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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:法外な『春節価格』に不満爆発」から

2012.2.6   日経産業新聞の記事「眼光紙背:法外な『春節価格』に不満爆発」から

理解できないと敬遠してもビジネスは成功しない

コラムは、多少コジつけだが、興味深い。

話は、中国のお正月、春節にまつわる話。コラムの著者の体験談から始まっている。

春節の時期に中国東北部の田舎町でタクシーの運転手が、「春節なんだ。嫌なら、乗せないよ」、とふてぶてしく言い放った。十数キロ離れた隣町に行くのに、一人20元(約240円)払え、という。地元住民に聞くといつもの2倍の運賃。

と、ここまでなら、「お年玉」価格ということだが、中国のハワイと呼ばれている海南島の三亜では、法外な春節価格で問題となった。

「普通の海鮮料理を3品頼んだら4000元(約4万8000円)取られた」といったネット上の書き込みで始まり、多くの苦情が瞬く間に広がって、”炎上”状態になったらしい。当局も徹底調査と再発防止の行政指導にでたとのことであるが、これで悪徳業者の根絶やしになっていないという。市場競争の原理が働かない地域では、根絶できない。

日増しに中国の消費者もサービスに対する要求水準が上がっているという。おもてなしで世界的に有名な日本のサービス業が出番となるかどうか、コラムの著者のウィットがそこに在った。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「大学改革のベクトル⑦:国際化、秋入学で進むか」から

2012.2.6   日経産業新聞の記事「大学改革のベクトル⑦:国際化、秋入学で進むか」から

言葉や通年制も障害に

コラムの著者 諸星裕氏(桜美林大学大学院教授)は、東大の秋入学移行計画を大学改革の一環としては評価できるものの、幾つかの課題があると指摘している。

○秋入学移行では国際化にほとんど影響がない?

・海外からの留学生の需要と供給が不明確のまま

⇒全学部2%未満を10%に上がるには大学としてコストと覚悟が必要との指摘である。

・教育言語

⇒日本語教育はまだまだ少数派。言語の壁を越えて東大で実のある学生生活を留学生が送れるかは課題である。

・教育ランク

⇒東大のランキングは研究機関としてのランキング。純粋に教育機関としての水準は研究機関のそれよりも低い。更に言えば外国人留学生が東大を卒業して価値がどれほどあるかといった評価が必要である。

・日本人の海外留学の東大生

⇒秋入学によって海外の大学とタイミングは確かに合致したが、語学力の向上による単位だけの取得に終わり、反って卒業単位の修得が遅れるのではないかとの指摘もある。

○授業の濃度

・海外の多くは、通年制ではなく、セメスター制(二学期制)

⇒年間通じての授業を半年に行い、1学期で完結する。言い換えれば、通年の1学期の2倍の濃さとなる。

⇒学期は短期間の方が教育効果が大きいとの研究が多く実証済み。

日本の教育機関としての国際化に東大の秋入学移行は一石を投じたが、いざ実施となると課題が多いのも事実である。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:理解できないことに目をつぶるな」から

2012.2.3   日経産業新聞の記事「眼光紙背:理解できないことに目をつぶるな」から

理解できないと敬遠してもビジネスは成功しない

コラムの著者が憂いているのは、日本企業の役員や幹部が理解できないような”最先端”では、説明ができず、腰が引き、投資機会や自社とのイノベーションの機会を失ってしまうという。

製品のコモディティー化、超円高、イノベーション欠乏症と、日本のICTに共通する課題。将来のICT産業界のことを考えると、深刻なものは、イノベーションの力が衰えていることだそうだ。

先ず、海外の投資案件を日本の投資部門担当に持ち込んでも、意思決定が遅い。経営陣は最先端が分からないというだけで敬遠し、機会を逸するという。

トーマス・エジソンが曰く、『なぜ成功しない人がいるのか。それは考える努力をしないからだ』と厳しい。インターネッ検索エンジンを巨大な広告ビジネスに変えたグーグル。学内名簿を交流サイトというプラットフォームに仕上げた米フェイスブック。共に起業当時は、ビジネスモデルは不安定で、確証はないが、高度なインターネット技術を用いて出来ることを示した。

筆者も日本のメーカーにいた時、米マイクロソフトのビル・ゲイツ氏に会ったことがある。彼の参加したプロジェクト会議では、技術の詳細まで経営トップであるゲイツ氏が、きちんとそのコア技術の強みと弱みを把握し指示を与えていた点は、日本のメーカー幹部との大きな違いであった。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:空間デザイン」から

2012.2.2 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:空間デザイン」から

会話も雰囲気から

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が語るのは、リゾートホテルの「クラブメッド」を事例に、オフォスでのコミュニケーションについて空間デザインがキーとなっていることを示唆している。

クラブメッドの施設は、レストラン、シアター、プールなどのパブリックスペースを中心に、放射状に広がる形で客室やレジャー施設が配置される。人が集まりやすい場所にパブリックスペースがあり、それらは基本的に開放的な空間で外からものぞける。

一緒に来た仲間やそこで知り合った仲間とコミュニケーションが取れる。企業において、コミュニケーション問題があるところでは、こう言った空間デザインも参考になるかもしれない。

西川教授が注意としてあげているのは、空間デザインで自然でない、ヒトの動きをつくらないということだそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑫」から

2012.2.1 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑫」から

仕事を楽しめば出世や手柄は後からついてくる

コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏が語るのは仕事と出世、手柄に明快な関係を示しているところだ。仕事が決して一人では完結しないところから、成功すれば、みんなで祝うといった気持ちが重要だという。これが出来ない人は、手柄を一人占め、他人の功績ですら、自分の手柄といったことまでも行うという。

我欲に溺れ、他人を蹴落としてまで出世した暁は、平常心がないために、周囲から嫌われたり、恨みを買うことになって反って自滅するという。

○「リーダーになりたければ、一見逆説的であるが、出世を目的に仕事をしないこと」○

酒巻社長は、ビジネスパーソンなら出世を望むのは自然だという。だが、それを過ぎると、人間がおかしくなる。むしろ、純粋に仕事を面白がって、自分の夢を実現すべきと戒める。結果的に出世がついてくるし、人望を保ったままでリーダーになりえることになる。何よりもそう考えた方が、仕事人生は断然楽しいと示唆する。

⇒技術者であれば、目標とする開発テーマを成功させることが所属の部署や会社の業績はもとより、その技術分野、社会の発展に大きく貢献すると信じて取り組むべきだという。

○「好きな仕事に全力投球出来ればそれでいい。手柄は人にくれてやる」○

このような姿勢で仕事ができれば、結果的にリーダーとして心の広さも増すという。

⇒酒巻社長は、仕事の成功に目処が立つと『あとは頼んだよ』と言って部下に仕上げを任せた。こうすることで、部下が仕事を覚え、自信をつけてくれれば、自分のやりたい仕事はやりやすくなくなる。結果として良い仕事ができる。

⇒仕事で成功したかったら、私欲を捨てること。そうすれば、周りも「あいつは手柄を欲しがらない。損得抜きで動く人間だ」と見てくれる。欲のない人間には、安心してよき仲間、協力者が集まってくれる。リーダとして部下に厳しくても、私心がないとわかると、必ずついてきてくれるし、仕事も進み、成功確率も上がる。

○手柄を譲るタイプは、大器晩成○

出世のスピードは決して速くないかもしれない。しかし、見ている人はきちんと評価している。周囲に押される形で着実にリーダーとして階段を昇っていくという。happy01