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2012.3.13   日経産業新聞の記事「今こそ面白く仕事を(中)」から

決められたルールを守れば安心?

コラムの筆者 堀場雅夫氏(堀場製作所最高顧問・創業者)が語るのは、規制や法律、ルールと目的に対する行動である。

堀場製作所では1970年代の上場以来、配当性向に関して、一般的な「安定配当」ではなく、額面ではない株主との約束の利益配分を主張してきた。東証2部上場で、当時の大蔵省に直談判して、「配当は本来、利益配分ですよね。」と訴えたそうだ。以後、この訴えは聞き入れられたそうである。

この話でわかることは、横並びで考えもしないで、理論的に規制やルールの目的を、どれだけの企業人が理解して行動してるかという疑念である。

【堀場雅夫氏の視点】

  • 「規制やコンプライアンス(法令順守)が厳しすぎる」と言った批判は、理論的に目的を理解し、論理的に役所に訴えたことはあるのか?⇒役所の側も「今の規制で企業も安心している」と誤解していないか。
  • 皆がきとんとモノを言わず「長いものに巻かろ」では閉塞感が募るばかりである。本来は、人間社会が円滑に動くことに目的に考えた決め事であり、法やルールが目的であるかのような、主客転倒が起こっている。
  • 「決められたルールを守れば安心」という社員が広がれば、社会で本来果たすべき目的を見失う。仕事の面白みも減ってしまう。
  • 起業家について
    • 事業を考える際にも自分の好きな分野よりも、今はやりの分野に進み、皆が参入して成功確率が低くなるようではよくない。
    • むしろ既存のモノづくりやサービス周辺に、「あったら助かる」隙間のニーズを狙ったほうが成功確率もやりがいもあるのではないか。
  • 戦後、成長を果たした後、横並び意識が強まったときに、新興国にちからをつけられたのではないか。

堀場氏の視点は、独自性の追求にある。決まったことに疑いをむけることも重要であろう。sun

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