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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑦:効果的な人材育成法」から

2012.8.2  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑦:効果的な人材育成法」から

タレントレビューのプロセスを計画する

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア、シニア・ プリンシパル)が今回焦点をあてるのはグローバル人財の育成効果の上げ方である。

【研修の満足度は高いが、本当に人が育っているのかを意識する4つの方法】

■1:研修では個々の弱みを克服するのではなく、強みを伸ばす形に変える

強みを伸ばす方法では、個人だけでなく、組織全体の底上げにつながる。新興国では、変化に応じて新しい事業を自ら構築できるリーダが求められる。個性を伸ばし多様性に富んだ組織作りが、このようなリーダーを育む。

■2:リーダーになる上で必要な経験を具体化する

抽象的なテーマではなく、日々の仕事で経験を積むような具体的な経験に変える必要がある。

■3:人財要件の定義から候補者のリストアップ、育成、評価、登用まで一連のプロセス「タレントレビュー」を確立すること

候補者を層と捉えるのではなく個としてとらえ、育成計画を立てる。また、作佐部氏は、候補者が新陳代謝するような規則を導入し、毎年ポストの要件を見直すことで、要件に当たらない人財は重点育成対象の候補から外すことも必要だという。

■4:以上の3つのポイントの順番をどうするかを検討する

いきなり研修ではなく、タレントレビューなどの全体の仕組みを整備しつつ、どのようなリーダーの育成が求められ、それに必要な研修を考えるといった順序である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エシカルマーカット」から

2012.8.2  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エシカルマーカット」から

拡大するエシカル(倫理的)マーケット

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が語るのは、児童労働や環境破壊、紛争の資金源につながる鉱物を使用せず、社会や自然へのマイナスの影響を最小限に抑えた、宝飾品のエシカルマーケットを取り上げ、その拡大の要因を解説している。

【顧客増】

顧客の対象は、婚活世代で大都市部に居住する20代から30代の女性。ブライダルとアクセサリに分かれ、前者の平均購買単価は、結婚指輪がペアで約30万円。婚約指輪が約40万円以上、後者のアクセサリーは、約2万円前後であるという。

【販売価格の構成】

宝飾品は素材の占めるコストの割合が少ない。つまり、デザインやブランドが大きな意味を持つ。機能性価値よりもむしろ、ほとんどが、感性的価値できまる商品である。そうであえば、従来のデザインやブランドだけでなく、鉱山で働く児童や社会・環境を傷つけないエシカルな意識に付加価値を見出す顧客層も増えている。

【フェアトレードの変遷】

コーヒーなどの農産物にはじまり、化粧品や衣服、さらに宝飾品と、エシカルの動きが広がり、フェアトレードもその範疇を拡げつつある。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:住宅会社、ソフト面にも力」から

2012.8.1   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:住宅会社、ソフト面にも力」から

不動産購入者を一過性から連続的なサービスへ

コラムの著者 面川真喜子氏(マーケットプランナー)が示す事例は、三井不動産グループが4月に始めた自社物件の居住者向け会員サービス「三井のすまいLOOP(ループ)」である。

【住宅・不動産業界を震撼させたヤマダ電機のM&A】

脅威に感じたのは、ヤマダ電機が住宅設備中堅のハウステックホールディングス(東京・板橋)の買収である。業界では住宅設備の保守管理サービスなどのソフト面を充実させようという動きが活発になってきた矢先であったからである。

特にネットを利用して住宅取得意欲のある顧客を集めるサービスは不動産大手がこぞって提供している。

【事例:「三井のすまいLOOP(ループ)」】

会員数首都圏約23万世帯。サービスは、グループ各社の施設利用時の優待、パートナー企業の東芝グループや「一休」など100社以上のサービスを利用できる点である。会員サービスを推進する三井不動産レジデンシャル開発事業本部商品企画室主査の池内順平氏が言うには、

  • 居住者が求めるサービスを積極的に提供することが差別化となる
  • ネット以外の「オフ」ラインサービスの充実を図り、地域コミュニティーを創ることで、居住者のニーズをくみ取る
  • 管理費などが支払えるクレジットカードのポイント利用した、住まいと暮らしに関するサービスの拡充

で、物件を購入した顧客を囲い込むサービスを行い、パートナー企業との協業で新規のサービスを生むという。

一過性の不動産購入ではなく、居住することに着目した各種サービスがビジネス・チャンスになりそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「成功する朝活術④:眠気に勝つには」から

2012.8.1   日経産業新聞の記事「成功する朝活術④:眠気に勝つには」から

眠気はSNSで公知にして自分を追い込む

コラムの著者 池田千恵氏(CONECTA代表)が語る朝活の成功の秘訣に「眠気との戦い」に打ち勝つなど幾つかのハードルがあるという。池田氏のこれらのハードルに対する克服法を見てみよう。

【ハードル1】眠気との戦い

前回の朝活の「目的を明確にする」が実現しても、最初のハードルとして、「眠気との戦い」がある。「一人朝活」でも「交流朝活」でもハードルは同じである。

  • SNSで、「今日は○時に起きる」と宣言すること。
  • 予定通りに起きれたら、報告をすること。

このように、公知としてしまうと、達成しないと恥ずかしいという状況を作ってしまうのだという。宣言をすることで、日々の起床記録にもなるので、後で振り返って、成功率を分析することができる。

【ハードル2】仲間がいない

交流朝活の場合、目的に沿った朝活を探して参加するのが良いが、地域によっては会が見つからない場合もある。その場合、自ら望む会を作ってしまうのも手である。主催者になれば、「寝坊した」とはますます言い出しづらくなる。

  • SNSでコミュニティーを作り、告知する

【ハードル3】早朝営業の店がない

大都市圏以外では、交流朝活をしたいと思っても、周囲に早朝営業の店舗がない場合も多い。折角、行動する気になったのに環境が整っていないためにあきらめるにはもったいないと、池田氏は語る。

  • お店が開いていないなら、開いてもらうように交渉しよう
  • 自分が使いたいから、といった一方的な自分都合ではなく、「場所を使わせてもらうことが、相手にもメリットになる」という提案が出来れば、営業時間を変更してもらうことも難しいことではないという。
  • 福島県いわき市で「いわき朝活」を展開されている久野雅己氏氏は、地域活性化も狙って、朝活を展開しているという。告知はSNSで行い、軌道に乗って、今は「お店を開けるから、うちで朝活をしてほしい」といった依頼も来るようになったという

このコラムでは詳しくSNSをどう工夫したのかまでは池田氏は示していないが、参加者同士が積極的に発信、交流ができるようにしているという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:生命科学発展の要諦、高い視点と広い視野」から

2012.7.31   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:生命科学発展の要諦、高い視点と広い視野」から

展望なき意見ではなく、研究開発には戦略的発想が必要

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)は、一部の無理解な専門家に対して憤りを感じながら、今や世界の第一線をリードする生命科学には、高い視点と広い視野の戦略的発想が必要と説いている。

○展望なき意見に憤り

和田教授は、東大理学部物理学教室に生物物理研究室を開設した人物。70年代からDNAの遺伝情報の大量解読に苦心した。結果として、81年に和田教授が主宰する国家プロジェクト「DNA高速自動解析」が動き始めた。その時、医学畑の専門家から、

  • 「あなたの研究は技術だ。科学をやれ」
  • 「そんなものを作るぐらいなら、俺に予算をよこせ」
  • 「人が手でやれるのに、ねんで機械ににやらせるのだ」
  • 「機械は解析の名人にかなわない」
  • 「解析の一部分だけ速くしても意味がない」

など、散々足を引っ張られたという。将来に何の展望もない意見である。

○戦略的発想の必要性

自動化による精度向上は、機械が得意な繰り返し操作を複数で行うことで達成。名人技では、昼夜兼行で作業はできない。さらに、複雑な解析工程を全体から一斉に速くすることはできない。しかし、一部を速くすることで、残りの部分の開発意欲があがるという開発戦略であった。すでに先進的な技術を得た国では、このような開発戦略を取っていた。さらに、このような日本の戦略的発想の欠如によって、20年後に遺伝情報大量解析時代の到来が来るとも思っていなかった。すなわち、生命科学を推進するには、和田教授が指摘するように、狭い生物学ではなく、高位の視点と広い視野をもったシステム構築戦略が不可欠である。そこは、数少ない、日本が得意とする科学技術の総力を挙げられる未開地である。happy01