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2012年12 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:街コン、運営支援ビジネスも登場」から

2012.12.5  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:街コン、運営支援ビジネスも登場」から

ターゲット顧客が一致する企業の参画

コラムの著者 面川真喜子氏(マーケットプランナー)が語るのは「街コン」のマーケティング戦略である。街コン運営支援会社の生まれ、面川氏はその事業の内容を説明している。

○「街コン」とは
 今年盛り上がった「街コン」とは、飲食店などが連携して男女の出会いの場を提供する飲み会である。街おこしが起源であったが、街コンをビジネスチャンスと捉えて動き出している企業もあるという。
○街コンのノウハウや運営で事業活動
 リンクバル(東京・中央)は「街コンジャパン」というポータルサイトを運営し、街コンの企画やコンサルティングを行う。同サイトは、全国で開かれる街コンの情報を掲載。現在では、ポータルサイトの閲覧件数は月500万を超え、会員登録者数は月1万5000人ペースで増えているという。街コン参加者も月2万人を超える規模となっている。同社の創業から1年足らずの売上高が月1億円を超えるようになったという。
○顧客のプロフィールが企業のスウィートスポットに
 街コンを知ってる20~39歳男女は7割に上がるが、実際の参加率は5%。街コンビジネスはまだまだ成長すると、同社のCOO大木隆太郎氏は語る。
 また、街コンを核に、他のイベント会社がひらくパーティーに送客する「プチ街コン」やショッピングモールなどを会場にした「モールコン」も開始。さらにこのフォーマットを海外にも展開すべく、「街コン協会ジャパン本部」を設立している。
 街コンの平均的な参加者の年齢は30歳。有力な消費者として企業が狙う世代でもある。街コンの集客力と情報発信力に注目する企業は増えると面川氏は語る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ゲーム流でビジネス改革③:社員の動機づけに一役」から

2012.12.5  日経産業新聞の記事「ゲーム流でビジネス改革③:社員の動機づけに一役」から

可視化で雰囲気を醸成

コラムの筆者 深田浩嗣氏(ゆめみ社長)がゲームフィケーションの応用として示すのが社内への職場環境に関連する応用である。

○マーケティングに続き社員のモチベーションアップにゲームフィケーション
 米国での調査では、深田氏によると、社員のモチベーション向上などへの活用は2011年度時点で市場全体の25%を占め、12年度には38%に増えるという。
 VBでの応用事例として、従業員への「行動規範」の浸透に活用したものを紹介している。

○社内ネットでの「バッジ」プレゼントキャンペーン
 事例のVBでは、「顧客に驚きと衝撃を」「新しいをつくる」など10カ条を行動規範として設定している。それぞれを象徴するバッジを社内ネットに準備。社員同士がバッジを贈りあう仕組みにした。社員の誰かが他の社員の行動を見てバッジに値すると感じたら、社内ネットでバッジを贈る。
 この仕組みはゲームでいう得点。さらに、得点数は他の社員からも見え、さらに贈り主も分かる仕組みで「見える化(可視化)」している。
 この仕組みで、

  • バッジをあまり贈っていない社員:周りをよく観察しているか
  • どんな行動でバッジを得ているか:行動規範を知らず知らずに体験し何が必要かも分かる
  • 役員や社長はどんな行動でバッジを贈ったか:社員全員が注目し、行動規範の浸透に役立つ
  • バッジの少ない社員:上司がサポートやフォローが必要でないかと考える契機になる

この仕組みの導入で社員同士を褒めあう文化の醸成ができ、離職率の低減が図れたという。

○米国ではモチベーション向上の仕組みを提供する企業も
 このような仕組み自体をネット経由で提供する企業も生まれている。セールスフォース・ドットコムに買収された「ワーク・ドットコム」を提供したVBだ。

 従業員」の忠誠心を高め、交流を促進し、やる気を高めるところにゲームの夢中にさせる要素を応用している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:エンジニアリング力、数学教育の見直し必要」から

2012.12.4   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:エンジニアリング力、数学教育の見直し必要」から

教育で大事な想像力の養い

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)の話は、このところのエンジニアリング力の低下と数学教育に関わる辛口な話である。前回の和田教授の話にも通じている。

○都内の鉄道の遅れ、発電所用タービンの羽根の破損の遠因は?

人身事故や悪天候などの影響以外の列車運行の遅延を省みると、線路や運転系統のメンテナンス不良や見直し、トラブルに備えた体制が不十分であるという。タービンの羽根破損で火力発電所が停止した事故もあった。新田氏によれば、エンジニアの技術力低下を象徴しているのではないかといった危惧である。

○数学教育の問題点

和田氏が勤務する四日市大学のフォーラムで、数学教育の問題点が取り上げられた:

  • 公式に当てはめて計算する訓練が主体である
  • 肝心の考える力がおろそかになっている
  • どの公式を当てはめて解くかという目利きになることがテストで高得点を得る近道になっている
  • 自分の思考力をちょっと上回る難しい問題を与えると、俄然やる気がでるという指摘もある
  • 集中して難問に挑戦すると知恵が出る。知的な興奮も覚える。

エンジニアリングの話に戻ると、数学やPCのプログラムなら試行錯誤でも良いが、それが許されない場合もある。その際に、必要なのは想像力と思考力だと和田氏は指摘する。

○エンジニアリング

エンジニアリングの神髄は、自分で課題を設定すること。さらに想定される事故や不都合を考え、想像し、解決策を考えることにあるという。事故が起こってから対策を考えたり、想定事故の条件を与えられて解決マニュアルを当てはめるようでは事故は無くならない。教育に大切なことは、時には答えがなかったり、複数あったりする問題に挑戦する際に想像力が必要である点だと和田氏は指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:政党乱立と企業経営」から

2012.11.30  日経産業新聞の記事「眼光紙背:政党乱立と企業経営」から

政党名のマーケティング

コラムの筆者が語るのは、この数週間、政党が一夜に生まれ、一夜で消え、離合集散が激しく繰り返されている中で、政党名についてである。

○政党の歴史と名称の傾向

  • 伝統的な政党では普遍的理念が党名:民主党、自由民主党、共産党
  • イメージ重視の一般名詞が党名:みんなの党、日本維新の会、日本未来の党、太陽の党
  • 方針や政策を具体的が党名:国民の生活が第一、減税日本・反TPP・脱原発を実現する党

面白いことに、3つめの具体的な党名は、日本未来の党など一般名詞の党に吸収され、あっという間に姿を消した。おそらく、これは選挙におけるスケールメリットを生かし、一般名詞の方が幅広い支持を受けやすいとの見方であろう。先行例としては、旧西ドイツの「緑の党」がある。

政党にとっての選挙民は、企業にとっては消費者。今度の総選挙は政党名のマーケティング効果がどの程度影響がでるだろうかhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:固い頭による教育、知恵の湧き方知らず」から

2012.11.30   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:固い頭による教育、知恵の湧き方知らず」から

学習してからの応用では、知恵がでない

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)の話は、教育の基礎に関わる辛口な話である。

○水とは?

「水素と酸素が反応するとどうなるか?」と尋ねられれば、「水ができる」と答える。一方、これを丸暗記して、今度は「水とは何か」と聞かれると、「水素と酸素の化合物」となる。ただ、答えがそれしか出てこないのが問題であるという。つまり、「水とは何か」に対して、いろんな考えや気付きがあってしかるべきであるのである。

○和田教授の発明「時空計算尺」の導入

話は変わって、和田教授の発明である「時空計算尺」に移る。この計算尺、上野の科学博物館で販売されている理科教材で、主尺と副尺でできた対数による計算尺である。対数だから掛け算と割り算が、足し算と引き算になり、スライドして縮尺計算ができる。

主尺の「太陽の直径」を副尺の「1メートル」に合わせると、この縮尺では、地球は約1センチメートル、人間は1ナノメートル強となる。同様に生命の誕生を1年前とすると、キリストの誕生は約20秒前、人の寿命は0.5秒前後となるという。

さて、この計算尺を小中学校に教材として持ち込んだところ、先生方の意見は、

A:「対数の概念を知るのに良い教材」

B:「まだ対数を教えていないから使えない」

といった意見に分かれたという。Aの意見は前向きで、Bの意見は後ろ向きだ。ただ、和田教授が指摘するのは、Bの意見の先生は教育の基礎が分かっていないのではないかと指摘する。子供の頭にアイデアがどのように湧き、組織化されていくかが分かっていないのではないかという。Bの意見で行けば、飛行機は空気力学を知ってから作り、昆虫採集は生物学を勉強してからという理屈になる。

子供のころ、対数を習ってから計算尺を使ったのではなく、計算尺をいじっていたら対数の存在を感得し、簡単に割り算が出来ることに驚き、新しい世界を知ることになる。happy01