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【ヒット商品】ネタ出しの会 日本でFacebookは、mixiを凌駕するか?

2010.08.06の丸の内ブランドフォーラム十体塾10.2」より

日本でFacebookは、mixiを凌駕するか?

 かつて、ブログをビジネスとして取り扱おうと、知人に聞くと「ブログって簡易版の日記だろ。そんなもの、日本で流行るのか」と言われたものだ。当時、ビジネスブログはそれほど知名度が低く、インターネットも電子メールのパイプとホームページの開催場所としか認識されていなかった。少なくとも、ブログが日記風サイトとか簡易日記と訳されて、ビジネス感覚が鈍ったこともある。

 しかし、ブログは今や人気タレントや政治家、社長といった有名人では必須となり、以前の日記サイトは、なりを潜めた。その要因はいくつかあるだろうが、ブログが急成長した要因は、コメントやトラックバック、リンクといった相互交流を基本機能としてもっている点だ。「開かれた(open)」な個人サイトであったのは、閉じた日記サイトと指向が全く違うことをこのとき日本人は気付いたともいえる。

 このように一見技術的には類似で、大きな差異がなくても、その使われ方によって大きな展開の違いが出てくる。mixiとfacebookもこのような位置づけにあるのではないだろうか?

 mixiは現在は招待制ではないが、かつては閉鎖系のソーシャルネットワークシステムであった。そこには一種の匿名性があった。一方、欧米では(実に米国では8割近く)インフラ化したfacebookは、同じSNSのカテゴリーにいながら、開放系でコミュニケーションを図っている。

 日本では文化的にmixi型が良いとする向きもあるが、ビジネス利用を考えると、国際的で開放型なfacebookに軍配が上がるだろう。また、googleのような機械的な検索で結果が得られない場合でも、facebookの検索では、該当のものが得られやすいともいう。機械的なインフラよりも人間がつながったインフラを好んで使う結果だという。


【ヒット商品】ネタ出しの会 Groundswellは、グランズウェルにあらず、グランド・スエルなり!

2010.08.06の丸の内ブランドフォーラム十体塾10.2」より

Groundswellは、グランズウェルにあらず、グランド・スエルなり!

 ブログに、SNS、ツイッターにフェースブック、ファーラム....、最近はありとあらゆるソーシャルメディアが紹介され、使われている。インターネット社会は、技術的にweb2.0と呼ばる双方向コミュニケーションがさらに進化して、生活者が情報を消費するだけでなく、創造することも同時に行う世界になってきた。

 企業も、従前としたマスメディアだけで情報を発信するだけでは、顧客に無視されるどころか、このようなインターネット社会とのコミュニケーションを正しく向き合わないと、商品のボイコットにもつながりかねない事態になって来ている。

 この流れを、groundswellという。swell、つまり 膨張することが大きく起こり、「大きなうねり」と呼ばれる。

 問題は、これを「グランズウェル」と迷訳されたこと。正しくあえて片仮名で書くなら、「グランド・スエル」であろう。筆者も、上記の講演会で大柴ひさみさんから指摘されるまで気付かなかった。不覚である。やはり、ICTは原文で理解しなければならないことを肝に銘じた。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座」①より

2010.08.06の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:組織理論⑧」より

ノスタルジーなのかリーダ向きか、マネージャ向きか

 コラムで日本企業の経営環境の大きな変化がここにも表れていることを示している。国内市場の縮小と新興市場の隆盛、日本企業は「グローバルリーダ」の渇望の大合唱という。しかし、人財育成は促成栽培では出来ず、韓国では20年以上もかかって人財育成に取り組み躍進を得たという。また、日本企業には、リーダとマネージャーを明確にせず、個人の能力を十二分に引き出していないとも指摘している。

 リーダ的人材は常に新しいことにチャレンジをおこなう。マネージャーは複雑性に対して問題を解決し組織を管理する。前者はA×B⇒Cのケミストリ、後者はA⇒A’の改善を得意とする。自社組織で個人をこのレベルまで把握せずに、キャリア形成を行うと効果が薄いわけだ。リーダ型にはイノベーションの仕事を与え、マネージャー型には総合的管理能力とスキル向上を行うべきだ。

 現状、有事である。従前たるリーダ性とマネージャー性の両者を兼ね備えた人財を育成することより、きちんと両者を分けて戦略的な組織を創り、結果が出た時点で、両者を兼ねた人財育成を図るべきだ。

 特にリーダ型を今こそ養うべき時でもある。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の眼光紙背「パナソニック再編」より

2010.08.06の日経産業新聞の眼光紙背「パナソニック再編、教訓生かせるか」より

企業統合の難しさは文化の違い?

 コラムで、パナソニックの三洋電機の統合で、過去の同社のシナジー効果について苦労を重ねてきたことに触れている。シナジー効果を出すには、親会社や本社が、強力なリーダーシップでグループを牽引することが必須だという。いわゆる、強権指令で、トップダウンで行うべきだという。

 銀行や航空業界、流通業界の再編が活発な昨今、企業統合の難しさは、企業文化の差異によるとも言われてきた。無理もなかろう。統合前は、ライバル企業同士でしのぎを削ってきたわけだから、統合しましょうと言って、すぐに企業文化が溶け込むことはない。文化の差異は、経営理念やポリシー、ビジョンにも及ぶだろう。

 しかし、いつまでも文化の違いでは済まされないのがビジネス社会。ライバルのギクシャクした企業の弱点を突いてくるかもしれない。解決は、再編前の文化から、統合後の新文化を生めるか否かにかかっている。文化の違いを追求することより、文化の共通性を重視し、新規の企業文化を生みだす、ボトムアップも必要ではないだろうか?統合後に入社した人財には旧文化は無意味な過去のものとしか映らない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の眼光紙背 消えゆく創業者の血脈

2010.08.04の日経産業新聞の「眼光紙背」より

創業ブランドはノスタルジーなのか

 コラムでは、SANYOが消え、PANASONICになる。その背後には大株主の機関投資家と創業家の対立があると。さらに、リスクをとって起業した人々の末裔(まつえい)が石を持って追われるような国で、若者たちは起業を志すであろうかと憂いている。

 一方で創業家での本業復活をかけるトヨタがある。必ずしもこの憂いが気にならない訳ではないが、問題は、機関投資家の短期視点と創業家の中長期視点が共に重要であることを忘れてはいないか?アントレプレナーを目指す若者も、IT長者で終わることを必ずしも目指しているわけではなかろう。

 中長期的に雇用を確保し、公共と器として企業経営を進めること。この国には、そんな社会起業家として志を持った若者も実は多い。