【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ダイエー『さつま姫牛』」から
2011/12/04
2011.12.1 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ダイエー『さつま姫牛』」から
精肉のブランディングを一貫管理で
コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏が紹介する事例は、ダイエーの和牛ブランド「さつま姫牛」である。食品の安全性に対するニーズ高まっている中で、国内牧場を保有するメリットを活かし、和牛の飼育から肉の販売まで一貫した安全管理を置くことで品質の保証と美味しさ、さらに適正な価格といった三拍子を武器に2006年から同社はお産を経験していない雌牛を「さつま姫牛」(同社のグループ企業 鹿児島サンライズファーム(鹿児島県鹿屋市)の直営農場の所在に因んで)としてブランド化した。
品質はブランドの立ち上げ前に、肉質が2等級以下のものを出さないという方針を徹底。専獣医師も参画して全頭検査を実施して肥育プログラムによる管理を徹底した。預託農家へも合同巡回と枝肉勉強会などで品質改善の指導を徹底しているという。(▶参考:枝肉:ウシやブタなどの肉畜の場合は、背骨に沿って左右に切断される。このように左右に切断されたそれぞれを枝肉と呼ぶ。)このような努力の結果、さつま姫牛のブランド化以前と以後では、2等級以下の発生比率を2005年の15%から2010年の3.5%に向上、枝肉も平均430キログラムと約40キロの増加を達成した。これは品質の向上と価格の手ごろさを実現するコアとなり、ダイエー大型店舗では、専用コーナーを設け、クッキングサポーターを設置するなど一貫管理による強みがブランド形成につながった。生鮮食品業界での品質改善とブランディングへの挑戦は今後も続くようだ。
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