【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:三ツ星シェフ匠の技」から
2013/02/18
2013.2.14 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:三ツ星シェフ匠の技」から
一過性のものでない本物の共同開発がブランドを生む
コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)が、サッポロビールが3つ星シェフ ジョエル・ロブション氏と共同開発したビールや同じく3つ星シェフのミシェル・ブラス氏が貝印と共同開発した包丁などがブランドとして力を持っている理由について語っている。
○共同開発のビール「薫り華やぐエビス」
フランス料理の巨匠ジョエル・ロブション氏は三浦教授によると幾つかのリスクテイキングを行っているという。
- 「フランス料理にはワイン」に挑戦:ビールの製造で麦芽にこだわり、一部フランス・シャンパーニュ地方産を使い、香味豊かなホップと共に、飲んだ瞬間に口中に華やかな香りが広がり、フランス料理にも合うようにしたという。
- えびす様という和のイメージが強い製品×フランス料理の巨匠でできる世界観を消費者に提示。
○高品質の包丁を共同開発したミシェル・ブラス氏
ミシェル・ブラス氏は、貝印の技術力と歴史に共感したことが共同開発の起因だという。関孫六ブランドなど高品質包丁を提供する貝印とは、創業の地である岐阜県関市の野鍛冶の伝統に感銘を受け、ミシェル・ブラス氏の本拠であるライヨルもソムリエナイフなど有名な刃物の世界的産地である歴史が重なった為であろう。こうして珠玉の包丁シリーズが出来、世界の高級店舗で使われることになった。
1年に十数人しか選出されない三ツ星シェフは大きなブランド力を持つ。ただし、単なる広告や販促だけでなく、商品づくりにまでその意気を盛り込んだものは一過性ではない。何年もかけて現在の製品に磨けかけた賜物であろう。
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