【ヒット商品】ネタ出しの会 時事から 国内iDC流行りは本物か?
2010/07/26
国内iDC流行りは本物か?
国内大手の経済紙などICT業界で「クラウド」の言葉が掲載されない日はない。クラウドは、コンピューターネットワークの利用形態の1つだが、Wikipediaによると、クラウドコンピューティングは、以下の3種類に分類される場合が多い。また以下を総称してXaaSと呼ぶ場合もある。
- SaaS
- インターネット経由のソフトウェアパッケージの提供。電子メール、グループウェア、CRMなど。セールスフォース・ドットコムのSalesforce CRM、マイクロソフトのMicrosoft Online Services、GoogleのGoogle Appsや、日本ではブランドダイアログのGRIDYグループウェアがある。 PaaS
- インターネット経由のアプリケーション実行用のプラットフォームの提供。仮想化されたアプリケーションサーバやデータベースなど。ユーザーが自分のアプリケーションを配置して運用できる。セールスフォース・ドットコムのForce.comプラットフォーム、GoogleのGoogle App Engine、マイクロソフトのWindows Azureなど。 HaaSまたはIaaS
インターネット経由のハードウェアやインフラの提供。仮想化サーバーや共有ディスクなど。ユーザーが自分でOSなどを含めてシステム導入・構築できる。Amazon.comのAmazon EC2、Amazon S3など。
これをみて気付かれると思うが、多くが、複数アカウントとアプリケーションデータをセットとしたレコードを組み合わせたデータベースとその管理を行うシステムからなる。つまり、クラウドの正体は、大きなインターネットデータセンター(iDC)の複合体といえる。
クラウドをつかったSaasは安価で利用したいが、情報セキュリティの面から国外のセンターを敬遠する企業も多くあり、国内iDCはそれに応えるソリューションとして盛り上がっている。
しかし、この流行は本物であろうか?地理的な信頼性も重要であるが、クラキングや情報漏洩の面から国内だから安全とは実は言い辛いところもある。多くのクラウドの下支えは、海外ソフトベンダによるパッケージであることから、情報セキュリティの改修の面では若干不安がある。つまり、データは地理的に国内にあって信頼性はあるが、肝心のアプリケーションサービスを利用する際に情報セキュリティの不安があるというわけだ。
何れにしても、日本のクラウドベンダーが、アプリケーションサービスまでマネージメントできるかが、この流行の行方を左右するだろう。
すでにセールスフォースやアマゾンは日本でのiDCの建設を進めている。彼らの実績が、日本のクラウドベンダとの差別化ポイントであれば、日本勢は厳しいかもしれない。
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