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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:多元的な外交戦略を」から

2012.11.7  日経産業新聞の記事「眼光紙背:多元的な外交戦略を」から

米国の対中外交は多元的

コラムの筆者は、尖閣諸島問題で「政冷経冷」となっている日本とは裏腹に中国に接近している米国を話題にしている。

○表裏ある米国の対中国外交

尖閣諸島問題は、日本の商品に対する不買運動、日中貿易の低迷など日本の企業に大きな影響を与えている。一方で、日本企業を尻目に着々と中国に接近しているのは米国である。

中国の通信機器大手、華為技術の米市場進出が安全保障上の脅威として米市場から締め出すように米国下院情報特別委員会が求め話題になった。さらに、中国政府関係者からは「オバマ政権は対中強硬策、信頼できない」と言いつつも、米国の地方公共団体が中国企業の地元誘致を狙って中国詣を行っているという。中国企業の投資意欲も旺盛である。

表では殴り合いのケンカをしても、裏では手と手を取り合う、こういった巧みさが日本には欠けているとコラムの筆者は疑問視している。このままでは日中関係が正常化するときには、米国企業に市場をさらわれている可能性もあるという。日本企業も損得を勘定した上で、中国市場や中国企業をうまく取り込む多元的な外交戦略が必要だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:シニア向けグッズ、販路の不備、普及阻む」から

2012.11.9  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:シニア向けグッズ、販路の不備、普及阻む」から

シニア、企業双方に機会損失

コラムの著者高嶋健夫氏(フリーランス・ジャーナリスト)が注目しているのはシニア向け便利グッズで安価であるために流通にのらないことによる機会損失である。

【シニア向け便利グッズとは】

車いす、介護ベッドなどの介護保険の対象となる大型の福祉用具ではない、単価の安い雑貨品をさす。具体的には、

  • ルーペ付き爪切り
  • 軽い力で先が開く洗濯バサミ
  • 片手で使えるセラミック製の卓上大根おろし
  • 取っ手が大きく持ちやすい軽量マグカップ

など、視力、張力、握力が衰えたシニアにも使えるように工夫されている。

【大ヒットも生まれている】

「らくらく実感オープナー」(一個126円)は兵庫県小野市のそろばんメーカー、ダイイチが製造販売するヒット商品である。ユニバーサルデザイン商品で、ペットボトルのふたや缶飲料のプルタブを軽い力で開けられるという。1999年の発売以来、累計販売数は800万個に達したという。

高嶋氏は、問題は、流通網(販売網)の不備で、単価の安いこのような商品を扱う店舗が少ないという。シニアからは、欲しいモノがすぐに見つけられないし、どこで買えるのかも分からないといった不満も多いという。

日本の高齢化を考えれば、高齢者の自立・生活の質(QOL)向上のためにこのような商品は望まれている。しかし、現状は、消費者も企業も機会損失となっている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:繊維の老舗、世界へ飛躍」から

2012.11.7 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:繊維の老舗、世界へ飛躍」から

高級ブランドだけにでは飛躍にならない

コラムの著者 面川真喜子氏(マーケットプランナー)は、日本の繊維が世界の高級ブランドに採用されて久しい中で、それに甘んじず更に飛躍しようとする老舗について語っている。

○独自性が光る小野莫大小(めりやす)工業(東京・墨田)

面川氏が語る繊維の老舗は小野莫大小(めりやす)工業(創業1924年)で、編み針、繊維から加工し、常に新規性を追求しているという。毛の表面を滑らかにし生地を編むと、着心地も見た目もワンランク上の素材にできることを同社は発見し特許を取得した。「コズモラマ」と名付け、海外のメゾン(高級衣装店)などに生地を提供。

同社のコズモラマは様々な有名ブランドの商品となり、広がった。しかし、普通の消費者には高根の花である。そこで、一般消費者にも一人でも多くの人にコズモラマを使ってもらおうと、自社製品作りを進め、店舗を開店した。Smoothday(2012年9月東京・青山開店)である。Tシャツ、ブルゾン、ジャケットやクッションカバーなどのインテリア商品も扱っている。日本メーカーの素晴らしさを体験できるお店と面川氏は紹介している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:リバース・イノベーション」から

2012.11.8  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:リバース・イノベーション」から

異質なものの融合=イノベーションを途上国に求める

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、最近の経済関係の書籍を取り上げ、途上国をビジネスの顧客と考えることでイノベーションが成功した事例を示している。

○「リバース・イノベーション」(ビジャイ・コビンダラジャンほか著、ダイヤモンド社)から

途上国で生まれたイノベーションを先進国で逆流させる考えが面白いという。グローバル・マーケティングでは、IPLC(国際プロダクトライフサイクル)で良く言われた方向とは逆であるという。IPLCでは、例えば、テレビであれば、米国⇒他の先進国⇒途上国と段階的に普及するという。

  • 米GEヘルスケア:先進国で好評な3000ド以上の心電計が、医療事情の悪いインドでは売れない。そこで、800ドルの簡便・軽量の新機種MAC400を開発したところ、瞬く間に普及した。
  • 米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G):、最先端技術の生理用品が全く売れない。現地の需要を基にコンセプトや商標名から開発するといった手法で新商品の導入に成功したという。

○「ネクスト・マーケット」(C・K・プラハラード著、英治出版)から

BOP(ベース・オブ・ピラミッド=最貧国市場)という用語を広め、途上国向け戦略の大転換を提言している。途上国は寄付や援助の対象ではなく、顧客として捉えろという。

  • 英蘭ユニリーバ:アンナプルト・ソルト(ヨード添加塩)。この塩は途上国の多く子供たちがヨード欠乏によって知的障害を起こすことから重宝されていた。インドでは約2割はヨード添加塩であるが、同社は、搬送や調理で失われるヨードを分子レベルでカプセル化し成分を保つことに成功。シェアを大きく伸ばしている。

○「コトラーのマーケティング3・0」(フィリップ・コトラーほか著、朝日新聞出版)から

途上国は先進国と事情が全く異なることを前提にすべきと説く。

  • アジアの住宅メーカーの事例:先進国では住宅だけ売ればよい。途上国では、道路沿いの商店スペースを一緒に提供しなければ、購入に先立つ雇用も必要だという。

途上国に異質なものを融合してイノベーションを起こす源泉があると、欧米メーカーは見始めている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「質問力で商機をつかむ⑥:シナリオを作る」から

2012.11.7  日経産業新聞の記事「質問力で商機をつかむ⑥:シナリオを作る」から

あくまでもシナリオは仮説、柔軟に

コラムの筆者 中野俊宏氏(HRインスティテュートチーフコンサルタント)の今回の話題は、多忙な相手に対して、聴きたいことをしっかり聴くためのtipsである。

○シナリオの作成

中野氏はシナリオをつくるために2つのポイントを示している。

(1)フレームワーク(問題整理の枠組み)を意識すること

営業では、「3C」のフレームワーク、自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)の3つを意識する。この枠組みは自社の戦略を導く際によく利用されるが、顧客企業の視点で情報を聴きだし、提案の切り口を得るために使う。

その他、「質問ツリー」に質問の流れをつくることも中野氏は薦めている。質問ツリーは、最初に確認すべきことを列挙し、それぞれの項目について具体的に聴くべき質問事項を整理する。ツリー状にして記憶することで、会話を行う際もスムースになるという。ツリーを見ながら会話の内容を事前に頭の中でリハーサルすると効果が高まる。

(2)会話の中で話がそれても軌道修正すること

3Cで質問を想定しても相手によっては話がそれてしまうことがある。そんな時にも慌てずに相手の話に耳を傾けながら質問ツリーを意識して、④でたYES・NO質問などで会話をコントロールするようにする。

また会話の中でどうも盛り上がらない時は、質問のシナリオを柔軟に変えることも必要である。

質問のシナリオはあくまでも、こうすれば聴きたい話が聴けるはずだといった仮説である。固執して質問を続けるのではなく、会話の流れに合わせて柔軟に話題や視点を変えて本質に辿り着くようにしたい。happy01