【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ものづくり支える工学部、実学主義の復権を」から
2013/11/07
2013.11.5 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ものづくり支える工学部、実学主義の復権を」から
ICTの中核、未だ工学教育が基本
コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は、工学教育がものづくり日本の古今を支え続けてきた事実を顧みて、苦境に立つ工学部の在り方について語っている。
○苦境に立つ工学部
日本のモノづくりを支えてきた工学部。その工学部が苦境に立っていると志村氏は語る:
- 産業構造の変化
- 国内産業の低迷
- 学部の縦割り主義の弊害
などが複合的に要因となって工学部離れが起こっているという。
日本の大学で工学教育を行ったのは、東大工学部の前身である工部大学校が起源と言われる。その後工学教育が国家の手によって行われ、工業の振興と人材育成に大きな寄与があった。当時は、殖産興業のバックボーンとして新規の学部として華々しいものがあったという。さらに、実学主義をとり続け、日本の近代化、とりわけ科学技術先進国への道を歩む基盤的な役割を担ってきた。
○多くの実学の成果
東北大学では実学主義のお手本のような校風で、「八木アンテナ」の発明で知られる八木秀次氏の努力で「電気通信の東北大」と謳われた。その後、磁性材料KS鋼の発明者本多光太郎氏など輩出し、今年度の文化勲章と文化功労賞を受賞した、岩崎俊一氏(垂直磁気記録方式)、舛岡富士雄氏(半導体フラッシュメモリー)と情報記録媒体の大容量化と低コストを達成している中核的なICTである。
東北大学の功績に見られるように、現代のイノベーションは、科学が技術化し市場化することで成果が生まれる。言い換えれば実学を重んじることで、社会的な貢献が極めて大きいことを示す。工学部の実学による振興を図らねばならない時期である。
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