【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:固い頭による教育、知恵の湧き方知らず」から
2012/12/05
2012.11.30 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:固い頭による教育、知恵の湧き方知らず」から
学習してからの応用では、知恵がでない
コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)の話は、教育の基礎に関わる辛口な話である。
○水とは?
「水素と酸素が反応するとどうなるか?」と尋ねられれば、「水ができる」と答える。一方、これを丸暗記して、今度は「水とは何か」と聞かれると、「水素と酸素の化合物」となる。ただ、答えがそれしか出てこないのが問題であるという。つまり、「水とは何か」に対して、いろんな考えや気付きがあってしかるべきであるのである。
○和田教授の発明「時空計算尺」の導入
話は変わって、和田教授の発明である「時空計算尺」に移る。この計算尺、上野の科学博物館で販売されている理科教材で、主尺と副尺でできた対数による計算尺である。対数だから掛け算と割り算が、足し算と引き算になり、スライドして縮尺計算ができる。
主尺の「太陽の直径」を副尺の「1メートル」に合わせると、この縮尺では、地球は約1センチメートル、人間は1ナノメートル強となる。同様に生命の誕生を1年前とすると、キリストの誕生は約20秒前、人の寿命は0.5秒前後となるという。
さて、この計算尺を小中学校に教材として持ち込んだところ、先生方の意見は、
A:「対数の概念を知るのに良い教材」
B:「まだ対数を教えていないから使えない」
といった意見に分かれたという。Aの意見は前向きで、Bの意見は後ろ向きだ。ただ、和田教授が指摘するのは、Bの意見の先生は教育の基礎が分かっていないのではないかと指摘する。子供の頭にアイデアがどのように湧き、組織化されていくかが分かっていないのではないかという。Bの意見で行けば、飛行機は空気力学を知ってから作り、昆虫採集は生物学を勉強してからという理屈になる。
子供のころ、対数を習ってから計算尺を使ったのではなく、計算尺をいじっていたら対数の存在を感得し、簡単に割り算が出来ることに驚き、新しい世界を知ることになる。
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