【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点⑫:『消費者市民社会』に関心」から
2011/10/06
2011.10.4 日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点⑫:『消費者市民社会』に関心」から
企業はバリューチェーン全体のCSRをリード
コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏が、説くのは、2008年版国民生活白書の副題にある「消費者市民社会への展望」に起因する企業と消費者の役割だ。消費者の責任ある行動が社会を変える、消費者市民社会。この思想が、ISO26000の「消費者問題」に取り込まれているという。
これまでは、消費者は権利主張を行うだけであったが、責任ある市民として消費行動を通じて社会的責任を担う新しい消費者像へと変わりつつある。生産だけでなく、消費まで含めたトータルな視点が欠かせないという。
最近ではCO2排出の責任帰属に関する国際的な議論で、消費過程に注目する考え方も出てきている。例えば、2007年中国は米国を抜き世界一のCO2排出国になったが、これは生産過程をどこ輸出するかを考慮しない数字で、中国の最大の輸出国である米国に、この数字を付け替えると、米国が世界一となる。つまり中国から購買するだけで生産拠点のCO2の排出を増やす勘定になる。更に、こういった取り組みのリーダであるユニリーバが自社製品のシャンプーやリンスを商品ごとに、ライフサイクル全体を通じたCO2排出量を計算したところ、平均で7割程が消費段階であったとの結果もある。(▶参考:ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン)
消費段階のCO2排出量の抑制とともに、企業は情報の開示と発信、消費者教育を行い、企業を軸としたバリューチェーン(価値連鎖)全体での取り組みが重要となってきた。