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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:科学に擬人キャラ多用」から

2011.12.2  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:科学に擬人キャラ多用」から

あらゆるトラブルにも対応できる自律型の生活環境の必要性

コラムの著者 博報堂生活総合研究所エクゼクティブフェロー・東京経済大学大学教授の関沢 英彦氏が指摘するのは、自治体や公共機関が擬人化しを活用したコミュニケーションを行っている際の態度である。

携帯電話会社の家族割引での犬がお父さんのCM。携帯に寄り添うように、俳優が携帯の所有者についてあるくCMなど、日本だけでなく多くの国が擬人化を行って様々な商品の広告に使われているという。

擬人キャラは、親しみやすさを感じさせる点で多用されるのであろうが、関沢教授が指摘するのは、一般人に科学や技術を説明するために理解が難しいからと、安易に擬人キャラを使っている例が少なくないという。問題は、科学的論拠を分かりやすく語る努力を怠り、安易なイメージに逃避していないかということである。

東日本大震災で生活者が思い知ったのは、どんなことでも正面から説明された方が安心できるという事実だという。日本はこの擬人化がうまいことから、陥りやすい点だが、科学的に冷静な説明でも習熟できる訓練も必要だろうという。そこには、擬人キャラは不要かもしれない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「コスト削減『仕組み化のススメ②』」から

2011.12.1  日経産業新聞集の記事「コスト削減『仕組み化のススメ②』」から

営業・サービス部門を投入工数で「見える化」

コラムの著者 A・T・カーニー プリンシパル 糸田哲氏が指摘するのは、受注型業務の多い営業やサービス部門の「勘」に頼った方法ではなく、見える数字による管理に変えていこうというものである。

すでに投入する人数と時間で「見える化」することは、製造部門やシステム部門などで普及しているが、受注型業務ではなく、予定を自ら立てられるところである。そこで、糸田氏は、受注型では多少なりとも誤差があるが、ザックリと数字で予想することで、現場の改善につながることを示している。

投入工数は、人数×時間で、100人×1カ月=100人月といった計算である。事例では、クレジットカードの受付業務で考え方を示している。

受付業務では、新学期などの繁忙期と夏のような比較的安定した時期の繁閑の波がある。勘に頼って、例えば、繁忙期の4月に100人月を設定すると、無駄はなく業務量と投入工数が適正であるとしよう。しかし、夏になると問合せ件数が40%となると、暇になってくる。つまり、60人月程度で適正となる。そこで、考えられるのは、繁忙期だけ、40人月分のアウトソースか残業で凌ごうという考えだ。実際はこんな単純な内容ではないが、糸田氏が重要と言うのは、この数字に基づく考えで現場での対応が見えるということである。業務内容によっては、月単位ではなく、週単位、時間単位で工数を割り出す必要があるかもしれない。要点は、その測定尺度も現場で考えることで効率化が進むということである。受注型であっても、その波をつかめば進められるコスト削減である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ダイエー『さつま姫牛』」から

2011.12.1  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ダイエー『さつま姫牛』」から

精肉のブランディングを一貫管理で

コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏が紹介する事例は、ダイエーの和牛ブランド「さつま姫牛」である。食品の安全性に対するニーズ高まっている中で、国内牧場を保有するメリットを活かし、和牛の飼育から肉の販売まで一貫した安全管理を置くことで品質の保証と美味しさ、さらに適正な価格といった三拍子を武器に2006年から同社はお産を経験していない雌牛を「さつま姫牛」(同社のグループ企業 鹿児島サンライズファーム(鹿児島県鹿屋市)の直営農場の所在に因んで)としてブランド化した。

品質はブランドの立ち上げ前に、肉質が2等級以下のものを出さないという方針を徹底。専獣医師も参画して全頭検査を実施して肥育プログラムによる管理を徹底した。預託農家へも合同巡回と枝肉勉強会などで品質改善の指導を徹底しているという。(▶参考:枝肉:ウシやブタなどの肉畜の場合は、背骨に沿って左右に切断される。このように左右に切断されたそれぞれを枝肉と呼ぶ。)このような努力の結果、さつま姫牛のブランド化以前と以後では、2等級以下の発生比率を2005年の15%から2010年の3.5%に向上、枝肉も平均430キログラムと約40キロの増加を達成した。これは品質の向上と価格の手ごろさを実現するコアとなり、ダイエー大型店舗では、専用コーナーを設け、クッキングサポーターを設置するなど一貫管理による強みがブランド形成につながった。生鮮食品業界での品質改善とブランディングへの挑戦は今後も続くようだ。restaurant


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:お金から自由になる生き方」から

2011.11.30   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:お金から自由になる生き方」から

「皆が私のように生きる必要はない。大切なのはお金の有無より、どう生きたいかだ」と語るドイツ人女性

コラムの著者でジャーナリストの川崎由香利氏が語るのは、ドイツで注目されている女性の話題である。彼女お金から自由になる生き方を実験している。元教師で二児の母である、ハイデマリー・シュヴェルマーさんである。60代まえに家や所有物を処分し、年金も返上。お金を持たず、自分のできることを提供して、必要なものを受け取る暮らしを14年間も続けているそうだ。しかもDVDでドキュメンタリーとして13か国語で販売しているという。

ちょっと考えると、つつましい生活で暮らしているように考えがちだが、実際は、ショートカットの白髪で、真珠のピアスをした普通のドイツ人女性である。

お金のない暮らし方とは、例えば温泉施設で休養したいなら、自分のできるサービスリストを見せ、サービスを提供して、その後温泉を楽しむといった方法だ。つまり、give&takeで物々交換(この場合はサービスですが)が原則。この原則を宗教や慈善事業でもなく行動に移す勇気が新しい、と川崎氏は指摘する。

サステナブル社会が望まれる中で彼女の実験は1つの可能性を示している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネットで活気づく『自由』な音楽」から

2011.11.30  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネットで活気づく『自由』な音楽」から

プロテストソングと音楽業界のgap

コラムの著者は、嘗てのプロテストソングを例示して、既存のCDやレコードといった販売経路とはすでに変わってきていることを示唆している。

コラムの著者は、吉田拓郎氏の「今はまだ人生語らず」や「ペニーレインでバーボン」(以下の動画参考)

 

のように、プロテストソングで何らかの事情により、CD化できない作品が、ネットの動画サイトでは当たり前に配信されている。音楽産業の低迷が続く中、聴く側のニーズは減っておらず、むしろ業界のコンテンツ配信に対する姿勢が時代のニーズに則していないようだ。ネットでは、CDやレコードの売上に関わらず、聞き手に音楽を配信し続けている。ここに大きなビジネス・チャンスがあるだろう。happy01