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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:住宅エネに『三種の神器』」から

2011.11.10  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:住宅エネに『三種の神器』」から

国内電機産業の活路は「新三種の神器」にあり

コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏によると、

  • HEMS(家庭用エネルギー管理システム):住宅内の消費電力・発電能力を測定し、電力の使用状況や光熱費などを「見える化」する
  • 家庭用リチウムイオン電池:夜間電力や太陽光による電力の蓄積、停電防止
  • 太陽光発電システム:エコ発電

が今後の新たな「三種の神器」だそうだ。この新三種の神器は、これまでの三種の神器も含め、便利さと豊かさをもたらす点では同じである。

問題は、旧三種の神器の時のメーカーから新三種の神器のメーカーに国内電機産業が変革できるかという点に、高岡氏は注目する。つまり、これまでの電機メーカーが得意とし、付加価値を付けた組み立てだけではなく、上流にある開発や部品製造、あるいは下流のアフターサービスに移行できるかがキーだと指摘している。

サプライチェーンの上流への移行はある程度移行できたものの、下流のアフターサービスにはシフトしていない。上記の新三種の神器は、設置、施行、運転状況管理、修理などのアフターサービスが重要で、電機メーカーの移行はまだまだだ。ここに、国内電機産業の活路があるのではないかと高岡氏は指摘している。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:看板『様変わり』が示す構造変化」から

2011.11.9  日経産業新聞の記事事「眼光紙背:看板『様変わり』が示す構造変化」から

日本国内の経済構造の変化が透ける

コラムの著者は、ちょっとした日本の構造変化を街角の賃貸マンションやアパートのエントランス付近に感じるという。それは、「入居者『様』募集 空室あり」の『様』だ。つまり、「様」変わりとなった背景に、賃貸不動産の需要と供給バランスの変化があるという。

供給量に制約があり需要量を十分に満たせない市場はどうしても売り手側(供給側)の立場が強くなる。価格の下落も防げる。ところが、賃貸不動産では、人口減少と高齢化の波、さらに供給過剰により経営環境が厳しくなっている。2008年の総務省 住宅・土地統計調査では、過去最悪の空室率13.1%となった。

これまで借り手がいろんな物件を選べる環境になく、「様」も不要であった業界。何も賃貸不動産業界に限らない。市場の縮小がもっともビジネスにとってリスクである状態だ。これが今の日本国内の経済構造だという。angry


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:『散歩ブーム』近景」から

2011.11.9   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:『散歩ブーム』近景」から

ガード下の風景に世相が見える

コラムのデザイン評論家 柏木博氏が語るのは、散歩ブームと関連し、青山学院大学の大竹誠氏が中心となって発足した「ガード下学会」(▶参考)。TV番組の「ちい散歩」(テレビ朝日系)や「ブラタモリ」(NHK)など底堅い人気があるという。この学会の参加者の徐々に増え、10月21日には文化学院(お茶の水)の「クリエイティブカフェ」で学会発表があったそうだ。話題は、戦後の闇市から東京上野のアメ横などの歴史的な流れだ。

考えてみれば、鉄道会社古くから不動産としてのポテンシャルを感じており、その意味で有楽町や新橋、上野、吉祥寺といった老舗のガード下には、常連と新規顧客を引き込む力があるようだ。

同学会の活動は、ガード下をその地域についての知識のある人の話を聞きながら歩き、最後はガード下の居酒屋で一杯飲ん解散とった散歩プログラム。そこには、世相の移り変わりを感じつつ、楽しむ喜びがあるようだ。beer


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長④」から

2011.11.9 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長④」から

目標を数値や一言で示す具体性が社員を動かす

コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏が語っているのは、具体的な経営に対する目的や目標の立て方、実績への結び付け方である。

酒巻社長は、経営改善と言うと、すぐに経費削減だ、リストラだといって目先の利益を確保するようなやり方は避け、体質改善を考えた。そこでのキーは社員の動かし方。利益が出せないのは、社員の働き方に課題があると考え、一見遠回りのようだが、社員の働き方を改善することが近道と考えた。さらに、社員を動かす上で、経営者として「目的・目標を明確に示すこと」を重視し、社員全員が共有できるように簡潔で明瞭なものを示すことにした。

【酒巻社長が掲げた会社の目的・目標】

  • 目的:「世界トップレベルの高収益企業になろう」
  • 目標:「すべて(時間、生産スペース、電気使用量など)を半分にしよう」

世界の一流の高収益企業とは利益率15~20%である。それを目指したのは、大きくもはや売上を伸ばす時代ではなくなり、無駄な脂肪を取り除き、利益の出せる筋肉質の経営体質に変える必要があったからだ。

社員にピンとくるには、目的を更にブレークダウンして、実現するための具体的な目標を設定した。さらに具体的な数値を示すことで、人はそれに向かって進むようになる。そこに効率よく仕事をする意識が芽生える。

【成果を出すには】

経営陣が常に目的・目標を口に出し、浸透させることで社員に理解させること。さらに最初はハードルを努力次第で越えることができるものを設定し、「成功癖」をつけること。また、目的・目標は、しばしば手段に置き換わる危険性がある。履き違えないように管理すること。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点⑯:CSRに関する報告書」から

2011.11.8 日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点⑯:CSRに関する報告書」から

企業とNPO法人の両方の特性をもつソーシャルビジネス

コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏は、日本ではあまりまだ議論をみていない、世界的に真剣に議論されている内容、統合報告書について解説している。

統合報告書は、財務・非財務情報を一本化しようという動きで、財務情報中心の「アニュアルレポート」と「CSRレポート」を統合していこうという考え方である。欧州や中国では、CSRそのものの義務化というよりも、取り組みに関する情報開示を義務付けている。統合報告書はこれらの要求に応え、更に経営戦略や事業活動の中に、持続可能な発展や社会・環境への配慮を切り離さないで一本化していこうという思想に合致する。

すでにデンマークの製薬会社ノボノルディスクは早くから統合報告書を作成している。同社の担当役員は、このような報告書の作成が経営の在り方の見直しにつながったと語る。CSRはつけたしではなく、あらゆる事業プロセスに織り込むことで、特定のCSR部門に任せることでもなく、経営トップから第一線の社員まで、各自の意思決定と行動に埋め込まれるべきものとなった。

関氏の解説を読めば読むほど、ソーシャルメディアなどを情報開示の手段として利用する場合CSRとして全社で取り組んでいないと企業自身の存在が疑われる状況であることも見えてきた。関氏は更に、立派なCSRのビジョンを掲げても社員一人一人が本気になるための行動に対する「CSR教育」の必要性を説いている。つまり、次世代のビジネススキルとしてCSRに対する具体的な行動計画、実施、改善といったスキルがビジネス・リーダーとして必要となる日も近いということである。happy01