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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:車、ニッポン復活けん引なるか」から

2013.1.8   日経産業新聞の記事「眼光紙背:車、ニッポン復活けん引なるか」から

電機業界の二の轍を踏まない

コラムの筆者が取り上げているのは、自動車業界に日本の経済再興をかけることについて解説している。

○強い日本経済の再生には自動車業界がリード役

リード役となる理由は、自動車産業が裾野が広く経済波及効果が最も大きいからである。一方、もう一方のリード役であった電機業界は、

  • 製品性能における差別化が出来なくなり、安売り競争に走ったこと
  • 生産設備や生産ノウハウのブラックボックス化が行えなかった

といった敗因があるという。自動車業界はどうか。コラムの著者によると、自動車業界は、

  • 燃費性能が優れるHVや新型エンジンなどの実用化で他国以上のレベルにある
  • 新技術(自動ブレーキなど)で安全性能でも先行している
  • リーマンショック後に独自の開発革命による原価低減を実現した
  • また、上記に連動した生産革新の成果が今後の新車に生かされる
  • 円安転換も追い風にある

という。ただ、生産ノウハウのブラックボックス化や優れた性能の車を高価格で売る販売力の強化が、成功するかのカギであるとも指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考①:大量の情報を絞り込むには、まず仮説でアンテナを」から

2013.1.9   日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考①:大量の情報を絞り込むには、まず仮説でアンテナをから

仮説なき情報収集は反って情報貧乏に

コラムの著者 細谷功氏(コンサルティング会社クニエ、コンサルティングフェロー)が語るのは、ネット時代の情報収集の秘訣である。

○インターネットによって変わった情報収集の位置付け
 細谷氏によると、これまでの情報収集の差別化ポイントは、どんな情報を持っているか、あるいは見つけられるか、であったという。ところが、インターネットの普及により、ほとんどの情報を誰もが簡単にアクセスできることから、情報そのものの希少性はなくなってしまったという。
 今は大量にある情報から選別し、整理・認識するかで差がつくという。つまり、単なる情報処理能力ではなく、人間を必要とする考える力が必要だ。
○必要な情報を絞り込むには常に仮説をもって考える
 細谷氏が示唆するのは、大量の情報から必要な情報を効率的に絞り込むには、常に仮説をもつことであるという。
・事例 未知のA国でのスマートフォン向けのアプリの潜在市場規模を探索する
 <方法①:これまでの方法>
 「A国 スマホ 市場」などのキーワード検索をはじめ、出てきた情報に関連する情報を次々と辿っていく方法である。これでは、時間がかかる割に有効な情報に辿り着くまで至らないことが多い。
 <方法②:細谷氏が推奨する方法>
 期待する売上を算定する仮説を立てる:
(A国の人口)×(スマホ保有率)×(アプリを使う人の割合)×(利用頻度)×(アプリの単価)=(期待売上高)
 ここで、日本の経験や類似国の知識を加味して、A国では、この程度の購買力をもったユーザーがアプリを使い、結果としてこれくらいの売上が期待できるという、ストーリーを作ってみる。こうすることで、必要なのに調査しなければ分からない情報が出てくる。結果として、収集しなければいけない情報の方向性が明確になるというわけである。ちょっとした情報をつなげて全体を眺めてみると、これまでに気付いていなかった背景が浮かび上がってくる。
○情報不足は本来の目的を見定めて見直しを
 情報を多く収集することを目的にしてしまって、本来の情報を用いて何らかの意思決定を行うという目的を忘れていはならないと細谷氏は注意している。
手持ちの情報だけで仮の結論を出すことも仮説検証の訓練になり、情報収集の質と量も格段に向上するという。happy01

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:エジソン精神、現代にも通じる先見性」から

2013.1.9   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:エジソン精神、現代にも通じる先見性」から

エジソンの偉大さには後身を育てたこともある

コラムの著者 志村幸雄(技術評論家)氏は、発明王トーマス・エジソンが幾多の発明者とは別格であり、現代の知見者も称賛とあこがれを持っているという。

○エジソンの発明の定義
 エジソンは発明を「それが人類にとって本当に必要なものか判断する能力である」と言っている。そして、一旦自分が狙いを定めた目標は結果が出るまで絶対にあきらめないことを決めていたという。このエジソン精神を信奉する知見者も多い。
 志村氏は、日本発のスーパークロックの考案者 香取秀俊氏(東京大学教授)もエジソン精神の信奉者であり、100億年の時間を刻んでも1秒も狂わない精度の精密な光格子時計を考案した。
○製造業に息づくエジソン精神
 志村氏はさらに元シャープ副社長で「電卓の父」と言われた佐々木正氏のことばにもエジソン精神が見られるという。つまり、「エジソン精神の継承が重要である」と佐々木氏は語り、白熱電球、蓄音機、映画の発明ストーリーを現代の開発研究者に話して聞かせ「何としても成功させるといった気概が乏しく、ただ新しいものを作れば買ってくれると思い込んでいる」ことに警鐘を鳴らしたという。
 佐々木氏は、「エジソンは米国内だけでなく、各国の優秀な人財を集め、世の中に存在しなかったものを次々に創りだした。このエジソンの先見性に学ぶべきだ」と指摘したという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:経営学、知の最前線」から

2013.1.7   日経産業新聞の記事「眼光紙背:経営学、知の最前線」から

2012年の推薦3著

コラムの筆者が取り上げているのは、2012年の100冊くらいに目を通した中で2012年特筆すべき著書を上げている。何れも経営学に関連する名著であるという:

さて、昔ながらの経営学を脱皮し、最先端の理論や実体験に触れるのも今年の課題であろう。happy01

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:若手の育成法、好奇心に火を付ける」から

2013.1.4   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:若手の育成法、好奇心に火を付ける」から

男子学生の心が弱くなった?!

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は若手研究者の育て方が昔からの厳しい指導で這い上がって鍛える方法だけでなく、好奇心に火をつけ大きな仕事のパートナーを育てる方法も検討しないといけないという。

○変わる若者像

これまでの大学院博士課程や科学系研究所での若手研究者の指導法は、

  • ほとんど面倒を見ないで放置するやり方:優れた学生は自分の発想があって自分で未来を切り開く。必要なら師匠から技術や手法を取り入れる。指導する教官や上司は、悔しかったら這い上がってこいといった態度で接する。
  • 指導者が若手に自分が得意とする、あるいは今後発展しそうな魅力的な分野について、誘導し語りかけるやり方:文献の調査方法を教え、基本的な実験や理論計算の手ほどきをし、面白さが分かるように仕向ける。

といったアプローチである。

最近の若手研究者に限らず、特に男子学生だが、心が弱くなっており、自分の思いも伝えられないケースも増えているという。そうなると、前者のスパルタ式は難しい。学生の気質ではなく、研究者の絶対数が昔より格段と増え、スパルタ式は耐えられる人が少なくなったと見た方が良いと新田氏は語る。

どちらの方法にしても優れた研究者を育てていき後継者を作ることは日本の使命である。happy01