【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「サーチライト:電子書籍は製紙の敵?」から
2013/11/08
2013.11.5 日経産業新聞の記事「サーチライト:電子書籍は製紙の敵?」から
紙の書籍と電子書籍の微妙な関係
コラムの著者 林英樹氏は、製紙業界が白黒と電子書籍を判断しえない事情について語っている。
○日本製紙連合会の意見書
製紙各社で作る日本製紙連合会が文化審議会に10月提出した意見書は、
『電子書籍の出版権は独立させるのではなく、紙の出版権に包含するのが望ましい』
という、紙を主体にしたビジネスモデルを保持したいとの意見であったという。
しかし、電子書籍と紙の書籍はトレードオフの関係だという。確かに製紙と言う主力事業からみれば、当然の主張に思えるが、電子書籍を完全なる敵といった二律背反で判断できる状況にもないというのが事実である。多くの製紙会社が電子書籍の端末絡みでの材料を提供しているからだ。
○電子書籍の情報端末に関わる事業
王子ホールディングスが2013年4月~9月の連結決算を11月1日に発表した。主力の印刷情報メディア事業と生活産業資材事業の売上高は、前年同期を下回った。一方、機能材事業は12.9%の増収増益を記録。電子書籍端末のタッチパネル用粘着剤の売上増が要因であった。
他の製紙会社でも同様であるという。日本製紙も情報端末向け機能性フィルム、巴川製紙所ではフィルムが主力である。さらに、情報端末の出荷量が増えると、パッケージなどの梱包材を手掛ける製紙会社が潤うことになる。
さらに、漫画本とは違って文芸書では紙の使用量が百分の一と小さいという。漫画のような雑誌事態を電子書籍化するならおおごとであるが、文芸書では影響が小さい。ことを荒立てることはないというのが業界の本音らしい。
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