Previous month:
2011年9 月
Next month:
2011年11 月

2011年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「グローバル人材、育成モデル⑤」から

2011.10.13 日経産業新聞の記事「グローバル人材、育成モデル⑤」から

陥りやすい海外出向の課題

コラムの著者 プライスウォーターハウスクーパーズディレクター臼井淳氏が取り上げる企業は、現在進行形で名称が明らかにできない、失敗事例を持つ中堅企業である。

海外での売上高を順調に伸ばし、現地法人の社長は、日本本社の部長クラスで賄ってきた。しかし、海外拠点が急拡大したことから、派遣できる人間が枯渇してきた。赴任期間の延長策ももはや限界。当時の経営トップが出した結論は、これまでの部長よりもワンランク下の次長クラスを派遣することにした。問題はこの後。人事部は苦肉の策として、派遣する次長クラスの負担を軽減するためい、課長クラス2名を補佐役として各拠点に配置することにした。グローバル人財の育成に役立つだろうという皮算用だ。

ところが2年後、想定外の事態が発生した。補佐役として派遣した課長クラスを現地のスタッフが突き上げてきた。さらに、「なぜあなたは本社から派遣されたのか」と厳しい突き上げで、当の課長は自信喪失となり退職を言い出すものもでてきた。人財育成どころか会社機能の危機である。

臼井氏はこの時点で相談受け、現状把握を行った。とん挫の原因は、課長クラスの多くが、赴任前に、非常に狭い部署の業務しかこなしてこなかったことが分かり、現地法人との権限の大きさと目張りの広さがケタ違いであったこと、さらに、経営の一翼を担うといった自覚も乏しいことにあった。国内では課長は精々、6人の部下をまとめれば良かった。ところが、現地法人では50人から300人を担当し、複数の部門長を管理、経営トップの補佐役までこなす必要があった。

臼井氏のこのような課題に対して、従来の日本企業が行うコンプライアンスや語学研修を中心とした人材育成策では立ち行かず、現地法人の社長や補佐役に求めれる役割と使命を詳細に再定義し、その上で、必要となる業務経験や知識、発揮すべきリーダーシップの具体像をまとめることを示唆した。「あるべき姿」の定義は、育成対象者の理想と現実のギャップを見極め、対策を打つために重要だという。

同社の効果が出るのは時間がかかるだろうが、対策を早速具体化して積極的にグローバル人財の育成へと打って出ているという。失敗から学んだ取り組みもそろそろ成果がでる時期だという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:『継続の重要性』台頭、修理・リメーク志向へ」から

2011.10.12   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:『継続の重要性』台頭、修理・リメーク志向へ」から

エコとサステナビリティーは時代の価値の中軸へ

コラムの著者ジャパンライフデザイン社長の谷口正和氏によると、サステナビリティーの価値=継続の重要性について解説している。

ライフスタイルのあらゆるところで、REがついた、recycle、reused、reduceといったキーワードが重要性を増しているというのだ。その根底も続けることの大切さだ。

消費傾向も、使い捨てから出来るだけ修理・リメークして長く利用しようという傾向が強まっているという。代々木上原に今年6月全館リニューアルオープンした、商業施設「アコルデ代々木上原」内(▶参考)にGMT FACTORYに注目。同店が、靴の輸入卸売会社ジー・エム・ティーの運営で、靴職人と縫製職人が常駐してくるの修理、バックから洋服まで幅広いリフォームに対応して人気を呼んでいるという。

リフォームは住宅業界では新機軸として発展している。今後ライフスタイルのあらゆる場面で重要なサステナビリティー・サービスとして展開できそうだ。この背景には、新しいモノの生産重視から文化重視へと移ってきたからだという。谷口氏によると、江戸文化の300年、京都文化の1200年も江戸や京都がサステナビリティー文化を象徴する都市と言えるからという。

顧客から支持され志向はどうやらサステナビリティーの視点であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑳ジェフ・ベゾス」から

2011.10.12 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑳ジェフ・ベゾス」から

インターネット・バブルを生き抜いたのは”逆張り”戦略

コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー ディレクター岸本義之氏が紹介する最終回の人物は、2000年以降のインターネット・バブルを生き抜いたeビジネスの第一人者米アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス(▶参考)である。

20世紀終盤で登場したインターネットはビジネスの世界にも大変革をもたらした。2000年から2001年のインターネット・バブルが崩壊したころには、多くの起業家が舞台を去り、その中で生き残ったVBに米アマゾン・ドットコムがある。

創業者ジェフ・ベゾスは、プリンストン大学卒業後金融界に入り、投資会社DEショウのSVP(副社長)にまで昇進した。その後インターネットの将来性をみるに、オンライン販売に興味を持った。商品数が多く、インターネットの特徴である”検索”に馴染み、新規参入が容易なモノを探し、結果として書籍とCDを扱うことにした。

出版社の多い書籍は寡占が進みにくい。さらに、零細企業も多く、非効率な返本等の商慣習があることから、ネット販売で大きく効率化できると考えた。さらに、取次業者が卸売機能を持っていることから、在庫管理が容易であった。顧客の注文を受けてから本を取り寄せればよいのである。

1995年米アマゾン・ドットコムをペゾスは創業した。米国では書籍再販制度がないため、割引も可能で、大型書店(バーンズ・アンド・ノーブルやボーダーズ)が零細書店を駆逐する時期でもあった。そこにオンラインショップの普及は本を手軽に手に入れる手段として徐々に普及しはじめたが、参入障壁の低いために競合他社が多く参入してきた。競争優位性を確保するために、ワンクリック技術の開発、自社向け大型倉庫の運営を手掛けた。多くの投資が、巨大倉庫に使われたため、投資家の中には『オンライン書籍はバーチャル書店のくせにリアルな資産に投資する」といって酷評した。結果的にペゾスの「逆張り」の読み通り、競合他社は配送の利便性で優位に立てず敗退することになり、成功した。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:円高だけじゃない企業の逆風」から

2011.10.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:円高だけじゃない企業の逆風」から

為替変動の一喜一憂より購買意欲の刺激が根幹

コラムでは、円高解消が、景気の強さにつながるのかどうか、疑問を投げかけている。北米航路のコンテナ船の貨物輸送実績を分析してみると、アジアから北米への貨物輸送量は、6月から2カ月連続で前年実績を下回ったという。6月からの変調は、米国の住宅市場の低迷長期化、年末のクリスマス商戦に関して、売り手側が弱気の見通しを立てていることが要因である。同航路の7割が中国発となると新興国の経済成長の減速要因にもなろう。

仮に円安方向に転じた場合、輸出関連企業にはプラスの影響がでようが、輸入原材料の原油、貴金属、非鉄や穀物が引き続き高値圏で留まると可能性もあり、反って一時的なプラスである公算が高い。

根本である購買意欲を刺激し、魅力ある商品づくりや新市場の開拓を忘れては、為替変動に一喜一憂しても仕方がない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:変わる中国人の舌狙え」から

2011.10.7   日経産業新聞の記事「眼光紙背:変わる中国人の舌狙え」から

食文化の変化はビジネスチャンスか

コラムでは、上海をはじめ沿海都市の街並みが急激に変化にした中、パン焼き設備を備えたベーカリーとケーキ店も加わってきているという。10年前には日本の味に慣れた舌したには合わなかったが、台湾系、シンガポール系、韓国系、日本系の出店で、日本の水準の味に近付いているという。

先ずは、高所得者層の出現だ。パン1個に10元(約120円)、ケーキに30元(約360円)といった値段に対して支払える所得者層が出てきたことが大きな要因。フランスの輸入バターや生クリームといった高級食材でも採算が取れることで、かつてはバタークリームしか知らなかった中国の消費者も生クリームの方が美味しいと感じるように変化したという。20年前に烏龍茶を冷やして飲むというと中国人が仰天していたのが、今はペットボトル入りの烏龍茶が売られている。

コラムの著者によれば、食ほど短期間に変わる文化も少ないという。世界で最も食にこだわり、優れた食品を持つ日本は、中国の食ビジネスで最も大きなチャンスがつかめるのではないかという主張である。「安全・安心」はもとより、「味」と「品質」で勝負することが、日本のお家芸であれば、そろそろ本来の力が出てくることであろう。