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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:小山薫堂氏、老舗料亭を経営」から

2013.6.27  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:小山薫堂氏、老舗料亭を経営」から

同氏の幸せの視点からの経営改革

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、京都の老舗料亭「下鴨茶寮」の経営を引き継いだ放送作家の小山薫堂氏が新規の仕事を始める際の3視点について語っている。

○多才な小山氏の3つの視点

 米アカデミー賞受賞作『おくりびと』の脚本家、出身地熊本県のPRキャラクター「くまもん」の生みの親、テレビ番組「料理の鉄人」を手掛ける等、多彩な才能をもつ小山薫堂氏。今度は、京都でも名高い下鴨茶寮の経営者としてどのような手腕を見せるのか、というのが三浦教授の興味を引くところだ。

 小山氏が新たな仕事を始めるとき、これまでと一見脈絡のない仕事に見えるが、3つの条件があるという。

  • それは自分にとって面白いか
  • それは誰かがやっていないか
  • それは誰かを幸せにするか

だという。最初の2つ目までは多くの人が実践しているだろうという。すごいのは、誰かを幸せにできるかという視点である。

○従業員を幸せにした日光金谷ホテルの再建

当初、従業員もホテルも疲弊して下向きの姿勢であったという。そこで、小山氏が導入したのは、名刺の革新であった。

  • 従業員にホテルで一番誇れるものを選んで写真撮影をする
  • その中から30点を選び、各人の名刺の裏に印刷。
  • 全部集めたお客様に記念品を提供

といった活動を開始した。開始後、なかなか好評で、お客様が名刺を集めるようになった。そのうち、誰が何の名刺を持っているといったところから、お客様とのコミュニケーションが取れるようになり、皆、顔を上げて、お客様と目線を合わせて堂々と話すにようになったという。

 昨今の経営コンサルだとすぐにコストカットや人員カットとなるが、小山氏の改革は、コストカットなどで更に下を向くような改革ではなく、誇りを持って、お客様と堂々と話すことで、従業員は幸せとなり、それがホテルの再建につながったという。

小山氏の視点は、誰を幸せにするか、つまり関係者に注目しそこに経営の根幹があるとにらんだ基本に忠実であったと言えよう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:新しい旅行体験、他人の家に宿泊仲介」から

2013.1.30  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:新しい旅行体験、他人の家に宿泊仲介」から

現地文化に触れる民宿的体験

コラムの著者 岩崎博論氏(博報堂コンサルティング局ストラテジックプランニングディレクター)が語るのは、欧米で根付きつつあるホテル代わりに他人の家に泊まるサービスである。

○Airbnb (参考)のビジネスモデル

この日本人の感覚ではちょっと不思議な習慣と思えるサービスを提供するのが、米サンフランシスコに拠点を置くAirbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)である。同社のビジネスモデルは、生活者同士の家や部屋を貸し借りを支援し、料金の徴収を代行して、手数料を取るものである。

貸し手は貸し出す部屋や家の賃料を設定し、写真を撮って同社のサイトにアップ。借り手は、サイトを通じて貸し手に連絡し、貸し手が承認すれば予約できる。予約が成立すると、一旦クレジットカードから料金が引き落とされ、予約をこの時点でキャンセルすることもできるという。

貸し手も借り手も双方レビューを書く仕組みで、その履歴が信用情報となる。

利用者のメリットは、ホテルよりも安い宿泊料。ただし、ベットのリネン交換や朝食などのサービスは無い。

物件は住宅地にあることが多く、住人にように近くのスーパーの買い物を楽しんだり、現地の文化に触れることができるという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:シティー・ツーリズム、リピーター創造課題に」から

2012.5.23    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:シティー・ツーリズム、リピーター創造課題に」から

都市内都市での競争、地域での協創の時代へ

コラムの著者 谷口正和氏(ジャパンライフデザインシステムズ社長)が語るには、都市が最大の観光地であることが明確になり、特に東京の巨大観光地化は顕著で、まさに「シティーツーリズム」が主体になりつつあるという。

東京・江東区のお台場地区の「ダイバーシティ東京」、渋谷地区の「渋谷ヒカリエ」そして、墨田区の「東京スカイツリー」など、都市が情報の発信拠点として変貌しつつあるという。これらの地区、地域同士が都市内都市として競争し、地区内の地域ではこれまで競合であったところ独自性を出すため協創する時代に変貌した。

大型連休の東京都内、横浜、千葉の一部を含めた首都圏への旅行の予約件数は、日本旅行によると、昨年同時期の2.1倍、東日本大震災の影響がなかったおととしと比べると32%増の高水準だとデータもシティー・ツーリズムが好調であることを示している。

これまでは東京はビジネス目的であったが、これが新たな観光目的の場になった。問題は、リピーターをどの位確保できるかといった課題である。鮮度頼みの期待値だけでは、飽きられてしまう。やはり、継続性のあるテーマ設定が地区に必要で、顧客の学習意欲をかきたてるコンテンツがそこには必要となる。happy01building


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エースの超軽量スーツケース」から

2012.3.1  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エースの超軽量スーツケース」から

女子旅ブームとスーツケース

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介する事例は、大手バックメーカーのエース(東京・渋谷)である。これまでの同社のスーツケースが男性の頑丈さを売り物にしてきた視点を変え、同社は、企画を担当した入社1年目の新人デザイナー、久世温子さんを抜擢した。

「女性目線での企画」。これが久世さんの課題である。スーツケース製造を「女子旅」ブームに乗せるのが使命である。ターゲットは20代から30代の女性。女性が友達と連れ立って、あるいは母娘での旅といった「女子旅」。

先ず取り組みは、これまで以上の軽量化である。水よりも軽い耐衝撃性ポリプロピレンを素材とした特殊シェルで、従来品の40%の軽量化に成功したという。軽量化だけでなく、女性が好むモチーフ検討し、雪山、結晶、オーロラなどの自然が作り出す造形をベースに50以上のスケッチに加え、トレンドやベーシックなもの、久世さん自身の感性で6色を選定した。カラーの呼称も、ピンクではなく、オーシャンローズといった自然を意識したモノにした。

この女子旅向けスーツケース。3月3日発売で、10日よりAKB48の篠田麻里子さんを起用して「ラグーナライト」シリーズとしてTVでCMを行う。

LCC(格安航空会社)や羽田空港の国際化などで女子旅マーケットは拡大するとみられ、女性が好む軽量化に代表される機能とデザインの向上で差別化を行うという。

ブームへの便乗だけでなく、差別化のマーケティングが売上の差をつけそうだ。airplaneshipbullettrainhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:空間デザイン」から

2012.2.2 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:空間デザイン」から

会話も雰囲気から

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が語るのは、リゾートホテルの「クラブメッド」を事例に、オフォスでのコミュニケーションについて空間デザインがキーとなっていることを示唆している。

クラブメッドの施設は、レストラン、シアター、プールなどのパブリックスペースを中心に、放射状に広がる形で客室やレジャー施設が配置される。人が集まりやすい場所にパブリックスペースがあり、それらは基本的に開放的な空間で外からものぞける。

一緒に来た仲間やそこで知り合った仲間とコミュニケーションが取れる。企業において、コミュニケーション問題があるところでは、こう言った空間デザインも参考になるかもしれない。

西川教授が注意としてあげているのは、空間デザインで自然でない、ヒトの動きをつくらないということだそうだ。happy01