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2012年12 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術②:岡崎嘉平氏(全日空)稲山嘉寛氏(新日鉄)の巻」から

2012.11.29  日経産業新聞の記事「名経営者に学ぶ仕事術②:岡崎嘉平氏(全日空)稲山嘉寛氏(新日鉄)の巻」から

人間関係で信頼を得るには「誠実」と「配慮」が重要

コラムの著者 吉田勝昭氏(日本ケミファ元専務)は、全日空社長を務められた岡崎氏と、八幡製鉄と富士製鉄を再合併した元新日鉄社長稲山氏の「私の履歴書」からエ人間関係について重要なピソードを紹介している。

【人間関係をよくする一作法―岡崎氏ー】

  • 「人から手紙なり、はがきなりを受け取ったら、必ず返事を書け」

 相手はこちらから何か行ってくるのを待っている。待たせることは相手にとって失礼であり、うっかり、受け取ったことを忘れたら、相手は感じを悪くして、自分を信用しなくなる。立派に書こうとか、ていねいに書こうとか思って長く置くと、忘れる可能性が高い。ハガキでも良いので時間をおかないで返事は出しなさい、と岡崎氏は郷里の先輩や先生、関係企業に言われたという。岡崎氏は真摯に受け止めて誠実に実行した。後々、多くの人とのいい関係が出来たと述懐している。

【人間関係をよくする一作法―稲山氏ー】

  • 面談順位の心構え:人に面会する時は、
    • 地方の人を先にし、地元の人は後にしろ
    • ことわる人には急いで会え、引き受ける人は待たせてもよい
  • 取引:長い取引に関係にある場合は相手方に利益を与えなければいけない。損をさせればやがて自分にかえってくる
岡崎氏も稲山氏にしても、良き忠告や助言を受け、それを愚直に実践し成功している。happy01

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:マーケティングへの期待」から

2012.11.29  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:マーケティングへの期待」から

コスト低減ではなくパフォーマンス向上で「高くても買いたい」提案に

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、研究者と実務家の協働を目指して設立された「日本マーケティング学会(石井淳藏会長)」の第1回設立記念大会の講演「マーケティングへの期待」(加護野忠男神戸大学名誉教授(経営学))に触れ、日本企業の戦略の転換について解説している。

○利益率の低さとコストパフォーマンス戦略が軸の今の日本企業

三浦教授が指摘するのは、講演から日本企業が利益率が低くコストパフォーマンスの高さを武器にグローバル化してきた歴史を省みると、利益率の改善と高価格ブランドの育成が不可欠で「ものを高く売る」ことを期待する点である。

経営学とマーケティングは発想が表裏一体で共に19世紀後半に生まれた学問である。企業の生産(モノ9、財務(カネ)、人事(ヒト)を如何に効率よくコストを下げて管理する「内部管理」のアプローチを取ったのが経営学である。これに対して、顧客のニーズに合わせる「外部適応」がマーケティングの基本であるという。

今までの日本のモノ作りは、同じパフォーマンスのクルマやテレビを生産管理でより低コストで作る戦略であった。つまり、内部管理の経営学の得意技であったため、利益率の低さを招き、電機などで象徴されるように大きな赤字となった。

高度経済成長期であればこの戦略は意味をもったが、成熟期には発想の転換が必要であると三浦教授は語る。コストを下げることではなく、パフォーマンス自体を高めに創造して「高くても買いたい」というモノを提案することになる。これはビジネス戦略のパラダイムシフトに他ならない。高く売るという挑戦的な課題に対して研究者と実務家のコラボが重要だと三浦教授は指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ゲーム流でビジネス改革②:顧客の参加意識高める」から

2012.11.28  日経産業新聞の記事「ゲーム流でビジネス改革②:顧客の参加意識高める」から

マーケティングへの応用

コラムの筆者 深田浩嗣氏(ゆめみ社長)が解き明かそうとしているのは、ゲーム流のマーケティング手法である。ゲームと対比していくと面白い。

○航空会社のマイレージプログラムの事例

深田氏がゲームをマーケティングで利用するポイントは、利用者の動機付けにあり、顧客のサービス利用を促したり、ブランドイメージを向上させる点にあるという。航空会社のマイレージプログラムで解説している。

  • 環境: ウェブ上で自分の保有しているマイルや履歴がいつでも見れること。⇒ゲームではマイルは経験値や点数に相当
  • 取得マイル数による会員のランク⇒ゲームではプレーヤーの成長を示す「レベル」に相当
  • ランクが上がるためのマイル数、どんなことをすればマイルが獲得できるかといった情報⇒会員に「自律的な行動が可能な環境」を与え、もっと利用しようという動機付けを与える。ゲームでいえば、自ら試行錯誤してイベントをクリアしていく構図に似ている。いつの間にかゲームの世界に引き込まれていく。
  • 一定ランク以上の会員に「優先搭乗権」「ラウンジへの入室権」といった権利を付与する⇒権利は限定性があり、特別待遇されているという優越感につながる。ゲームでいえば、入手困難な「レアアイテム」に相当する。この種の心理的な報酬も顧客の動機付けに大いに役立つという。

ここで重要なことは、航空会社は航空券を買ってもらうことであり、マイレージプログラムは遅効性だが、確実にその航空会社のファンになってもらうことである。短期的なリターンを求めず、利用者に負担をかけずに楽しんでもらうことであろう。happy01airplane


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:無人島の科学者は何をする?」から

2012.11.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:無人島の科学者は何をする?」から

研究の本質を問う思考実験

コラムの筆者の逸話は、2012年の京都賞基礎科学部門(主催:稲盛財団)を受賞した大隈良典氏(東京工業大学特任教授)の記念講演会の話題からである。

○成功談に研究者の思いあり

コラムの著者が聞いた中で、大隈教授が、これまでこつこつと研究をしてきた中で初めて成功をおさめたとき、「競争の激しい分野で研究することが苦手。人がやらないことを手掛ける」を信条として基礎研究者らしく淡々と語ったところが印象的だったという。

もし無人島に1人で住んでいたら、このような研究をするだろうか」。

これは、学生に研究者の心構えを説く中で、よく問いかける思考実験であるとのこと。研究は社会あっての営みである点を強調しながら、短視眼的な思考を避けることを意味していたという。happy01