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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑤」より

2010.11.04の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑤」から

ストラテジー・コンテント系分析:グローバルとマルチ・ドメスティックの分析から

コラムでは、前回の組織形態の考察から、今回は戦略の中身であるコンテントを考える。

自社を含む産業の特徴を先ずは、以下の何れあるいは中間であるかを分析する:

  • 世界を単一市場とみなし、競争も世界規模・・・グローバル産業
  • 競争が各国ごとに違っており、独立している・・・マルチ・ドメスティック産業

さらに、グローバル規模での

  • 価値連鎖(バリューチェーン)の配置( configuration ):集中配置の度合い
  • 価値連鎖(バリューチェーン)の調整( coordination ):分散された活動の調整の度合い

を考える。

コラムでは2つの例を示す。

一般的に食品産業では、ニーズにおける各国の地域性がありながら、製品開発がコストでも全体的に低いことから、生産活動における「規模の経済」が大きく効かない。資源分散を行って、地域ごとのニーズに合わせるマルチ・ドメスティック型戦略が向いているとしている。

一方、半導体産業では、ニーズが世界的に似ており、開発投資も大きことから、生産活動の「規模の経済」が有効だ。つまり、世界的に統合度を含めたグローバル型戦略が向いているとしている。

このような定義で各企業は、コストをリードするのか、差別化を図るのか、集中もしくはグローバルな細分化を図るのかを選択する。この選択で国際分業を考え、前回の組織論を連動させようというのが今回のねらいである。

今回は戦略の中身をどの方向性を持たせるかを自社の商材とニーズ、組織の3つの連立方程式を解く方法でもある。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「データ分析達人めざす1」から

2010.11.02の日経産業新聞の「データ分析達人めざす1」から

データ分析は、知るためだけではなく活用することが目的

このコラムは、連載コラムとして、統計・データの意義を知り、活用法を探るものである。統計やデータを活用する味噌は、

  • データがどのように算定されたかを知る
  • 自分の仕事とどのように関連しているかを知る

ことから始めることだ。コラムでは完全失業率を例にとっている。完全失業率が低くなると、雇用環境が改善されたとみてよという仮説を検証するためには、完全失業率がどのように算出されているかを知ることから始めるわけである。完全失業率は、就業者と完全失業者を加えた「働く意思のある人」に占める完全失業者の割合である。つまり、雇用環境が悪すぎて求職をあきらめた人が増えても、完全失業率は下がる。よって完全失業率の改善だけでは、雇用環境が改善されたかどうかは分からないという結論となる。仮説の検証には完全失業率だけでは不十分であるといえる。

上記の2点、算出の方法と自分の業務とのかかわりを考えて初めて、データを活用したことになる。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営④」より

2010.11.02の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営④」から

調整力と効率性の2軸で分かれる海外組織戦略

コラムでは、多国籍企業でも4つの組織モデルがあることを解説している:

Tab

図に示す組織モデルで、目標となるのは、「トランスナショナル企業」である。世界レベルでの調整が強く、経営資源と組織能力は海外子会社に権限と配分を適時行い、ネットワークを形成することで、

  • 効率を上げる
  • 現地環境への適用に強くなる
  • イノベーションと学習が行われる

コラムにもあるように、日本は、グローバル企業が多く、欧州では、マルチナショナル企業が多い。日本では上図の①のような移行、すなわち、海外子会社への権限委譲と経営資源の配分がうまくいくかがきーとなる。

思えば、IBM等のような企業では、組織モデルの研究と実践がいち早く行われていた。日系企業は、中長期的にこのような視点を持てるであろうか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち⑤」より

2010.10.29の日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち⑤」から

オールド日本がネットで古い商慣習を破る

コラムでは、水産業、農業、自動車産業といった、これまでネットをパイプに使うことは行ってきたが、ネット上でサービスを展開することは行ってこなかった「オールド日本」にも新たな動きがあることを解説している。

水産業では、漁師と消費者を直接つなぎ、農業では、都市生活者が故郷の農産物をネット販売する。板金塗装も下請けからネット直販へと、これまでの商慣習を打ち破り、生活者と直接対話して、ネットでの均質化ではなく、多様化をうまく取り入れている。まさに、ネットでの「地産地消」だ。

オールド日本がネットの力によって一皮むけた時、新たなビジネススキームが生み出されるに違いない。新興勢力とは異なり、オールド日本は、伝統に支えられた販路を持っている。後は、こういった伝統の支えをどのように新しい商慣習にリノベーションするかにかかっている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち④」より

2010.10.28の日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち④」から

ネットでは既存事業の10年ひと昔が5年ひと昔以上に

コラムでは、検索大手のグーグルは「成長が鈍化した旧世代企業」、新興のフェースブックも新興企業の追撃を受けているとい、急速な変化がネットを支えているという。携帯電話のブラウザ大手のACCESSでさえ、米アップル社のストアで急激に売り上げを伸ばしている「i文庫」の開発陣に驚いたという。開発はたった一人、会社も全員で2名のソフト会社。クラウドコンピューティングとアップストアのような自作ソフトの展示棚の台頭、さらにソーシャルメディアが力をもつことから、ソフトの開発現場は大きく様変わりした。

高価なサーバは不要、開発環境もネットから供給でき、顧客のニーズもSNSでやり取りしながら把握ができる。こんな環境は、2004年のグーグルの台頭でクラウド環境が整った後から急速に”常識”となった。

米国のVCが「80年代はパソコン、90年代半ばのネット登場に続く第3の波はSNS(交流サイト)」と説いている。新興勢力のネットベンチャーにとって、開発、販売、販売促進をネットに手軽に行えることはここ数年急速に整った。これまでは大手や中堅企業少なくともが数千万円の投資を必要としたことが、無料やオープン化で、数十分の1から数百分の1のコストで実現できる。まさにアイデアと実行力で決まる世界だ。

面白いことにこれまで大きく稼いできたIT分野、ソリューションサービスは、精彩を欠く。クラウド化は、安価でカスタマイズに手間ががかるとされてきたが、ここにきてカスタマイズを考慮したサービスが表れ、ITソリューションの価格競争は熾烈になりつつある。何を持ってソリューションを行うかの勝負から、ソリューションで顧客の何に付加価値提供するかに変化してきている。さらに、この変化は、上記のSNSやソーシャルメディアの普及に呼応している。ITソリューション事業でも、付加価値を求められる時代に、SNSのような顧客のニーズの傾聴戦略が必須となってきているようだ。