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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:三ツ星シェフ匠の技」から

2013.2.14  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:三ツ星シェフ匠の技」から

一過性のものでない本物の共同開発がブランドを生む

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)が、サッポロビールが3つ星シェフ ジョエル・ロブション氏と共同開発したビールや同じく3つ星シェフのミシェル・ブラス氏が貝印と共同開発した包丁などがブランドとして力を持っている理由について語っている。

○共同開発のビール「薫り華やぐエビス」

フランス料理の巨匠ジョエル・ロブション氏は三浦教授によると幾つかのリスクテイキングを行っているという。

  • 「フランス料理にはワイン」に挑戦:ビールの製造で麦芽にこだわり、一部フランス・シャンパーニュ地方産を使い、香味豊かなホップと共に、飲んだ瞬間に口中に華やかな香りが広がり、フランス料理にも合うようにしたという。
  • えびす様という和のイメージが強い製品×フランス料理の巨匠でできる世界観を消費者に提示。

○高品質の包丁を共同開発したミシェル・ブラス氏

ミシェル・ブラス氏は、貝印の技術力と歴史に共感したことが共同開発の起因だという。関孫六ブランドなど高品質包丁を提供する貝印とは、創業の地である岐阜県関市の野鍛冶の伝統に感銘を受け、ミシェル・ブラス氏の本拠であるライヨルもソムリエナイフなど有名な刃物の世界的産地である歴史が重なった為であろう。こうして珠玉の包丁シリーズが出来、世界の高級店舗で使われることになった。

1年に十数人しか選出されない三ツ星シェフは大きなブランド力を持つ。ただし、単なる広告や販促だけでなく、商品づくりにまでその意気を盛り込んだものは一過性ではない。何年もかけて現在の製品に磨けかけた賜物であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑥:情報を収集し未来予測」から

2013.2.13   日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑥:情報を収集し未来予測」から

個別の事象そのものではなく、構造の変化を読み取ること

コラムの著者 細谷功氏(クニエ・コンサルティングフェロー)は、情報収集の活用の目的である「未来予測」について、そのポイントについて語っている。

○未来予測に必要な「読み」

細谷氏は、コラムの中で、未来予測を行う上で重要なことは、現在起こっている様々な事象そのものを捉えるのではなく、事象間の「関係性」である構造に着目することだと示唆している。

構造の代表としてトレンドがある。いわゆる時系列の変化で、例えば、特定の会社の売上を現時点だけを見ていたのでは未来予測し辛いが、過去の売上推移など時系列にみると、上昇傾向にあるとか、変動が激しい等といった次の打ち手のヒントが得られるという。

○構造変化の例:「小分け」

細谷氏は更に構造変化の例として、「小分け」を上げている。これまでの大量生産・大量消費の時代から、個別に少量消費への変化に対して「小分け」がキーになっているという。例えば、

  • 音楽:レコードやCDといったまとまった形で何曲かを売っていたことが、ICTによって、1曲ずつ販売することが主流になってきた
  • 航空機や映画館、スポーツイベントの座席予約:多くがクラス別で販売されていたが、顧客自身がネットなどで「この席」と指定して購入できる

などがある。これまでが提供者論理でコストや手間を減らすために、まとめて商品やサービスを行ってきた流れが、顧客のもともとのニーズである個別に対応するこ流れに変わったことが「小分け」となってきた要因であろう。小分けを実現するICTの発展も見逃せず、この構造変化「小分け」は、生活シーンにまで浸透している。例えば、隙間時間を使ってメールやソーシャルメディアのチェックを行っている。こういった働き方そのものが、フルタイムの雇用形態から、複数の仕事を「小分け」するワークスタイルが今後職種によって可能となると「未来予測」できる。

○その他の構造変化

細谷氏は、「小分け」の他に、

  • 「中抜き」
  • 「境界の曖昧化」:会社と個人、素人と専門家など
  • 「シェア」:他人と分かち合う

などがあるという。日常の観測や情報収集から、構造の変化に目を付けると、未来予測のヒントとなると細谷氏は指摘する。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:デザインの海外評価、日本製の潜在力示す」から

2013.2.6   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:デザインの海外評価、日本製の潜在力示す」から

米著作からみる日本の産業や経済の潜在力

コラムの著者 柏木博氏(デザイン評論家)が語るのは、デザインから見た産業や経済の潜在的な力を日本に対して読み取ろうとしている。

○デザインとその国の特性の関係

柏木氏がいうには、デザインはその国の特性を表わすのだという。海外の都市を訪れたとき、その都市の特性を自然環境と共にデザインから読み取ろうとするという。意識的であれ、無意識的であれ建築や家具、衣服そして食器や家電商品などの日用品を眺めることだという。我々は、デザインからその地域の文化的特性と共に、産業や経済の潜在的な力を読もうとする。

○日本の製品デザインの現状は

昨年末、米国のナオミ・ポロック氏が「Mode In Japan 100 new products」を刊行した。こうした著作ができること自身、柏木氏は、日本の製品デザインが海外から注目されている証拠だという。つまり、日本の産業や経済の潜在力はあると判断して良いという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:『ながら視聴』ネットにシフト」から

2013.2.8  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:『ながら視聴』ネットにシフト」から

ポスト地デジは?

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)が,『テレビを見ながら』使うメディアの調査から今後のテレビ側のコンテンツについて述べている

○『ながら』視聴の相手も変化する

奥氏の示すデータをみると、4年ごとの『テレビ視聴時間における他メディアとの『ながら視聴』述べ時間比率』(ビデオリサーチ社のMCRデータをもとに電通が集計)では、めメディア:新聞・雑誌・ラジオからネットへ

  • メディア:新聞・雑誌・ラジオからネットへ
  • ネットワークへのアクセス機器:パソコンから携帯電話、スマートフォンへ
  • 併存するサービス:検索サイト、電子メール、交流サイト(SNS)

にシフトしている事実がある. テレビとインターネット機器とのシームレス(継ぎ目のない)連係はこれまで多くの試みがあったが、技術的には現実になっている.

テレビとの双方向性が広告や番組開発に土台を与える変化が起きているという.ここにきて、ポスト地デジの位置付けとなってきている.happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:セブンカフェ」から

2013.2.7  日経産業新聞の記事「「高岡美佳の目:セブンカフェ」から

コーヒーチェーンに対抗するコンビニの雄

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、店舗数が圧倒的にコーヒーチェーンを上回るコンビニが仕掛けるコーヒー戦争について語る。

【セブンーイレブンの参入】

セブンーイレブン・ジャパンが富士電機と共同開発してまで本格的なドリップ式コーヒーメーカーを設置し、セルフで売る「セブンカフェ」。その狙いは?

すでに先行販売を約1千店舗に行った調査から、コーヒーと一緒に甘い菓子とサンドイッチを買う傾向にあることを掴んだ。すでにセルフ方式のコーヒーサービスを行っているコンビニと差別化するため、全店導入を今年1月に決定し、顧客に「コンビニには当然コーヒーがある」という意識を拡げることが目的。それに伴って、おいしさにこだわり、同時購入商品の拡大も狙う。

課題は、都心のオフィス街にあるコンビニでは、1日当たり1店舗3千~4千人に達する事例があるが、郊外では、7百~8百人といった店舗も多い。設備の損益分岐を下げると同時に、同時購入品の頻度を上げることが目的のようだ。

ドトール、スターバックスなどコーヒーチェーンとの真っ向勝負が始まった。happy01