係を問い直すと言った主題の映画だという。ヒットの要因は家族像の変化にあると関沢氏はみている。

『家族調査』(2013年5から6月、首都圏の妻が20から59歳の1千世帯を対象に実施)から

  • 家族は子供中心:74.5%(1988年調査より+16.4%)
  • 家族は夫婦中心:18.7%(同上調査より-10.9%)

と子ども中心であり、

  • 親の生活費よりも子どもの教育費にお金をかける方が良い:44.5%(1988年調査では29.4%)

で増加。関沢氏はその原因として、経済が低迷する中で子どもに教育をつけて「競争力」を高めたいとの親の思いとみている。東日本大地震で更にこの思いは、「子どもを守る」という気持ちに変わったという。

  • 大震災後家族に対する考え方や行動が変化した(男性:21.6%、女性:40.8%)

と母親が特に変化しており、親子関係が密接になった感があるという。

○親子共有などのマーケット

NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で1980年代のヒット曲を親子、家族で楽しむ傾向が強まったという。また、母娘でアクセサリー、ファッションなどの「共有消費」なども増え、旅行も「母娘旅行」の企画も堅調だ。

さて、この世代間市場は今後どう発展するだろうか?happy01