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 2013.11.5   日経産業新聞の記事「パテントNOW:知財保護、正しい普及も役割」から

防御だけが特許の戦略ではない

コラムの著者 大鐘恒憲氏(国際特許事業化アドバイザー)は、防御だけでなく、一歩出て先陣を切る特許戦略について語っている。

○福祉機器ベンチャーJUNRIKI(長野県・中村正善社長)の取り組み

同社の製品、「けん引式車椅子補助装置」は、車椅子を人力車のように引っ張り、高齢者や障害者の移動を助けるものである。脱着式で車椅子前部のパイプを取り除けば、車椅子の小さな前輪が浮き上がり、軽い力で推進力が得られる。一見、リヤカーにも人力車にも見える形であるが、なぜか車椅子には無かったのである。東日本大震災後、社長の中村氏が思いついたもので、単純な発想だけに模造品や類似品が出ることを恐れ、知財の保護を考えたという。

  • 実用新案:全体像を登録。
  • 意匠登録:デザインの登録
  • 特許:引き手の取付方法などの詳細な発明
  • 国際特許:特許協力条約(PCT)による複数国の特許

を一気に出願した。実用新案は登録第3175832号『車椅子移動支援具』がそうである。

中堅企業やベンチャーでは大資本や低コストで生産可能な国々に一気に脅かされる危険がある。今回のJINRIKIも、中村社長の「安全でしっかりした製品を創って普及させたい」の信念から、一歩出るためにも知財保護の戦略を採った。happy01

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