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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:学びの原点」から

2011.11.1 日経産業新聞集の記事「TechnoOnline:学びの原点」から

質問が新鮮な心を刺激する力

コラムの著者放送大学神奈川学習センター所長 渡辺慎介氏は、「質問促し若い心に刺激を与えることが学びの原点であるはず。小学校からその芽が摘み取られるのでは」と危惧する。渡辺氏がこの危惧を感じたのは、かつてある小学校の6年生に野鳥の話をしたときのことである。担任の先生が事前に生徒が質問する内容を事前に親切に送ってくれたそうだ。当日、質問の時間は、大学生にない元気な質問が多く出たのは良かったが、事前の内容とそう違わなかったことだ。つまり、今聞いた話で、気付いた質問がどうして出ないのかという点に危惧を覚えたという。

小学生だから無理かもしれないが、大学ではなおさら質問が出ない。それよりも小学校時代から教師から質問を促されたことがないのが現実ではないのかという。先生に質問するのも、先生の質問に答えるのも、知識だけでは出来ない能動的な「学びの第一歩」であろう。どうしてか、何故なのかが、実は多くの新しい学問や技術の創出につながるはずだ。渡辺氏は、知己で、惜しくも9月15日に他界された日本物理学会の会長でもあった和達三樹氏(東京理科大学教授)が、研究会や学会でユーモアのあふれる質問をしてその場が盛り上がったことを思い出すという。既成の概念に疑問を持ち、こんなことが実現できたらと夢を膨らませる、そこに新しい科学や技術の出発点があると、同氏は語る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点⑮:ソーシャルビジネス芽吹く」から

2011.11.1 日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点⑮:ソーシャルビジネス芽吹く」から

企業とNPO法人の両方の特性をもつソーシャルビジネス

コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏は、イギリスではすでに法人格としてCIC(コミュニティ利益会社)を認定し、社会的企業としてお墨付きを与えるソーシャルビジネスについて解説している。また、ソーシャルビジネスの効果を数値化する手法も開発されつつあるという。それでは、ソーシャルビジネスとは何であろうか?

従来は、企業は利潤追求、非営利組織(NPO)はミッション志向で水と油のように相いれなものと考えられてきた。しかし、社会的ミッションを持ちつつ、事業性を追求する新たな形態が「ビジネスとしての社会事業」、ソーシャルビジネスという。経済産業省のソーシャルビジネス推進研究会の定義では、

  • 「社会的課題(高齢化問題、環境問題、次世代育成など)を市場としてとらえ、その解決を目的とする事業。
  • 「社会性」、「事業性」、「革新性」の3つを要件とする

としている。形態として、株式会社でもNPOでも良い。

国内外のこうした動きを支援する政策がある。また、英国のように別法人格を設け、税制優遇をしないものの、政府が認定する。資金調達を円滑に行うためである。従来のように行政やボランティア主体ではなく、ビジネス手法で社会的課題を解決する革新性から、「ソーシャル・イノベーション」としても注目されている。

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『いいね!』ボタンの落とし穴」から

2011.10.31  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『いいね!』ボタンの落とし穴」から

ソーシャルネットワークシステム(SNS)は本当にソーシャルなのか?

コラムの著者は、面白くもない投稿や情報に付和雷同して『いいね!』ボタンをクリックする自分に警鐘も含めて、SNSが本当にソーシャルなのかと疑問を投げかけている。

世界に8億人の利用者を抱えるというファイスブック。だが、レストランでの食事風景やジョギングの成果、ペットの自慢話をシェア(共有)して本当に「ソーシャル(社会)」なのか。ソーシャルグラフ(人間関係図)と言えるのか。「友達の友達」で親友になれるのかと言った時の利用者の反応はどうなのか?

『アラブの春』の情報伝達やマーケティングの効果アップとしてのSNSは、どうもソーシャルの本質と違うとコラムの著者は指摘する。ニックネームで同じ趣味や興味をもるコミュニティーのSNSも人気であるが、こちらの方がよほどソーシャル的だという。面白さでつながるなら、like!も良いが、今付和雷同のクリックに、表層的な企業の数字に騙されてはいけないのではないだろうか。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:原発費用、試される『原子力ムラ』」から

2011.10.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:原発費用、試される『原子力ムラ』」から

オープンな議論が必要な原子力事故の想定

コラムの著者が訴えるのは原子力委員会の原子力発電所の事故リスクや核燃料再処理費用の見直し案に対する考え方である。「原子力ムラ」に必要にされるのは、最悪の可能性も想定したオープンな議論であるのに、推進派の国際機関の想定や政府や東電が見積もるものでこれまでの路線で良いのかというものである。

推進派の発生確率での見積もりでは、設備費用の70%(0.0053円/kwh)。これに対して、脱原発派の立場の委員からは、福島原発事故のデータを使った事故発生率と損害総額を勘案して48兆円とした。結果、13.7円/kwhである。この差は、これまでの推進派が「不確かな前提に基づく試算は受け入れない」として費用を過小評価し、後で国民に負担を強いるといったことを繰り返してきた点だという。「動かない再処理工場や高速増殖炉」などの原子力の中核政策の有効性が検証されずにいるという驚くべき事実である。angry


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学の研究者もガラパゴス化?」から

2011.10.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学の研究者もガラパゴス化?」から

国際流動化が進まない日本の研究人財

コラムの著者が文部科学省技術政策研究所のシンポジウムに参加したときに話題となった「研究人財の国際流動性と研究開発への影響」について触れている。そこでの問題は、「なぜ日本のポスドク(博士研究員)は米国を始め米国などにあまり行かないのか」ということだ。

先ずは現状把握から。同研究所の調査では、ロボットやコンピューター、電子デバイスの分野で日本は研究者の数は多いが国際流動性が低い。MIT(米国マサチューセッツ工科大学)やシンガポール国立大学などは、世界から研究者が集まり、ソウル大学などは卒業生が世界に出ていく。

東京大学では、日本人が多くを占める学部卒業生が大学院に進学する比率が高い。東大以外の大学でも海外ではなく、国内に研究者を供給している。研究テーマも、ロボット工学や超電導に偏り、世界的に注目されているICT(情報通信技術分野)では、存在感が低下しているという。日本のIT企業が、研究開発を海外に求めているのもこれが原因の一部であろう。

シンポジウムではその対策が議論されたようだが、特殊な日本の市場に特化したガラパゴス製品。コラムの著者は、どうもその根源は大学の研究体制からあるのではないかと指摘している。happy01