【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ナビゲーター:ネット時代、タテ割り無用」より
2010/11/21
2010.11.17の日経産業新聞の「ナビゲーター:ネット時代、タテ割り無用」から
IoT: 人を介さないインターネット利用の時代
インターネットの普及に大いに貢献されている慶大の村井純先生がコラムで、IoTを解説。つまり、小型で高性能なセンサーが半導体技術の発達で普及し始めたからだ。
MEMSと呼ばれ、半導体材料のシリコン素材にマイクロマシンを作る技術である。センサーは互いに無線等で結ばれ、制御装置を介してインターネットに接続する。インターネットからリモートで指令を受信すれば、センサーの先の様子を知ることができ、さらに、指令を出して、リモートで環境を変化することもできる。
例えば、温度センサーを室内の植物工場に置き、細かい温度状況をインターネットを介して監視。温度の変動を察知したら、植物工場のエアコンや加湿器をインターネット経由で指令。これによって最適な温度環境をつくるというもの。
もっといえば、この指令の判断をコンピュータで行えば、マシンとマシンが通信して制御する、M2Mができることになる。
村井氏は、ここでM2Mになったからと言って人間との問題がないというわけでないことを警鐘する。M2Mで、制御対象を人間環境とすると、安全やプライバシーなどの課題が浮かび上がってくる。例えば、センサーやカメラで監視した情報は個人情報も含まれ、それを機械的にデータ化した場合、プライバシーの問題が生じる。安全面では制御機器が、暴走するなども起こる可能性もある。
さらに情報機器や通信の課題だけでなく、交通や医療、福祉といった分野にまで波及するという。その際に、監督官庁のタテ割り主義があだとなって、課題解決が遅れれば、我が国は世界から孤立する可能性もあるという。